独り芝居の道化師
『独り芝居の道化師』 | ||||
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マリリオン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1982年12月 - 1983年2月 ロンドン マーキー・スタジオ | |||
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | EMI | |||
プロデュース | ニック・タウバー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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マリリオン アルバム 年表 | ||||
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『独り芝居の道化師』(原題:Script for a Jester's Tear)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、マリリオンが1983年に発表した初のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]マリリオンのデビュー・シングル「マーケット・スクエア・ヒーローズ」(1982年)はデヴィッド・ヒッチコックによってプロデュースされたが、フィッシュによれば、EMIは「よりモダンなプロデューサーを起用すべき」と判断し[4]、最終的にはシン・リジィやToyah等の作品を手掛けたニック・タウバーが本作をプロデュースした[5]。収録曲の中には、デビュー前にバンドを脱退したディズ・ミニット(ベース)とブライアン・ジェリマン(キーボード)が作曲に関与したものもある[6]。
シングル「マーケット・スクエア・ヒーローズ」のジャケットの絵を描いたマーク・ウィルキンソンが、本作のジャケットも引き続き手掛けた。ウィルキンソンはRockpages.grによるインタビューにおいて、本作のジャケットのイメージを「ゴミゴミした部屋の中で成功を目指している孤独なソングライター」と説明している[7]。また、マリリオンが次作『破滅の形容詞』(1984年)で発表した「パンチ&ジュディ」や「彼女はカメレオン」といった曲は、本作のジャケットに描かれた事物がヒントになって生まれた[4][7]。イギリスでは、ジャケットの絵を使用したピクチャー・ディスク仕様のLPも発売されている[8]。
反響・評価
[編集]本作は1983年3月26日付の全英アルバムチャートで初登場7位となり[9]、31週チャート圏内に入るヒットを記録した[1]。本作からの先行シングル「ヒー・ノウズ、ユー・ノウ」は全英シングルチャートで35位に達し、その後「ガーデン・パーティ」がシングル・カットされて全英16位に達した[1]。
スウェーデンでは1983年6月14日付のアルバム・チャートで42位を記録[2]。アメリカでは本作がBillboard 200で175位に達し、シングル「ヒー・ノウズ、ユー・ノウ」は『ビルボード』のメインストリーム・ロック・チャートで21位を記録した[3]。
John Franckはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「過剰とも言えるほど難解で複雑でシアトリカル」「なおもバンドの最高傑作であり続け、彼らが後に発表していく作品の基準となっている」と評している[10]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はデレク・ディック(フィッシュ)、スティーヴ・ロザリー、マーク・ケリー、ピート・トレワヴァス、ミック・ポインター、ディズ・ミニット、ブライアン・ジェリマンの共作[6]。
- 独り芝居の道化師 - "Script for a Jester's Tear" (Derek Dick, Steve Rothery, Mark Kelly, Pete Trewavas, Mick Pointer) - 8:39
- ヒー・ノウズ、ユー・ノウ - "He Knows You Know" - 5:22
- ザ・ウエブ - "The Web" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer, Brian Jelliman) - 8:48
- ガーデン・パーティ - "Garden Party" - 7:15
- チェルシー・マンデイ - "Chelsea Monday" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer) - 8:16
- 忘れ去られた子供たち - "Forgotten Sons" - 8:21
1997年リマスターCDボーナス・ディスク
[編集]- "Market Square Heroes (Battle Priest Version)" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer, Diz Minnett) - 4:17
- "Three Boats Down from the Candy" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer) - 4:30
- "Grendel (Fair Deal Studios Version)" - 19:08
- "Chelsea Monday (Manchester Square Demo)" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer) - 6:54
- "He Knows You Know (Manchester Square Demo)" - 4:29
- "Charting the Single (Alternative Version)" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer) - 4:51
- "Market Square Heroes (Alternative Version)" (Battle Priest Version)" (D. Dick, S. Rothery, M. Kelly, P. Trewavas, M. Pointer, D. Minnett) - 4:48
参加ミュージシャン
[編集]アディショナル・ミュージシャン
- ピーター・コックバーン - ヴォイス(on #6)
- Marquee Club's Parents Association Children's Choir - バッキング・ボーカル(on #6)
脚注
[編集]- ^ a b c MARILLION songs and albums | full Official Chart history
- ^ a b swedishcharts.com - Marillion - Script For A Jester's Tear
- ^ a b “Marillion - Awards”. AllMusic. 2015年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月8日閲覧。
- ^ a b Script for a Jester's Tear - marillion.com - 2014年7月26日閲覧
- ^ Nick Tauber | Credits | AllMusic
- ^ a b イギリス盤リマスターCD (1997, EMI / 7243 8 57865 2 5)ブックレット内クレジットに準拠
- ^ a b Rockpages.gr - Interviews - Wilkinson, Mark - 2014年7月26日閲覧
- ^ Marillion - Script For A Jester's Tear (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ 1983-03-26 Top 40 Official Albums Chart UK Archive | Official Charts
- ^ Script for a Jester's Tear - Marillion | AllMusic - Review by John Franck