粛聖!! ロリ神レクイエム☆
「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」 | ||||||||
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しぐれういの楽曲 | ||||||||
収録アルバム | 『まだ雨はやまない』 | |||||||
リリース | 2022年5月25日 | |||||||
録音 | 日本 | |||||||
ジャンル | 電波ソング | |||||||
時間 | 4分33秒 | |||||||
作詞者 | まろん(IOSYS) | |||||||
作曲者 | D.watt(IOSYS) | |||||||
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『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』(しゅくせい ロリがみレクイエム[注釈 1])は、日本のイラストレーター・バーチャルYouTuberであるしぐれういの楽曲。作詞はまろん(IOSYS)、作曲・編曲はD.watt(IOSYS)。
背景
[編集]『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』は、2022年5月25日に発売されたアルバム『まだ雨はやまない』の収録曲としてリリースされ、2022年5月28日にヒューリックホール東京で開催されたイベント「うい・おん・すてーじ -雨上がりの文化祭-」で披露された[1]。
2023年9月10日に本作のミュージック・ビデオがYouTubeにて公開された。
制作
[編集]東方Projectのアレンジ楽曲やバーチャルYouTuberの楽曲を数多く手掛けるイオシスのスタッフによって作詞・作曲され、MVの映像は元VTuberの鬼灯わらべが制作した。楽曲に挿入されているナレーションは犬山たまきが担当している[2]。
制作段階では、タイトルは『粛聖☆ブタバコミュニケーション!!』だった[3]。
音楽性
[編集]本楽曲はアッパーな前半、カオスな中盤、ダークな後半という構成となっており、大きく2種類に分かれている。前半はポップソングに近い音色となっており、中盤では低音も用いたダブステップなものに様変わりし、ある部分ではしぐれういが「ういビーム」を放ち、これまでのリズムが完全に無視される。その後、ダウナーな後半へと移っていく[3]。
歌詞は、しぐれうい自身の配信に稀に登場するキャラクター「9歳のしぐれうい」が、"獄中へ捕らわれたロリコン達に罵倒を浴びせながら救済へと導く"という内容で、小児性愛が社会的には認められていない、ひいてはぺドフィリアであることだけで既に犯罪、という偏見が世間一般にあることを主なテーマとしたいわゆる電波ソングである。最後には「ほんっとーに、きもちわるい」と素の一言が流れ、楽曲が終了する[2][3]。
反応
[編集]本作は広範な人気を獲得し、Spotifyの国内バイラルチャートにおいて、2023年9月18日付で1位となり[4]、2023年09月22日-2023年09月28日付の週間YouTubeチャートでは5位にランクインした[5]。ミュージック・ビデオの再生数は公開から17日間で1000万回を突破したが、これは宝鐘マリンの『美少女無罪♡パイレーツ』の39日間という記録を大きく上回り、2024年4月7日に星街すいせいの「ビビデバ」が記録を16日間に更新するまで[6]、バーチャルYouTuberのオリジナル楽曲史上最速だった[7]。
様々なTikTokerやYouTuberがMVのダンスを真似た動画を投稿し[3][8]、「粛清ロリ神レクイエム」のハッシュタグが付いた動画はTikTokで1600万回以上再生された[9]。MVの再生数は10月12日までに3000万回を、11月1日までに4780万回、12月14日までに7000万回を突破した[10]。
その後、2024年6月18日に、約9ヶ月と8日(282日間)で1億回を達成した。これはバーチャルYoutuberのオリジナル楽曲史上初であるのと同時に、史上最速の1億回達成でもある[11]。
評価
[編集]KAI-YOUのキタガワは、歌詞について「アウトとセーフのギリギリを攻めている」と述べ、「強烈で求心力がある」と評した。また、しぐれういの歌声が楽曲の起承転結を明確に表していると述べ、地声に戻る最後も含めて「ボーカル面の魅力も見逃せない」と称賛した[3]。THE MAGAZINEのサイトウマサヒロは、キュートなダンスが若年層のTikTokユーザーから好評を博した一方で、「インターネット老人会」と称されるような、ニコニコ動画の流行時期や、それより昔からインターネットを利用していた年代が懐かしく思うような要素がMVに込められていることも、幅広い年代から支持される要因になったと分析した[4]。
一方、本楽曲は小児性愛をテーマとした(むろん小児性愛を肯定しているわけではない)コミックソングであるため、その背景を知らずにTikTokでダンス動画をアップした元うたのおにいさんの横山だいすけが主に子供を相手に活動している歌手として、本楽曲の持つイメージ及びメッセージ性は好ましくないとの批判を受けて謝罪、TikTokアカウントを削除したり[12]、本楽曲のMV動画に描かれている防犯ブザーのモチーフとほぼ同じ製品を販売するアーテックがX・YouTube・Tiktokで好意的な反応や動画を投稿したことに対する批判を受け謝罪、TikTokアカウントを削除する事態となった[13]。秒刊SUNDAYの東中野ミツルは、これらの動きについて、削除までするほどのことなのかと疑問を呈した[14]。
海外
[編集]同曲のMV自体も海外で認知度を高めているが[15][16]、メンフィス・カルトの楽曲「9mm」のリズムに合わせて踊るように編集された9歳のしぐれういの二次創作動画も、「9mm」のリズムにぴったり合っているとして、海外で大人気となっている[10][16]。BMWモトラッドとロータス・カーズは、公式SNSアカウントで、同曲のMVに収録されている踊る9歳のしぐれういのアニメーションと「9mm」、そして自社製品を組み合わせた動画を投稿[10]。「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」の制作動機は、海外が予想していたものとは違っており、「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」は内輪ネタから生まれたもので、海外では「ファンしか知らない内輪ネタ満載の曲」と一応説明されている[16]。
チャート
[編集]週間チャート成績(2023年) | 最高順位 |
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Billboard JAPAN - Download Songs[17] | 18 |
Billboard JAPAN - Global Japan Songs Excl. Japan[18] | 19 |
Billboard JAPAN - Hot 100[19] | 25 |
Billboard JAPAN - Heatseekers Songs[20] | 1 |
Billboard JAPAN - Japan Songs (South Korea)[21] | 9 |
Billboard JAPAN - Top User Generated Songs[22] | 1 |
オリコン - 週間デジタルシングル(単曲)[23] | 35 |
オリコン - 週間ストリーミングランキング[24] | 38 |
TBSの『COUNT DOWN TV』 - 今週のTOP100[25] | 27 |
カバー
[編集]- 筆島しぐれ(吉岡麻耶) - 音楽ゲーム「ワールドダイスター 夢のステラリウム」に追加収録。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ JASRACに登録された正題による(シュクセイ ロリ ガミ レクイエム/SHUKUSEI RORI GAMI REKUIEMUで登録)。
出典
[編集]- ^ “人気VTuberしぐれういの初イベント「うい・おん・すてーじ」が待望のBlu-ray化決定!”. パノラプロ (2023年9月30日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ a b “VTuberしぐれういの『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』MVが1000万再生突破。聴くと救済される電波ソング【助かる~ゥ】”. KADOKAWA (2023年9月27日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ a b c d e “しぐれうい「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」はなぜ中毒者を生むのか その計算と特異な主従関係”. KAI-YOU (2023年9月30日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ a b “個人VTuber しぐれうい が異例の大ヒット バイラル首位の「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」はZ世代から“インターネット老人会”まで射抜く令和最新型電波ソング”. TuneCore (2023年9月29日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ “オリコン週間 YouTubeチャート 2023年09月22日~2023年09月28日”. オリコン. 2023年10月4日閲覧。
- ^ 星街すいせい、VTuber歴代最速記録を更新 「ビビデバ」が約16日でYouTube1000万回再生突破
- ^ “ういママが新記録を樹立!? しぐれうい「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」が○○日で1,000万再生へ”. AppBank.net (2023年9月28日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ “「感覚麻痺しすぎ」物議醸した “ロリコンソング”、元「うたのおにいさん」がまさかの踊ってみた動画アップ→炎上で謝罪”. 光文社 (2023年10月4日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ “「もうNHKに呼ばないで下さい」だいすけお兄さんの「ロリ神」TikTokに批判殺到→動画削除”. 女性自身 (2023年10月4日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ a b c “しぐれうい本人も「なぜ?」と困惑…BMWなど高級車メーカーが「ロリ神レクイエム」ミームに乗っかる”. イード (2023年11月1日). 2023年11月3日閲覧。
- ^ しぐれうい (2023-09-10), 【オリジナル楽曲】粛聖!! ロリ神レクイエム☆ / しぐれうい(9さい) 2024年6月18日閲覧。
- ^ ““元うたのおにいさん”横山だいすけ、TikTokのダンス動画で批判受け謝罪「全ては僕の不徳の致すところ」 アカウントも削除”. Oricon News (2023年10月4日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ 防犯ブザー会社が不適切投稿を謝罪 しぐれういの『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』に媚び売り批判集める
- ^ 東中野ミツル (2023年10月5日). “横山だいすけおにいさん、TikTok不適切動画で炎上……これ、燃やすほどのことなの?”. 秒刊SUNDAY. 2023年10月8日閲覧。
- ^ “しぐれうい「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」2000万再生突破 ファンダムを越えた影響も”. KAI-YOU (2023年10月5日). 2023年10月5日閲覧。
- ^ a b c “Cute and Controversial: Exploring the 'Loli God Requiem' Viral Phenomenon - Retro Canister” (英語). www.retrocanister.com (2023年10月14日). 2023年11月12日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Top Download Songs”. Billboard Japan. 2023年10月11日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Global Japan Songs excl. Japan”. Billboard Japan. 2023年10月12日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Hot 100”. Billboard Japan. 2023年10月11日閲覧。
- ^ “【Heatseekers Songs】しぐれうい「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」初の首位獲得 AKMU/Sugar Gooseがトップ10初登場”. Billboard Japan. (2023年10月11日) 2023年10月11日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Japan Songs (South Korea)”. Billboard Japan. 2023年10月12日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Top User Generated Songs”. Billboard Japan. 2023年10月5日閲覧。
- ^ “週間デジタルシングル(単曲)ランキング 2023年10月09日付”. Oricon. 2023年10月5日閲覧。
- ^ “週間ストリーミングランキング2023年10月16日付”. Oricon. 2023年10月13日閲覧。
- ^ “今週のTOP100”. COUNT DOWN TV (2023年10月14日). 2023年10月21日閲覧。
関連項目
[編集]- ロリータ - 「ロリ」の語源となったウラジーミル・ナボコフによる文学作品
- メスガキ - 本楽曲のセリフパートにおける引用元
- 声かけ事案 - 声かけ事案は現在の日本では犯罪とはならないが、本楽曲の歌詞、世界観では不同意性交等罪と同一の犯罪と扱われている。