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日本の特殊切手一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本の特殊切手(にほんのとくしゅきって)では日本の切手のうち、特殊切手に関する事項を記述する。

概要

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日本における最初の特殊切手は、1935年12月1日に発行された年賀切手である。日本では既に1899年から年賀郵便特別配達のサービスを行っていたが、この時初めて発行されたのが「昭和11年用年賀切手」であった。その後「国立公園」を題材にしたシリーズ切手が発行された。戦後になると「国立公園」に加え「文化人」を題材にしたシリーズ切手が発行され、その後も題材を変えながら毎年発行している。

また発行時に記念切手か特殊切手かの分類方法として、切手発行日当日に使用される初日印(切手発行日当日の郵便印)が何が使われるかである。記念切手では毎回特印とよばれるデザインされた消印が使用され、これによって初日カバーなどの製作に使われるが特殊切手では長年にわたり使われず普通切手と同じく初日カバー製作時には風景印もしくはハト印が使用されていた。しかし1974年2月20日に発行された昔ばなしシリーズ第2集「つる女房」から絵入ハト印が使用されるようになった。そのため絵入ハト印が使用される場合には特殊切手である。

そのため一見すると特殊切手のように見えるが、特印が使用されている切手趣味週間国際文通週間などのキャンペーン切手は記念切手扱いであるといえる。また、特印が使用されないふるさと切手も特殊切手であるといえる。

日本の特殊切手一覧

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下記では日本で発行された特殊切手の一覧であるが、記念切手に分類される国際文通週間や切手趣味週間など記念切手に分類できるものや2008年以前のふるさと切手は含まれていない。

シリーズ名 回数 発行期間 種類 備考
第一次国立公園切手(戦前) 8 19361941年 32種
小型シート7種
初回発行は4種、後は4種と小型シート1種のセットとして発行。また2回は植民地だった台湾の国立公園
別府観光 1 1949年 2種 観光地シリーズとして継続発行される予定であったが、初回のみで打ち切り
第一次国立公園切手(戦後) 13 1949〜1956年 38種
小型シート13種
6回目までは4種と小型シート1種、7回目以降は2種と小型シート1種のセット
文化人切手(第一次) 18 1949〜1952年 18種 毎回1種ずつ発行
観光地百選切手 10 19511953年 20種 毎日新聞社が募集で選定した新日本観光地百選のうち10部門の各一位を毎回2種ずつ発行
国定公園切手 41 19581973年 59種 国定公園をテーマに1回につき1種か2種発行
花シリーズ 12 1961年 12種 郵政90年記念として毎月1種ずつ季節の花を題材にして発行
日本三景 3 1961年 3種 日本三景(松島天橋立宮島
第二次国立公園切手 25 19621974年 52種 初回発行は4種、以後は毎回2種発行
年中行事シリーズ 4 1962〜1963年 4種 ひなまつりたなばた七五三節分
鳥シリーズ 6 1963〜1964年 6種 日本に生息する野鳥
お祭りシリーズ 4 1964〜1965年 4種 高山祭り祇園祭相馬野馬追秩父まつり
魚介シリーズ 12 19661967年 12種 日本で水揚げされる魚介
名園シリーズ 3 1966〜1967年 3種 日本三名園の偕楽園後楽園兼六園
国宝シリーズ(第一次) 7 1967〜1969年 22種 時代ごとの国宝をテーマに3種、最後の江戸時代は4種発行
古典芸能シリーズ 4 19701972年 12種 歌舞伎雅楽文楽のテーマごとに3種ずつ発行
昔ばなしシリーズ 7 1973〜1975年 21種 昔話ひとつにつき3種類ずつ発行
自然保護シリーズ 20 1974〜1978年 20種 日本に生息する哺乳類鳥類爬虫類両生類魚類昆虫植物から選定
SLシリーズ 5 1974〜1975年 10種 日本の蒸気機関車から10形式を選定
船シリーズ 6 1975〜1976年 12種 日本の遣隋使船からマンモスタンカーまで各時代の船舶を選定
国宝シリーズ(第二次) 8 1976〜1978年 16種 各回2種発行
相撲絵シリーズ 5 1978〜1979年 15種 各回3種発行
近代美術シリーズ 16 1979〜1983年 32種 近代絵画をテーマに各回2種ずつ発行
日本の歌シリーズ 9 1979〜1981年 18種 童謡などをテーマに各2回種ずつ発行
近代洋風建築シリーズ 10 1981〜1984年 20種 近代の建築物をテーマに各回2種ずつ発行
特殊鳥類シリーズ 5 1983〜1984年 10種 保護鳥をテーマに各回2種ずつ発行
高山植物シリーズ 7 1984〜1986年 14種 高山植物をテーマに各回2種ずつ発行
伝統工芸品シリーズ 7 1984〜1986年 28種 伝統工芸品をテーマに一品目2種、各回4種ずつ発行
昆虫シリーズ 7 1986〜1987年 20種
小型シート1種
切手帳2種
昆虫をテーマに各回4種ずつ発行。別個に小型シートと切手帳も発行
奥の細道シリーズ 12 1987〜1989年 40種
小型シート20種
奥の細道をテーマに各句2種ずつ、毎回4種ずつ発行。後になり小型シート10種ずつ2回にわたり発行
国宝シリーズ(第三次) 8 1987〜1989年 16種 各回2種発行
電気機関車シリーズ 5 1990年 10種 電気機関車をテーマに各回2種ずつ発行
馬と文化シリーズ 5 1990〜1991年 16種 に関する絵画や工芸品をテーマに各回2〜6種ずつ発行
歌舞伎シリーズ 6 1991〜1992年 12種 歌舞伎をテーマに各回2種ずつ発行
水辺の鳥シリーズ 8 1991〜1993年 16種 水辺に生息する鳥類をテーマに各回2種ずつ発行
文化人切手(第二次) 13 1992〜2004年 31種 毎年2〜3種ずつ発行。31人が登場
四季の花シリーズ 4 1993〜1994年 8種 四季の花をテーマに各回2種ずつ発行
郵便の歩みシリーズ 6 1994〜1996年 20種 過去に発行された切手と郵便史コレクションをテーマに各回2〜4種ずつ発行
世界遺産シリーズ(第一次) 4 1994〜1995年 8種 日本の世界遺産をテーマに各回2種ずつ発行。姫路城法隆寺屋久島白神山地
戦後50年メモリアルシリーズ 5 1996〜1997年 20種 戦後の出来事をテーマに各回2〜6種ずつ発行
わたしの愛唱歌シリーズ 9 1997〜1999年 18種 歌謡曲や童話をテーマに各回2種ずつ発行
日本の民家シリーズ 5 1997〜1999年 11種 日本の歴史的民家をテーマに各回2〜3種ずつ発行
笑門来福・落語切手 1 1999年 5種 落語の演目をテーマに5種10枚のシートとして発行
20世紀デザイン切手シリーズ 17 1999〜2000年 170種 20世紀の出来事をテーマに各回10種ずつ発行
世界遺産シリーズ(第二次) 11 20012003年 110種 世界遺産をテーマに各回10種ずつ発行。
江戸開府400年シリーズ 3 2003年 16種 江戸時代をテーマに各回5種10枚のシート(最後のみ6種)として発行。
科学技術とアニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ 6 2003〜2005年 48種 科学技術アニメーション作品をテーマに各回8種ずつ発行。ただし10枚変則編成シート2種類の発行であったため、毎回シート2種とも購入しなければ全種揃うことが出来なかった
干支文字切手 12 2004〜2015年 120種 干支の文字がテーマ
アニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ 20 2005〜2013年 195種 アニメーション作品をテーマに各回10種(初回のポケットモンスターのみ5種10枚シート)ずつ発行。1作品1シートが原則であるが、名探偵コナンが第4集と第10集と2回発行されている
世界遺産シリーズ(第三次) 9 2006年〜(継続中) 90種 世界遺産をテーマに各回10種ずつ発行
日本映画 1 2006年 20種 日本映画をテーマに各作品1種ずつ20種を10枚シート2つとして発行
ハローキティ 2008年 31種 50円と80円の額面のシートをそれぞれ1種類ずつと、お便りセットが発売された
週刊少年漫画 2 20092010年 40種 週刊少年サンデー週刊少年マガジンの創刊50周年を記念して2年にわたり発行
それぞれで連載された漫画をデザインした切手を10種10枚シートを2つずつ発行
スヌーピー 1 2010年 8種 シール式を1シート発行
ピーターラビット 2011年 20種 50円と80円の額面のシートをそれぞれ1種類ずつ発行
星座シリーズ 4 2011〜2013年 40種 10枚シートで発行
自然との共生シリーズ 4 2011〜2014年 20種 5種×2枚構成の10枚シートで発行
日本の山岳シリーズ 6 2011〜2015年 60種 10枚シートで発行
ディズニーキャラクター 5 2011年〜 100種 50円と80円の額面のシートをそれぞれ1種類ずつ発行
季節のおもいでシリーズ 4 2012〜2014年 40種 10枚シートで発行
浮世絵シリーズ 5 2012年〜(継続中) 50種 10枚シートで発行
伝統的工芸品シリーズ 4 2012〜2015年 40種 10枚シートで発行
海外の世界遺産シリーズ 5 2013〜2015年 25種 5種×2枚構成の10枚シートで発行
野菜とくだものシリーズ 6 2013〜2016年 60種 50円/52円と80円/82円の額面で5種×2枚構成の10枚シートを発行
ほっとする動物シリーズ 3 2013〜2015年 30種 50円と80円の額面のシートをそれぞれ1種類ずつ発行。各シートは5種✕2枚。
鉄道シリーズ 4 2013年〜(継続中) 40種 10枚シートで発行。第2集までは毎回1シート、第3集は2シート。
日本の城シリーズ 6 2013年〜(継続中) 35種 第5集までは5種×2枚構成、第6集は10種✕1枚の10枚シートで発行
おもてなしの花シリーズ 7 2014年〜(継続中) 66種 第2集までは4種×5枚構成の20枚シート、第3集以降は52円と82円の額面のシートをそれぞれ1種類ずつ発行
星の物語シリーズ 5 2014〜2017年 38種 第4集までは3種×3枚、1種×1枚構成のシートで発行、第5集+完結編は2シート22種
正倉院の宝物シリーズ 3 2014〜2016年 15種 5種×2枚構成のシートで発行
童画のノスタルジーシリーズ 4 2015年〜2016年 40種 10枚シートで発行
身近な動物シリーズ 3 2015年〜(継続中) 60種 52円と82円の額面のシートをそれぞれ1種類ずつ
和の食文化シリーズ 2 2015年〜(継続中) 20種 10枚シートで発行
日本の夜景シリーズ 2 2015年〜(継続中) 20種 10枚シートで発行
日本の建築シリーズ 2 2016年〜(継続中) 20種 2種×5枚構成のシートで発行、切手帳には凹版インキ単色印刷のものも収める
和の文様シリーズ 2 2016年〜(継続中) 40種 52円と82円の額面のシートをそれぞれ1種類ずつ
My旅切手シリーズ 1 2016年〜(継続中) 20種 52円と82円の額面のシートをそれぞれ1種類ずつ
天然記念物シリーズ 1 2016年〜(継続中) 10種 10枚シートで発行

ふるさと切手(日本郵便発行)

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2008年以降、ふるさと切手が全国発行の特殊切手となったため以下に収録する。

シリーズ名 回数 発行期間 種類 備考
江戸名所と粋の浮世絵シリーズ 継続中 2007年 未定
(継続中)
江戸名所と役者絵の浮世絵シリーズ
ふるさと心の風景シリーズ 10回[1] 2008〜2011年 100種 原田泰治が描いた、全国各地のふるさとの風景を題材としたシリーズ
ふるさとの花シリーズ 10回 2008〜2011年 94種 47都道府県の花を50円、80円の2種発行。2011年7月にはそれぞれ47面切手シートとしたものを発行
ふるさとの祭シリーズ 継続中 2008年〜 未定
(継続中)
各地の祭り
旅の風景シリーズ 継続中 2008年〜 未定
(継続中)
日本各地の観光地のシリーズ
季節の花シリーズ 継続中 2011年〜 未定
(継続中)
四季折々の花
地方自治法施行60周年記念シリーズ 47 2008〜2016年 小型シート47種
47枚シート1種
記念貨幣「地方自治法施行60周年記念」とタイアップ。貨幣図案と都道府県の風景の5種類の切手を収めた小型シートとして発行、最後に全47種を集めたシートを発行

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参考文献

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  1. ^ 「ふるさと心の風景 第10集」の発行”. 日本郵便. 2017年2月28日閲覧。
  2. ^ 平成13年におけるふるさと切手発行計画”. 日本郵便. 2023年2月22日閲覧。


関連項目

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外部リンク

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