2024年栃木県知事選挙
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2024年栃木県知事選挙(2024ねんとちぎけんちじせんきょ)は、2024年11月17日に執行された栃木県知事を選出するための選挙である。
選挙データ
[編集]- 同日選挙
- イメージキャラクター・キャッチコピー
- 栃木県選挙管理委員会は、第50回衆議院議員総選挙に引き続き[4]、飯塚瑠乃(ONE LOVE ONE HEART)を起用し、投票を促す動画を制作した[5]。衆院選でのキャッチコピーは「いい未来になる」、「投票にはそんなチカラがある」であったが[4]、知事選では「ミライに投票」を採用した[5]。テレビCMに加え、YouTube・Instagramの広告でも配信した[5]。
立候補者
[編集](届け出順)[6]
氏名 | 年齢 | 党派 | 現元新 | 主な肩書き |
---|---|---|---|---|
福田富一 (ふくだ とみかず) |
71 | 無所属[注 1] | 現 | 栃木県知事(現職) 元宇都宮市長 |
針川佐久眞 (はりかわ さくま) |
74 | 無所属[注 2] | 新 | 元とちぎコープ生活協同組合専務理事 市民団体事務局長 |
選挙ポスターは、福田が親しみやすさと多様性のアピールを狙って農作業姿を披露したのに対し、針川は温かい県政をイメージしオレンジ色を基調としたものを作成した[7]。
立候補を取りやめた人物
[編集]- 安田美保子 - 通訳業
- 10月21日、会見で立候補を表明したが準備不足を理由に29日に立候補の取りやめを発表[8]。
主な争点
[編集]- 現職の5期20年の県政運営に対する評価[9][10]
- 針川は「冷たい県政をチェンジ」を掲げた[11]。
- 現職の多選の是非(宇都宮市長選と共通の争点)[9][12]
- LRTのJR宇都宮駅西側延伸(宇都宮市長選と共通の争点)[12]
- 文化施設整備[10] - 栃木県では、図書館・美術館・文書館を集約し、栃木県体育館跡地へ整備する構想を持っている[17]。
- 少子化対策[18]
- 福田は「栃木県人口未来会議」を設置し、施策の提言を受けると表明した[16]。
タイムライン
[編集]- 2024年
- 6月21日 - 現職の福田が後援会の会合で立候補を表明[19]。
- 8月21日 - 県選挙管理委員会が選挙日程を決定[1]。
- 9月30日 - 立憲民主党が独自候補の擁立を断念し、自主投票とすることを決定[20]。
- 10月10日 - 針川が無所属(日本共産党推薦)で立候補を表明[21]。
- 10月31日 - 告示、福田と針川が立候補の届け出[6]。
- 11月11日 - 県選挙管理委員会は11月10日までの期日前投票者数が59,343人だったことを発表[22]。前回同時期比で14.53%の減少[22]。
- 11月17日 - 投開票。
選挙結果
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
投開票の結果、現職の福田が現職の都道府県知事としては最多となる6選を果たした[18][23]。栃木県では前年の栃木県議会議員選挙以降、すべての投票所で19時までに投票終了時刻を繰り上げており[24]、投票が締め切られた19時に報道各社は福田の当選確実を報じた[18]。県内全市町で福田が8割以上を得票し、圧勝した[25]。
投票率は戦後2番目の低さであった[18][23]。また、白票などの無効票が13,189票と投票総数の2.6%に達し、福田が知事に就任した2004年の選挙以来、無効票数・無効投票率ともに最高となった[26]。
※当日有権者数:1,585,379人 最終投票率:32.05%(前回比:-6.68pts)
候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 得票率 | 推薦・支持 |
---|---|---|---|---|---|---|
福田富一 | 71 | 無所属 | 現 | 413,985票 | 83.7% | 自由民主党栃木県連・公明党栃木県本部 |
針川佐久眞 | 74 | 無所属 | 新 | 80,901票 | 16.3% | 日本共産党・社会民主党栃木県連合 |
市町 | 福田富一 | 針川佐久眞 | ||
---|---|---|---|---|
得票 | % | 得票 | % | |
合計 | 413,985 | 83.65% | 80,901 | 16.35% |
宇都宮市 | 127,179 | 81.15% | 29,550 | 18.85% |
足利市 | 22,964 | 80.59% | 5,531 | 19.41% |
栃木市 | 30,072 | 83.96% | 5,747 | 16.04% |
佐野市 | 21,274 | 82.66% | 4,464 | 17.34% |
鹿沼市 | 19,734 | 87.43% | 2,836 | 12.57% |
日光市 | 18,694 | 86.75% | 2,855 | 13.25% |
小山市 | 28,686 | 84.17% | 5,395 | 15.83% |
真岡市 | 16,309 | 86.15% | 2,622 | 13.85% |
大田原市 | 14,893 | 86.93% | 2,240 | 13.07% |
矢板市 | 7,293 | 85.53% | 1,234 | 14.47% |
那須塩原市 | 22,745 | 84.48% | 4,177 | 15.52% |
さくら市 | 9,005 | 86.50% | 1,405 | 13.50% |
那須烏山市 | 6,930 | 87.88% | 956 | 12.12% |
下野市 | 12,566 | 84.07% | 2,381 | 15.93% |
上三川町 | 6,073 | 85.61% | 1,021 | 14.39% |
益子町 | 5,715 | 85.26% | 988 | 14.74% |
茂木町 | 4,086 | 90.38% | 435 | 9.62% |
市貝町 | 2,970 | 86.92% | 447 | 13.08% |
芳賀町 | 4,310 | 88.56% | 557 | 11.44% |
壬生町 | 8,527 | 84.92% | 1,514 | 15.08% |
野木町 | 4,792 | 81.22% | 1,108 | 18.78% |
塩谷町 | 2,269 | 81.38% | 519 | 18.62% |
高根沢町 | 6,812 | 86.66% | 1,049 | 13.34% |
那須町 | 5,911 | 82.49% | 1,255 | 17.51% |
那珂川町 | 4,176 | 87.16% | 615 | 12.84% |
論評
[編集]東京新聞は、福田が選挙戦で分かりやすく公約を伝えて支持を広げた一方、針川は立候補表明の出遅れが響いたことに加え、福田との公約の差別化が図りきれなかったと評した[27]。朝日新聞は、福田は選挙に圧倒的に強く、派手さはないものの目立った失策がないと評し、「有権者にとっては、県政のかじ取り役の選択肢が狭まっている」と指摘した[28]。
下野新聞は、検証記事の冒頭で「県民の冷めた目線は投票率に表れ、有権者の3人に2人は棄権した。新人は支持が広がらず大敗。野党は存在感を示せなかった。」と評した[29]。読売新聞も、共産党系新人と現職の一騎打ちという既視感のある構図でしらけムードが漂い、投票率が低迷したとして、多選批判をはね返したとは言えるものの、有権者から圧倒的な支持を受けたと考えるのは早計と評した[30]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “栃木県知事選挙及び栃木県議会議員補欠選挙の期日について”. 栃木県選挙管理委員会 (2024年8月21日). 2024年10月20日閲覧。
- ^ “宇都宮市長選挙”. 宇都宮市選挙管理委員会. 2024年10月20日閲覧。
- ^ “大貫氏が無投票当選 栃木県議補選鹿沼市選挙区”. 下野新聞. (2024年11月8日) 2024年11月9日閲覧。
- ^ a b “栃木県出身の俳優飯塚さんを起用 県選管、衆院選投票呼びかけで動画など制作”. 下野新聞 (2024年10月16日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b c “知事選投票 選管呼びかけ 俳優・飯塚瑠乃さん動画に”. 読売新聞 (2024年11月4日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b 「栃木県知事選挙 31日告示 2人が立候補」『NHK NEWS WEB』2024年10月31日。2024年10月31日閲覧。
- ^ “【とちぎ知事選】ポスターでも火花 福田氏、農作業姿で多様性を主張 針川氏、温かい県政を暖色で表現”. 下野新聞 (2024年11月6日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ 「<知事選とちぎ>31日に告示、現新一騎打ちか 立候補表明の1人が断念」『東京新聞』2024年10月29日。2024年10月31日閲覧。
- ^ a b “栃木県知事選挙が告示、現職の福田富一氏と新人の針川佐久真氏の一騎打ち”. 読売新聞 (2024年10月31日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b “栃木県知事選31日告示、現職と新人一騎打ちへ 県政評価、LRT、文化施設整備など争点”. 下野新聞 (2024年10月31日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b “栃木県知事選、6選か刷新か 宇都宮市長選はLRT延伸が焦点 17日に投開票”. 東京新聞 (2024年11月16日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b c d 重政紀元 (2024年11月16日). “栃木知事選、宇都宮市長選は17日投開票、多選の是非など争点”. 朝日新聞. 2024年11月25日閲覧。
- ^ 石原剛文・山下龍一・重政紀元 (2024年6月22日). “福田知事が6選めざし次期知事選への立候補を正式表明”. 朝日新聞. 2024年11月25日閲覧。
- ^ “勇退意向だった栃木知事が6選なぜ?自民が後継立てず立憲も擁立せず”. 朝日新聞 (2024年11月17日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b “栃木県知事選挙2024 候補者アンケート”. NHK選挙WEB. 日本放送協会. 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b c “31日知事選告示を前に6期目目指す福田氏・新人の針川氏が公約発表”. とちぎテレビ (2024年10月30日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b 下野新聞 (2024年10月30日). “【とちぎ知事選】どうする公共分野と災害対策 「文化と知」構想は、対策予算は?候補者2人の賛否割れる”. 47NEWS. 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b c d “知事選で福田氏、6選現職最多…経験と実績に評価” (2024年11月18日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ 「栃木県知事選 現職が6期目を目指し立候補の意向を表明」『NHK NEWS WEB』2024年6月21日。2024年10月20日閲覧。
- ^ “立民栃木県連、知事選・宇都宮市長選へ候補擁立断念”. 日本経済新聞 (2024年10月1日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ 「「多選で県民の声反映されていない」 知事選に針川氏が立候補表明 共産などの市民団体擁立」『下野新聞』2024年10月10日。2024年10月20日閲覧。
- ^ a b “【とちぎ知事選】期日前投票、10日間で5万9000人 前回から14%減”. 下野新聞 (2024年11月11日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ a b “【開票結果】栃木県知事選挙 福田富一氏 6回目の当選 全国の現職で最多”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会 (2024年11月17日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ “【とちぎ知事選】投票終了時間、全ての投票所で繰り上げ 周知に力も「根付いていない部分」も”. 下野新聞 (2024年11月13日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ “【とちぎ知事選】福田氏得票率8割超、全市町で上回る 最高だった市町は”. 下野新聞 (2024年11月19日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ “【とちぎ県知事選】無効票1万3189票 福田氏が初めて立候補した2004年以降最多 有権者はなぜ白票を投じたのか?”. 下野新聞 (2024年11月19日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ 武藤康弘 (2024年11月17日). “栃木県知事選、福田富一氏6選 5期の実績や少子化トレンド反転を訴え、新人の針川佐久真氏を破る”. 東京新聞. 2024年11月25日閲覧。
- ^ 石原剛文「選択肢狭まり多選「信任」」『朝日新聞』(紙)、(栃木13版)2024年11月18日、17面。
- ^ “【検証 2024とちぎ知事選】公約実現、圧勝でも「壁」 後継者問題が「最大の悩み」”. 下野新聞 (2024年11月19日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ 井上暢「多選批判はね返す」『読売新聞』(紙)、(栃木1 13版)2024年11月18日、27面。