変じる

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語

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動詞

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じる (へんじる)

  1. (自動詞) 変化する。変わる
    • 1924年、岡本綺堂「拷問の話」[1]
      この拷問をうけるものは、はじめは惣身が赤くなり、更に暗紫色に変じて冷汗をしきりに流し、それがまた蒼白に変じるときは即ち絶命する時であるといい伝えられているので、皮膚に蒼白の色を呈するのを合図にその拷問を中止することになっていた。
    • 1927年、加能作次郎「早稲田神楽坂」[2]
      単にその外貌だけについていっても、例えば私のように、血気な青年だったものがいつかすでに半白の初老に変じたものもあろうし、中年の壮者が白髪の老者に化し、又白髪の老者がいつかその姿を見せなくなったということもあるだろう。
  2. (他動詞) 変化させる。変える
    • 1918年、高浜虚子「漱石氏と私」[3]
      圭さんは鷹揚でしかも堅くとって自説を変じない所が面白い。余裕のある逼らない慷慨家です。
    • 1923年、国枝史郎「沙漠の古都」[4]
      その頃私は名を変じ身分を変え、軽奴となって袁総統宮殿の門衛の一人に住み込んでいた。

活用

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  1. 青空文庫(2008年11月29日作成)(底本:「岡本綺堂随筆集」岩波文庫、岩波書店、2008(平成20)年5月23日第4刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000082/files/49549_33631.html
  2. 青空文庫(2013年9月4日作成)(底本:「大東京繁昌記」毎日新聞社、1999(平成11)年5月15日)https://www.aozora.gr.jp/cards/000247/files/55650_51172.html
  3. 青空文庫(2009年12月28日作成)(底本:「回想 子規・漱石」岩波文庫、岩波書店、2006(平成18)年9月5日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001310/files/47741_37678.html
  4. 青空文庫(2005年12月2日作成)(底本:「沙漠の古都」国枝史郎伝奇文庫26、講談社、1976(昭和51)年7月12日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000255/files/45269_20645.html