コンテンツにスキップ

第36回全国高等学校野球選手権大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第36回全国高等学校野球選手権大会
試合日程 1954年8月13日 - 8月22日
出場校 23校
参加校数 1,705校
優勝校 中京商愛知、17年ぶり5回目)
試合数 22試合
選手宣誓 出井正武(高知高知商
始球式 村山長挙(大会会長、朝日新聞社取締役会長)
大会本塁打 3本
 < 19531955 > 
全国高等学校野球選手権大会
テンプレートを表示

第36回全国高等学校野球選手権大会(だい36かいぜんこくこうとうがっこうやきゅうせんしゅけんたいかい)は、1954年8月13日から8月22日まで甲子園球場で行われた全国高等学校野球選手権大会である。

この大会に初出場した高鍋高校は、宮崎勢としても初出場であった。これで残る未出場県は沖縄のみとなった(ただし当時沖縄県はアメリカ施政下にあったため、この回で当時の全46都道府県から未出場県は消えている)。

出場校

[編集]

試合結果

[編集]

1回戦

[編集]
  • 中京商 3 - 0 水戸一
  • 鶴見工 16 - 5 高鍋
  • 泉陽 8 - 0 岐阜
  • 高知商 5 - 4 平安
  • 米子東 2x - 1 滝川(延長11回)
  • 早稲田実 5 - 0 小倉
  • 千葉商 6 - 1 長崎商

2回戦

[編集]
  • 北海 6x - 5 福島商
  • 三原 5 - 0 秋田
  • 静岡商 4x - 3 高松商
  • 新宮 2 - 0 武生
  • 中京商 7 - 6 松商学園
  • 早稲田実 3 - 1 米子東
  • 高知商 8 - 3 鶴見工
  • 泉陽 3 - 0 千葉商

準々決勝

[編集]
  • 静岡商 2 - 1 泉陽
  • 新宮 1 - 0 北海(延長17回)
  • 中京商 14 - 1 三原
  • 高知商 5x - 4 早稲田実

準決勝

[編集]
  • 中京商 4 - 2 新宮
  • 静岡商 3 - 1 高知商

決勝

[編集]

8月22日

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
中京商 0 0 0 0 0 0 2 1 0 3
静岡商 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
  1. (中):中山俊 - 加藤克
  2. (静):松浦、横山 - 滝
  3. 審判
    [球審]鈴木
    [塁審]久保田・鍛治川・大槻

大会本塁打

[編集]
  • 第1号:紺野幸次(福島商)
  • 第2号:関森正治(高松商)
  • 第3号:平田晟(泉陽)

その他の主な出場選手

[編集]


優勝旗盗難事件

[編集]

この年の11月下旬、真紅の大優勝旗が盗まれるという椿事が発生した。校長室に飾っていた優勝旗は、竿の部分はそのままだったが、旗の部分だけが全く別の旗に入れ替わった形で紛失した[1]。中京商では警察に通報するとともに、全校挙げて捜索を開始するなど大騒動となった。

状況から内部犯行も疑われ、野球部員も警察の事情聴取を受けた。優勝の立役者である中山俊丈は、「汗水たらして、泣きながら猛練習して、そうやって手にした優勝旗を盗ったりなんかするものか。」と抗議したという。

中京商は学校職員や全校生徒が、学校周辺の田畑、山、公園、寺などを連日捜索した。野球部は練習どころではなくなった。日がたつにつれて中京商関係者の焦燥は強まり、犯人に宛てて「咎めないので返してほしい」という新聞公告を出したり、ついには占い師に依頼して旗の場所を占ってもらったりした。しかし見つからずに年が明け、旗を新調しなければならないのではないかと思われた。その後、盗難から85日目の2月に、中京商から約600m離れた名古屋市立川名中学校の床下から、風呂敷に包まれた形で発見された。犯人はついにわからなかった[2][3]

脚注

[編集]

関連項目

[編集]