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肢巻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
前肢に運動用肢巻(エクササイズバンデージ)とプロテクタ、後肢に肢巻を着けたポロ競技馬
厩舎用肢巻(ステーブルバンデージ)を着けた馬
レースにて前肢に肢巻を付けて走るサラブレッド(キタサンブラック号 )

肢巻(しまき)とは、馬具の一つで、ウールフリースなどの素材で作られた包帯状の物。バンデージ(英:bandage)ともいい、また、誤ってバンテージと呼ばれることもある。肢のプロテクタや、馬運用ブーツも含めて「肢巻」と総称する場合もある。

肢巻は、ウマの肢(あし)の下部(管[1]球節[2])に包帯のように巻きつけ、肢の保護、保温などの目的で使われる。

運動時に使う肢巻(英:exercise bandage)には伸縮性の高いものが使われる。肢を外傷から守る機能はプロテクタも持っているが、肢巻(バンデージ)はそれに加え、適切に施せば、サポーターテーピングのように、靭帯を保護し怪我を予防する効果も期待できる。巻くのは球節の上3分の2程度までにとどめ、球節の動きを妨げたり、運動中に肢巻がゆるんだりしないようにする。

肢巻は、厩舎で休む際や輸送の際にも利用される[3]。保温や、外傷防止の目的から、ある程度厚みがある柔らかなものが用いられ、肢巻の下にさらにパッドやラップを巻いておくこともある。運動用肢巻と違い、繋[4]まで保護する。また、運動後に、むくみ防止に肢巻を用いる場合もある。

馬場馬術においては、競技中に肢巻を用いてはならない[5]が、練習馬場[6]および表彰式[7]では許容される。ポロでは、四肢全てに肢巻またはプロテクタの装着が義務付けられている[8]

脚注

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  1. ^ 管:かん、ヒトのすねに相当(解剖学的には、手首、足首からヒトでいう指の付け根まで)
  2. ^ 球節:きゅうせつ、かかとに相当(解剖学的には、ヒトでいう指の付け根の関節)
  3. ^ 厩舎用:stable bandage、馬運用:shipping bandage
  4. ^ 繋:つなぎ、球節と(ひづめ)の間の部分
  5. ^ 国際馬術連盟 (FEI) RULES FOR DRESSAGE EVENTS, 22nd edition, Article 428.4
  6. ^ 同Article 428.6
  7. ^ 同Article 436、ただし黒または白
  8. ^ 国際ポロ連盟 (FIP) The International Rules for Polo, B.2(a)