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李権武

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
李権武
各種表記
チョソングル 리권무
漢字 李權武、李健武
発音: リ・グォンム
日本語読み: り けんぶ
ローマ字 Lee Kwon-mu、Lee Gwon-mu
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李 権武(り けんぶ、리권무,1914–1986?[1])は、朝鮮民主主義人民共和国軍人延安派に所属。朝鮮戦争開戦時の第4師団長。

経歴

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1914年、咸鏡北道で生まれる[2]。青年時代に和龍で農業に従事[2]満州事変後、東満州の抗日活動に参加[2]

1936年、中国共産党に入党すると方虎山らと共に東方勤労者共産大学に留学[3]

1939年、延安に帰還し、抗日軍政大学東北幹部訓練組で学んだ。後に八路軍第359旅第718団作戦訓練参謀。

1942年、中共中央海外委員会研究班朝鮮組に配属。

1945年、朝鮮義勇軍第5支隊副支隊長[4]

1946年、帰国。朝鮮人民軍の建軍に参加し、同年7月1日の時点で保安局平安南道保安部副部長であった[5]

1947年、第1師団第1連隊長[6]。同年末にソ連軍顧問と衝突して兵士に降格されたが、後に復帰した[6][注釈 1]

1948年3月、労働党中央委員会委員(第2回党大会)。同年10月、第4混成旅団長[8]

1949年、朝鮮人民軍少将。

1950年、第4師団長[注釈 2]。同年6月、議政府方面に侵攻。同年7月、烏山の戦いでスミス支隊を、大田の戦い第24師団を撃退する。朝鮮民主主義人民共和国英雄国旗勲章第1級を受章[9]。同年8月、釜山橋頭堡の戦いで再び第24師団と交戦して優勢に進攻したが、アメリカ軍の反撃を受け第4師団は再起不能となった。

1950年9月、第1軍団長。

1950年10月、平壌奪還作戦に参加。

1953年8月、労働党章則修正委員。

1954年7月、朝鮮人民軍中将。

1956年4月、労働党中央委員会委員(第3回党大会)。

1957年8月、最高人民会議第2期代議員当選、最高人民会議常任委員会委員。9月、朝鮮人民軍総参謀長、大将。

1958年1月21日、国旗勲章第1級を受章[10]。同年2月25日、中国人民志願軍の撤収に伴い、志願軍司令員楊勇と共に防衛交代の連合命令に署名[11]

1958年3月、党中央全員会議拡大会議で重点討論対象として演壇に登り討論してから数日後に反党宗派の頭目の1人として監禁される[12]

人物

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  • 公正で、友好的で、賢く、有能で、謙虚で、優しいと考えられている[13]。誠実で勤勉な司令官であった[13]。李権武の部隊はよく訓練されており、作戦計画ははっきり準備され、よく実行された[13]。事務処理を嫌い、身体的に活発な李は、生まれながらの兵士やファイターで、優秀な戦術家であるが、師団レベルを上回っていない可能性がある[13]
  • アメリカ情報部の情報資料ファイルには、捕虜の証言によると、学者よりも活発なタイプで、教養があり、知的な人物に見えた[14]。中国語は流暢で、ロシア語は少し話すことができた[14]
  • 呂政によると、虎のような将官で知られていたという[12]。また李在雲という弟がいたが、延安派であった兄と違いパルチザン出身であった[12]第88特別旅団におり、ソ連軍少尉の肩章をつけて帰国し、それ以降は指揮官として勤務していた[12]。1958年当時、第2集団軍第23海岸砲旅団長であったが、逮捕され、「兄・李権武と共に党と政府を転覆する武装暴動を陰謀した極悪人」に仕立て上げられて処刑されたという[12]

注釈

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  1. ^ 田處洪の供述によると、1948年9月に第4師団長に就任した李権武はソ連で教育を受けたからソ連軍顧問は必要ないと主張したため、民間企業の副支配人になり、それから命令により同年12月に復帰したという[7]
  2. ^ 人民軍精鋭師団と謳われ第3師団と共に主攻を担当した。1個連隊は元中共連隊であった。

脚注

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  1. ^ Edwards 2006, p. 476
  2. ^ a b c 金 2000, p. 128.
  3. ^ 和田 2002, p. 176.
  4. ^ 金 2000, p. 99.
  5. ^ 김선호 2020, p. 201.
  6. ^ a b 김선호 2020, p. 536.
  7. ^ 捕虜尋問報告書 No.1824 CH’ON, Ch’o Hong” (韓国語). 国史編纂委員会韓国史データベース. 2022年1月3日閲覧。
  8. ^ 김선호 2020, p. 537.
  9. ^ Appleman 1998, p. 293.
  10. ^ 서동만 1996, p. 186.
  11. ^ 軍事歴史研究所 2011, p. 578.
  12. ^ a b c d e 東亜日報 & 韓国日報 1992, p. 449.
  13. ^ a b c d 極東軍司令部情報部 1952, p. 96.
  14. ^ a b RG 319, Assistant Chief of Staff, G-2 (Intelligence), Intelligence Document File Publication 1947-62, Entry # 1004H (UD), ID 950054 : ATIS-FEC Interrogation Report, Box No. 334, 950054 KG 1121, etc.” (韓国語). 국사편찬위원회 전자사료관. 2019年5月20日閲覧。136コマ

参考文献

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  • Alagappa, Muthiah (2001). Coercion and Governance: the Declining Political Role of the Military in Asia. Stanford University Press. ISBN 978-0-8047-4227-6 
  • Alexander, Bevin (2003). Korea: The First War We Lost. Hippocrene Books. ISBN 978-0-7818-1019-7 
  • Appleman, Roy E. (1998) (PDF). South to the Naktong, North to the Yalu: United States Army in the Korean War. Department of the Army. ISBN 978-0-16-001918-0. http://www.history.army.mil/books/korea/20-2-1/toc.htm 
  • (中国語) Chinese Military Science Academy (2000). History of War to Resist America and Aid Korea (抗美援朝战争史). Volume II. Beijing: Chinese Military Science Academy Publishing House. ISBN 7-80137-390-1 
  • Edwards, Paul M. (2006). Korean War Almanac. Infobase Publishing. ISBN 978-0-8160-6037-5 
  • Fehrenbach, T.R. (2001). This Kind of War: The Classic Korean War History – Fiftieth Anniversary Edition. Potomac Books Inc.. ISBN 978-1-57488-334-3 
  • Leckie, Robert (1996). Conflict: The History Of The Korean War, 1950-1953. Da Capo Press. ISBN 978-0-306-80716-9 
  • 陸戦史研究普及会 編 (1966). 朝鮮戦争1. 原書房 
  • 東亜日報,韓国日報 編 著、黄民基 訳『金日成 その衝撃の実像』講談社、1992年。ISBN 4-06-205863-4 
  • 和田春樹『朝鮮戦争全史』岩波書店、2002年。ISBN 4-00-023809-4 
  • 军事科学院军事历史研究所 編著 (2011). 抗美援朝战争史(修订版) 下巻. 军事科学出版社. ISBN 9787802374041 
  • 김중생 (2000). 조선의용군의 밀입북과 6.25전쟁. 명지출판사. ISBN 89-311-0744-7 
  • 서동만 (1996). “북한 당군관계의 역사적 형성”. 통일문제연구 (평화문제연구소) 8 (2): 159-193. 
  • 김선호 (2020). 조선인민군 : 북한 무력의 형성과 유일체제의 기원. 한양대학교 출판부. ISBN 9788972186809 
  • 朝鮮族近現代史”. 朝鮮族ネット. 2014年6月19日閲覧。
  • [이권무(李權武, 1915~?) 金權武]”. 노동자의 책. 2015年3月31日閲覧。
  • (PDF) History of the North Korean Army. Headquarters Far East Command Military Intelligence Section, General Staff. (1952). https://fas.org/irp/world/dprk/army-hist.pdf 2019年5月19日閲覧。 
 朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国
先代
金光侠
朝鮮人民軍総参謀長
1957年 - 1959年
次代
金昌奉