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斜行エレベーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マレーシア、ケックロックシー寺院(極楽寺)の斜行エレベーター

斜行エレベーター(しゃこうエレベーター、: incline elevator)は、非垂直な角度で動作するエレベーターの一種。

概要

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標準的なエレベーターがかご(人や荷物を載せる部分)をロープで鉛直につり上げるのに対し、斜行エレベーターはかごを傾斜面の勾配に沿って斜めに引き上げる構造となっている。構造的にはケーブルカー(フニクラー)に類似しており、しばしば混同されるが、ケーブルカー(フニクラー)が運転士(操作士)により巻上装置を外部から操作し、運転時間が決まっているのに対し、斜行エレベーターは乗客の操作による自動運転を行うことで昼夜24時間の随時運転を行うことが可能となっている[1]。このような形態から、日本の法規上では建築基準法の規制を受ける構造物となっている。

斜行エレベーターは、斜行プラットホームリフトまたは丘陵斜面トラムとしても知られており、住宅および商業目的のために利用することもできる。斜行エレベーターの目的は、急な丘陵斜面でのアクセスのし易さ、かつ利用者に最小限の労力で済む傾斜を提供することである。

機動性および身体障害の難問を持つ利用者は、彼らの機動スクーターまたは電動車椅子英語版とともに、彼らの自宅の階段を登るために、斜行プラットホームリフトを大抵利用している。屋外の斜行エレベーターでは、階段が好ましい選択肢ではない、急な丘陵斜面の所有地へアクセスするために利用されている[1]。斜行エレベーターは、工業または建設目的のために、高い場所へ到達するのが困難な器具および資材を移動させるのに利用することもできる。

建設

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最も一般的な斜行エレベーターは、鋼またはアルミニウム材から造られており、電気モーターで駆動し、かつ押しボタンによる電子制御で作動する。 共通の駆動システムには、ケーブル巻取りドラムまたは連続ループ牽引駆動を含んでいる。 ASME A17.1「エレベーターおよびエスカレーターのための安全コード」では、Part 5.1の下で斜行エレベーターに対する固有の国家規格、規則および安全コードが含まれている[2]

著名な斜行エレベーター

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海外

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日本

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グラバースカイロード(長崎県長崎市)

北海道

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関東

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中部

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近畿

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九州

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脚注

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注釈

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  1. ^ 同寺では、斜行エレベーターと称しているが実際には嘉穂製作所製「スロープカー」を運行している。

出典

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  1. ^ a b 高橋他 1982, p. 841.
  2. ^ “Safety Code for Elevators and Escalators” (PDF). THE AMERICAN SOCIETY OF MECHANICAL ENGINEERS ASME A17.1-2007/CSA B44-07. (2007-04-06). https://law.resource.org/pub/us/code/ibr/asme.a17.1.2007.pdf 2014年7月14日閲覧。. 
  3. ^ a b http://www.nydailynews.com/new-york/mta-building-incline-elevator-subway-article-1.1771896
  4. ^ a b c d e Flegenheimer, Matt (2014年5月29日). “With New Slant on Subway Elevators, Expect Delays”. The New York Times. 2014年5月29日閲覧。
  5. ^ DART History: 2000”. Dallas Area Rapid Transit. 2010年12月4日閲覧。
  6. ^ “Tours at Grand Coulee Dam”. Grandcouleedam.com. http://www.grandcouleedam.com/aboutlls.html 2011年1月10日閲覧。 
  7. ^ Grand Coulee Dam: Tour of the Third Powerplant”. U.S. Bureau of Reclamation. 2010年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月10日閲覧。
  8. ^ Incline lift at Greenford Tube station is UK first”. Transport for London (2015年10月20日). 2015年10月22日閲覧。[リンク切れ]
  9. ^ お丸山地区再整備基本構想【基本方針】(案)に関するパブリックコメント結果”. さくら市 (2012年8月1日). 2017年3月22日閲覧。
  10. ^ 客室一覧”. プリンスホテル. 2018年9月23日閲覧。
  11. ^ 赤坂見附駅・永田町駅間のバリアフリールートがより便利に! 〜2021年7月10日(土)首都圏の鉄道事業者では初となる斜行型エレベーターを供用開始〜』(PDF)(プレスリリース)東京地下鉄、2021年7月9日。オリジナルの2021年8月7日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210807030621/https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews210709_39.pdf2021年8月13日閲覧 
  12. ^ 赤坂見附駅・永田町駅に「斜行エレベーター」爆誕 首都圏の鉄道で初 乗り換え通路に”. 乗りものニュース (2021年7月9日). 2021年7月9日閲覧。
  13. ^ 鎌倉プリンスホテル アクセス”. プリンスホテル. 2017年3月22日閲覧。
  14. ^ これは珍しい!上下に動かないエレベーターに乗ってみた!”. ロケットニュース24. 2018年9月23日閲覧。
  15. ^ 弥彦山ロープウェイ”. 弥彦観光索道. 2017年3月22日閲覧。
  16. ^ 大展望をたのしもう ~弥彦山マップ~”. 弥彦観光索道. 2017年3月22日閲覧。
  17. ^ [1]
  18. ^ 斜行エレベーター”. 久遠寺. 2017年3月22日閲覧。
  19. ^ 斜行エレベーターで久遠寺境内へ 身延山久遠寺の桜の楽しみ方”. 2017年2月5日閲覧。
  20. ^ コモアしおつ 街の紹介”. 積水ハウス. 2017年3月22日閲覧。
  21. ^ ホテルくさかべ アルメリア
  22. ^ 'ING REPORT 機』(第5版)都市再生機構、2023年6月、31頁https://www.ur-net.go.jp/rd_portal/pnf/ing_report_k/index.html2023年7月26日閲覧 
  23. ^ 斜行エレベーター”. 崇城大学. 2017年3月22日閲覧。

参考文献

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  • 高橋龍彦、喜多村哲郎、佐々木武彦「斜行エレベーターの開発」『日立評論』第64巻第11号、日立評論社、1982年11月、841-844頁、CRID 1524232504778322816 

関連項目

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外部リンク

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