永井美之
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永井 美之(ながい よしゆき、1939年8月18日 - 2020年1月20日[1])は、日本の医学者。医学博士(名古屋大学)。名古屋大学名誉教授[1]。東京大学名誉教授。理化学研究所名誉研究員。専門はウイルス学[1]。
岐阜県土岐市出身。名古屋大学医学部教授、東京大学医科学研究所教授、理化学研究所新興・再興感染症研究ネットワーク推進センター長などを歴任。センダイウイルスやエイズウイルスなどを研究し、ウイルスが病気を起こすメカニズムの解明に貢献。遺伝毒性のない (non-integrating) 広域、高発現細胞質RNAベクターの創始。2008年日本学士院賞を受賞。
経歴
[編集]- 1965年 名古屋大学医学部医学科卒業
- 1973年 名古屋大学より医学博士の学位を取得
- 1974年 ユストゥス・リービッヒ大学(ドイツ・ギーセン)ウイルス研究所研究員
- 1979年 名古屋大学医学部附属癌研究施設助教授
- 1984年 名古屋大学医学部附属病態制御研究施設教授
- 1993年 東京大学医科学研究所ウイルス感染研究部教授
- 1998年 国立感染症研究所エイズ研究センター長
- 2000年 名古屋大学名誉教授
- 2001年 富山県衛生研究所長
- 2005年 理化学研究所感染症研究ネットワーク支援センター長
- 2009年 東京大学名誉教授
- 2010年 理化学研究所新興・再興感染症研究ネットワーク推進センター長(2015年3月迄)
- 2010年 感染症研究国際ネットワーク推進プログラム (J-GRID: Japan Initiative for Global Research Network on Infectious Diseases)、プログラムディレクター(2015年3月迄)
- 2010年 日本ウイルス学会名誉会員
- 2015年 「日本の科学を考える」というWebサイトの「捏造問題にもっと怒りを」というトピック[2]のコメント欄において、1999年~2007年に出版された6報の論文について、不自然な画像データの改変や酷似画像があることが匿名Aというハンドルネームの投稿で指摘された[3][4]。一部の論文については「不正行為が存在する疑いはない」と判断されたことが東京大学から2015年7月31日に発表された[5]。
- 2015年 理化学研究所研究顧問
- 2015年 理化学研究所名誉研究員
- 2015年 (株)アイロムグループ社外取締役
- 2016年 理化学研究所研究嘱託
- 2020年 死去。80歳没。
主な 学会役職
[編集]- 1999年 - 第49回日本ウイルス学会学術集会会長
- 2004年 - 2006年 日本ウイルス学会理事長[1]
- 2008年 - 2011年 日本学術会議連携会員
- 2008年 - 2011年 国際微生物学連合副理事長 (International Union of Microbiological Societies, Vice President)
受賞(章)
[編集]- 1990年 フンボルト賞(ウイルス学分野における国際的貢献)
- 1994年 第38回野口英世記念医学賞[1](ウイルス病原性の分子基盤の解明)
- 1995年 第48回中日文化賞(ウイルス病原性の分子基盤に関する研究)[6]
- 2000年 2000年度武田医学賞(ウイルス病原性の分子的基盤)[7][8]
- 2001年 紫綬褒章[9](多年のウイルス学の研究業績)
- 2001年 土岐市功労章(学術研究での世界的貢献)
- 2008年 第98回日本学士院賞(受賞業績:パラミクソウイルス病原性の分子基盤の解明と新規発現ベクターの創出)
- 2014年 名古屋大学レクチャーシップ
- 2016年 瑞宝中綬章[10]
主な著書(共著含む)
[編集]- 1990年 図解 微生物学ハンドブック(丸善)
- 1995年 ウイルス実験プロトコール(Medical View 社)
- 1996年 医系微生物学第2版(朝倉書店)
- 1997年 ウイルス学(朝倉書店)
- 1997年 医科分子生物学(南江堂)
- 1995年 生命科学を推進する分子ウイルス学(共立出版)
- 1998年 ウイルス・細菌感染newファイル (メディカル用語ライブラリー)(羊土社)
- 2000年 岩波講座 現代医学の基礎11(岩波書店)
- 2006年 センダイウイルス物語―日本発の知と技(岩波書店)
- 2007年 Vurus Expression Vectors (Transworld Research Network, Kerala, India)
- 2001年 The Biology of Paramyxoviruses (Caister Academic Press, Norfolk, UK)
- 2013年 Sendai Virus Vector. Adavantages and Applications (Springer Japan)
脚注
[編集]- ^ a b c d e 読売新聞 2020年2月1日 34面掲載。
- ^ 捏造問題にもっと怒りを 日本の科学を考える
- ^ 名大や東京医科歯科大、不正指摘受け本調査へ m3.com 2015年2月9日
- ^ [1] 世界変動展望 著者 Twitter 2015年2月16日 2016年12月9日閲覧
- ^ http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_270731_01_j.html
- ^ “中日文化賞:第41回-第50回受賞者”. 中日新聞. 2009年10月23日閲覧。Archived 2010年3月12日, at the Wayback Machine.
- ^ “武田医学賞受賞者”. 武田科学振興財団. 2009年10月17日閲覧。Archived 2007年2月9日, at the Wayback Machine.
- ^ “武田医学賞 歴代受賞者一覧”. 武田科学振興財団. 2022年6月4日閲覧。
- ^ “東京大学学内広報 No.1224「東京大学教授・名誉教授等の秋の紫綬褒章受章」記者会見行われる” (PDF). 東京大学広報委員会. p. 3 (2001年11月14日). 2023年6月21日閲覧。
- ^ “平成28年春の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 13 (2016年4月29日). 2023年3月3日閲覧。
関連項目
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