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2S19ムスタ-S 152mm自走榴弾砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2S19 ムスタ-S 152mm自走榴弾砲
性能諸元
全長 11.917m
全幅 3.584m
全高 2.985m
重量 42.0t
懸架方式 トーションバー方式
速度 60km/h
行動距離 500km
主砲 2A64榴弾砲(48口径152mm)
副武装 12.7mm重機関銃NSVT×1
装甲 15mm
エンジン V-84A
4ストロークV型12気筒多燃料液冷スーパーチャージドディーゼル
840馬力/2,000rpm
乗員 5名
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2S19 ムスタ-Sロシア語2С19 Мста-С ドヴァー・エーズ・ヂヴィナーッツァチ・ムスター・エース)は、ロシア自走榴弾砲である。

名称の「ムスタ」は、それまでのソビエト連邦の自走砲の名称がの名前から採られていたのとは対照的にムスタ川から採られた。

概要

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2S19は、従来の2S12S3および2S5を置き換えるために、ウラル運輸車両工場で開発され、1989年から配備が開始された。

基本的にはT-80の車体を流用し、そこに新たに設計された砲塔を搭載したものとなっている。T-80で信頼性などの点で不評だったガスタービンエンジンは、T-72B型以降およびT-90でも採用されているものと同じ型のディーゼルエンジンに変更されている。

砲塔に必要なシステムをすべて搭載しており、その点では同じ主力戦車の車体を流用したフランスGCT自走榴弾砲と類似している。砲塔の後部には21.6hpのガスタービン補助エンジンが搭載されており、主エンジンを停止していても射撃が可能である。

搭載砲は2A65 ムスタ-B榴弾砲を改良した2A64榴弾砲(48口径152mm)で、第二次世界大戦後開発され実用化されたすべての152mm砲弾を使用する事ができ、さらにレーザー誘導砲弾ZOF-39 クラスノポールが使用できる。ZOF-39は前線観測班が照射するYAGレーザーによって誘導される砲弾である。最大射程は、通常弾の場合24.7km、RAP(ロケットアシスト弾)では36km、ZOF-39の場合は20kmである。

砲塔内には50発分の砲弾および装薬が搭載されており、装填は自動で行われる。車体外部から給弾し発射することも可能で、砲塔の後部にあるベルトコンベアに要員が砲弾と装薬を載せ、それが半自動で装填される。

発射速度は車内の物を使用した場合毎分7-8発、外部給弾の場合は毎分6-7発になる。

2S1・2S3・2S5の3車種を統合できる車両として開発されたが、財政難のため更新は進んでいないと言われている。輸出も積極的に提案されており、改良型や西側諸国で主要な155mm榴弾砲を搭載したタイプ、装輪型もあるが、開発が進んでおらず、採用した国も無い。

派生型

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2S19M1
2000年に発表された改良型。衛星測位システムであるGLONASSを利用した精密射撃が可能。
2S19M1-155
2S19M1を基にした西側向け改良型で、2006年試作車が完成した。主砲を50口径の155mm榴弾砲に換装。
2S19M2
2013年に発表された改良型。新射撃管制システムにより装填速度を向上。電子地図情報により、地理的に困難な状況での即応性を上げ、効率的に任務を遂行可能となった。
2S21 ムスタ-Kロシア語版
KrAZ-Sibir 8x8 トラック砲塔を搭載した装輪型。
2S30 イセット
改良型。試作車のみ。
2S33 ムスタ-SM
改良型。詳細は不明。
2S35 コアリツィア-SV
2S35 コアリツィヤ-SV
「SV」は「Sukhoputniye Vojska」の略。2S19の砲塔に試作型は152mm榴弾砲を縦に2門装備した連装自走砲であった。2010年に調達計画が一時中止されたが、設計を変更して再開、2015年に量産先行車が完成している。この量産先行型では、主砲は2門から1門に減らされている。シャーシにはアルマータと共通のものが使用されていると伝えられていたが、2015年の戦勝パレードで披露された車両はT-90系と同型と見られる走行装置を持ち、転輪配置は2S19と類似していた。
1K17
2S19の車体を流用した自走レーザー兵器システム。

採用国

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登場作品

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ゲーム

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エースコンバット7
エルジア陸軍が運用している。

脚注

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  1. ^ Belarus Army Equipment
  2. ^ The Military Balance 2017. — P. 512.
  3. ^ Russian Army Equipment
  4. ^ Ground Forces Equipment - Ukraine

参考文献

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  • 田中義夫 編『戦車名鑑 1946~2002 現用編』光栄 ISBN 4-87719-927-6 2002年

関連項目

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