コンテンツにスキップ

独り芝居の道化師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『独り芝居の道化師』
マリリオンスタジオ・アルバム
リリース
録音 1982年12月 - 1983年2月 ロンドン マーキー・スタジオ
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル EMI
プロデュース ニック・タウバー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 7位(イギリス[1]
  • 42位(スウェーデン[2]
  • 175位(アメリカ[3]
  • マリリオン アルバム 年表
    独り芝居の道化師
    (1983年)
    破滅の形容詞
    (1984年)
    テンプレートを表示

    独り芝居の道化師』(原題:Script for a Jester's Tear)は、イギリスプログレッシブ・ロックバンドマリリオン1983年に発表した初のスタジオ・アルバム

    背景

    [編集]

    マリリオンのデビュー・シングル「マーケット・スクエア・ヒーローズ」(1982年)はデヴィッド・ヒッチコックによってプロデュースされたが、フィッシュによれば、EMIは「よりモダンなプロデューサーを起用すべき」と判断し[4]、最終的にはシン・リジィToyah等の作品を手掛けたニック・タウバーが本作をプロデュースした[5]。収録曲の中には、デビュー前にバンドを脱退したディズ・ミニット(ベース)とブライアン・ジェリマン(キーボード)が作曲に関与したものもある[6]

    シングル「マーケット・スクエア・ヒーローズ」のジャケットの絵を描いたマーク・ウィルキンソン英語版が、本作のジャケットも引き続き手掛けた。ウィルキンソンはRockpages.grによるインタビューにおいて、本作のジャケットのイメージを「ゴミゴミした部屋の中で成功を目指している孤独なソングライター」と説明している[7]。また、マリリオンが次作『破滅の形容詞』(1984年)で発表した「パンチ&ジュディ」や「彼女はカメレオン」といった曲は、本作のジャケットに描かれた事物がヒントになって生まれた[4][7]。イギリスでは、ジャケットの絵を使用したピクチャー・ディスク仕様のLPも発売されている[8]

    反響・評価

    [編集]

    本作は1983年3月26日付の全英アルバムチャートで初登場7位となり[9]、31週チャート圏内に入るヒットを記録した[1]。本作からの先行シングル「ヒー・ノウズ、ユー・ノウ」は全英シングルチャートで35位に達し、その後「ガーデン・パーティ」がシングル・カットされて全英16位に達した[1]

    スウェーデンでは1983年6月14日付のアルバム・チャートで42位を記録[2]。アメリカでは本作がBillboard 200で175位に達し、シングル「ヒー・ノウズ、ユー・ノウ」は『ビルボード』のメインストリーム・ロック・チャートで21位を記録した[3]

    John Franckはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「過剰とも言えるほど難解で複雑でシアトリカル」「なおもバンドの最高傑作であり続け、彼らが後に発表していく作品の基準となっている」と評している[10]

    収録曲

    [編集]

    特記なき楽曲はデレク・ディック(フィッシュ)、スティーヴ・ロザリー、マーク・ケリー、ピート・トレワヴァス、ミック・ポインター、ディズ・ミニット、ブライアン・ジェリマンの共作[6]

    1. 独り芝居の道化師 - "Script for a Jester's Tear" (Derek Dick, Steve Rothery, Mark Kelly, Pete Trewavas, Mick Pointer) - 8:39
    2. ヒー・ノウズ、ユー・ノウ - "He Knows You Know" - 5:22
    3. ザ・ウエブ - "The Web" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer, Brian Jelliman) - 8:48
    4. ガーデン・パーティ - "Garden Party" - 7:15
    5. チェルシー・マンデイ - "Chelsea Monday" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer) - 8:16
    6. 忘れ去られた子供たち - "Forgotten Sons" - 8:21

    1997年リマスターCDボーナス・ディスク

    [編集]
    1. "Market Square Heroes (Battle Priest Version)" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer, Diz Minnett) - 4:17
    2. "Three Boats Down from the Candy" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer) - 4:30
    3. "Grendel (Fair Deal Studios Version)" - 19:08
    4. "Chelsea Monday (Manchester Square Demo)" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer) - 6:54
    5. "He Knows You Know (Manchester Square Demo)" - 4:29
    6. "Charting the Single (Alternative Version)" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer) - 4:51
    7. "Market Square Heroes (Alternative Version)" (Battle Priest Version)" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer, D. Minnett) - 4:48

    参加ミュージシャン

    [編集]

    アディショナル・ミュージシャン

    • ピーター・コックバーン - ヴォイス(on #6)
    • Marquee Club's Parents Association Children's Choir - バッキング・ボーカル(on #6)

    脚注

    [編集]
    1. ^ a b c MARILLION songs and albums | full Official Chart history
    2. ^ a b swedishcharts.com - Marillion - Script For A Jester's Tear
    3. ^ a b Marillion - Awards”. AllMusic. 2015年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月8日閲覧。
    4. ^ a b Script for a Jester's Tear - marillion.com - 2014年7月26日閲覧
    5. ^ Nick Tauber | Credits | AllMusic
    6. ^ a b イギリス盤リマスターCD (1997, EMI / 7243 8 57865 2 5)ブックレット内クレジットに準拠
    7. ^ a b Rockpages.gr - Interviews - Wilkinson, Mark - 2014年7月26日閲覧
    8. ^ Marillion - Script For A Jester's Tear (Vinyl, LP, Album) at Discogs
    9. ^ 1983-03-26 Top 40 Official Albums Chart UK Archive | Official Charts
    10. ^ Script for a Jester's Tear - Marillion | AllMusic - Review by John Franck