室戸ジオパーク
室戸ジオパーク(むろとジオパーク、英: Muroto Geopark)は、高知県室戸市全域をエリアとするジオパークである[1][2]。2011年(平成23年)には世界ジオパークに認定され[3]、室戸ユネスコ世界ジオパーク(むろとユネスコせかいジオパーク、英: Muroto UNESCO Global Geopark)または室戸世界ジオパーク[4]の名称が使用される。
概要
[編集]室戸岬南方のフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込み、そのひずみで発生する地震による隆起で室戸市周辺には海成段丘が形成されている[5]。また、これらの地震活動で室戸岬周辺では隆起によって化石の発掘など付加体の形成過程を見ることができる[6]。室戸ジオパークは、このような地殻変動に着目しており、2018年(平成30年)時点で合計88サイトが設定されている[7]。
2008年(平成20年)に日本ジオパークの認定を受け[3][7][8]、2011年(平成23年)に国内では5件目の世界ジオパークとして室戸市全域が選ばれた[7][8]。
沿革
[編集]主なサイト
[編集]詳細は、公式サイトのジオパークマップを参照。
ジオサイト
[編集]地質・地形を対象としたジオサイトは51地点が設定されている(2018年時点、以下同じ)[7]。
- 室戸岬[5]
- 崎山台地[13] - 1975年(昭和50年)に日本初の国立青少年自然の家が開設されている(国立室戸青少年自然の家)[13]。
- 西山台地[1]
- 室津港 - 1946年(昭和21年)の昭和南海地震では、漁港周辺が隆起したことで機能不全に陥り、その回復のために浚渫を実施した[4]。
- 東京大学地震研究所室戸地殻変動観測所(非公開)
エコサイト
[編集]生態系を対象としたエコサイトは10地点が設定されている[7]。
カルチュラルサイト
[編集]文化や歴史を対象としたカルチュラルサイトは17地点が設定されている[7]。
関連施設
[編集]- 室戸世界ジオパークセンター
2015年(平成27年)に室戸市が開設した拠点施設[3][10]。2021年(令和3年)12月25日より、阿佐海岸鉄道のデュアル・モード・ビークル(DMV)が土日祝日に1日1往復運行されている[14][15][16]。安芸郡東洋町の甲浦駅からむろと廃校水族館[2]・室戸世界ジオパークセンターを経由して海の駅とろむに向かうルートとなっている(運行予定など詳細は阿佐海岸鉄道公式サイトを参照)[14][15][16]。
- 住所:室戸市室戸岬町1810-2 北緯33度17分57.18秒 東経134度11分10.02秒
- 開館時間:9:00 - 17:00
- その他の施設
風景
[編集]-
ビシャゴ岩と遊歩道
-
シオギク
脚注
[編集]- ^ a b 古今書院 2015, p. 125.
- ^ a b “ネーミングにこだわり“学校感”打ち出す 高知県室戸市「むろと廃校水族館」”. ZAKZAK (2019年6月19日). 2023年3月11日閲覧。
- ^ a b c “数は増えたが…岐路に立つジオパーク、認定取り消しも”. 朝日新聞デジタル. (2019年4月19日). オリジナルの2019年4月19日時点におけるアーカイブ。 2023年3月11日閲覧。
- ^ a b “南海トラフ地震「80%」に根拠はないと記者は確信した 「港の上」と古文書を読み解けば…”. 東京新聞 TOKYO Web. (2022年10月19日). オリジナルの2022年10月19日時点におけるアーカイブ。 2023年3月11日閲覧。
- ^ a b 古今書院 2015, p. 128.
- ^ 古今書院 2015, p. 130-131.
- ^ a b c d e f “名勝室戸岬、天然記念物室戸岬亜熱帯性樹林および海岸植物群落保存活用計画” (PDF). 室戸市・室戸市教育委員会. p. 10 (2019年3月). 2023年3月11日閲覧。
- ^ a b c d 古今書院 2015, p. 5.
- ^ a b c “室戸ジオパーク世界認定への取り組み”. 総務省. 2013年1月14日閲覧。
- ^ a b 古今書院 2015, p. 131.
- ^ “室戸世界ジオパークセンターがオープンしました”. 室戸市. 2016年12月29日閲覧。
- ^ 日本ジオパークネットワーク > JGNについて > お知らせ・プレスリリース(2016年10月30日閲覧)
- ^ a b 古今書院 2015, p. 126.
- ^ a b c “DMV(デュアル・モード・ビークル)とは?”. 阿佐海岸鉄道 (2022年4月1日). 2023年3月11日閲覧。
- ^ a b c “阿佐海岸鉄道「DMV」いよいよ25日から 室戸方面へのバス接続地変更 変わる交通体系”. 乗りものニュース (2021年12月8日). 2023年3月11日閲覧。
参考文献
[編集]- 『シリーズ大地の公園 中部・近畿・中国・四国のジオパーク』古今書院、2015年6月12日。ISBN 978-4-7722-5282-9。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 室戸ユネスコ世界ジオパーク公式サイト
- 室戸ユネスコ世界ジオパーク - 室戸市観光ジオパーク推進室
- 室戸ユネスコ世界ジオパーク (@murotogeopark) - X(旧Twitter)
- 室戸ユネスコ世界ジオパーク (murotogeopark) - Facebook
- 室戸ユネスコ世界ジオパーク - 日本ジオパークネットワーク