ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1253話 1995年新日鉄八幡:くろがね線を垣間見る。(その2)

続いて「くろがね線」の現役車両の様子です。「くろがね線」は八幡製鉄時代の1930年に、八幡製鉄所と戸畑工場間に製品などを運搬するため敷設された5.6㎞の路線です。工場内の引き込み線を含めると相当な規模になりますが、この頃の「くろがね線」は、高炉縮小の影響で既に単線化されていました。

 

1.D705+貨物 (第二操車場~第一操車場:1995年7月)

列車は電化されているので電気機関車の牽引です。しかし、後部にDLを連結しており、一見プッシュ・プル運転の様に見えますが、貨物列車は非貫通制動であるため、このDLは制動用です。この時は現在のスペースワールド駅付近で列車の撮影を行いましたが、まだスペースワールド駅の開業前なので、JR鹿児島本線スペースワールドの向こう側を通っていた頃です。この写真は鹿児島本線をオーバーパスする築堤で撮影したものです。

 

2.D705+貨物 (第二操車場~第一操車場:1995年7月)

写真の機関車は八幡側に連結されたDLのD700形です。戸畑側のELとは、無線を介して協調運転されています。

 

3.E8501+貨物 (第一操車場~第二操車場:1995年7月)

この写真は後部のELです。バックにはスペースワールドスペースシャトルが見えます。まさに遊園地の脇を通るので、このELにはなぜか漫画チックなワニが描かれていました。

 

4.D704 (第二操車場:1995年7月)

このすぐ近くには八幡製造所内にある第二操車場があり、沿道から様子が伺えました。このD700形は1975年日本車輌製の70tディーゼル機関車で、5両在籍していました。この他にも構内様に複数のDLが在籍しているようでしたが、実態は不明です。

 

5.検重車ほか (第二操車場:1995年7月)

この第二操車場は、「くろがね線」の車庫を兼ねており、機関車の他にも、得体の知れない事業用車も確認できました。

 

6.E8502 (第二操車場:1995年7月)

まともな塗装のE8502もいました。このELは、85ED-1形という主力の85t機です。E600形の後継機として、1976年に6両導入されました。製造は、機械部が三菱重工、電気部が三菱電機です。

この日は、時間に余裕がなかったので、この程度の撮影で撤収です。「くろがね線」は現在もドイツ製の新しい機関車を導入して健在ですが、スペースワールドは駅こそあるものの2018年1月1日をもって閉園されてしまいました。そして、八幡製鉄所は日本製鉄九州製鉄所となり盛業中です。