精神科医がこころの病気を解説するブログ

精神科医益田裕介(早稲田メンタルクリニック院長)が一般の方に、こころの病気を解説するブログです 解説してほしいこと、教科書に載っていない医療現場の本音など、知りたいことがあれば気軽に教えてください!

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  • 精神科医益田裕介のブログ

    • 177本

    自己紹介 https://hallowed-punishment-02a.notion.site/YouTube-37d2ccc8bf1e455eb2d74e0c9738c84f コメント欄について https://hallowed-punishment-02a.notion.site/YouTube-e904ec46beac49a49e599187959658aa 【取材対応。テレビや雑誌、Webメディアの人へ】 気軽にご相談して下さい。 [email protected] 【2ndChです】 https://www.youtube.com/channel/UC9WXfmJQZVItKASe68--PJg

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    • うつ病のカウンセリング

      【要約】 うつ病において、急性期にカウンセリングは行わない。 症状が回復してきたときに、カウンセリングを行う。 費用は1時間1万円前後が妥当だが、3万円だと著名な方でも高すぎるように思う(ただの嫉妬?)。 やり方については認知行動療法が教科書的には主流だが、力動精神療法や精神分析的精神療法、家族療法など方法は様々ある。どれがふさわしい、というのは基本的にない? 認知行動療法は12回を目安にしているが、それ以上の回数になることは珍しくない。 効果については患者さん自身の問題、治

      • 悪夢について

        悪夢はどうしてみるのでしょうか? ・そもそも夢とは、直前のレム睡眠時の脳内体験を覚えているもの、と考えられている。他のレム睡眠時の体験は全て忘れ去られている。 ・夢とは、日中の情報を処理し、記憶の定着のために行われている編集作業を見ているだけ、と思われている。なので夢は参加できても、動かすことが難しい。動物である人間にとって重要な情報は、楽しいことではなく、苦しく、2度と味わいたくない恐怖や不安に関することである。なので、夢は原則、良いものではない。 ・ストレスや疲労が

        • 死にたい、という気持ちにどう応えるか

          中学生の頃からずっと死にたい、と考えている人は案外多くいるのですが、「それは甘えている」とか、「どうせ弱いやつだから仕方がない」などと言われてしまい、さらに落ち込むことも多いようです。 死にたい理由として 1、また虐められるのではないか、恐怖を味わうのではないか 2、自分の劣等感。どうせ上手くいかないだろう 3、誰からも必要とされていない、愛されないのではないか 4、理由はない。妄想によるもの などが挙げられます 続きはこちら(YouTube) https://youtu

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        記事

          摂食障害(拒食症、過食嘔吐)

          【要約】 摂食障害とは、体重や見た目を気にして、食事を極端に減らしたり、逆にたくさん食べてしまった後、太らないために吐いてしまう、という病気です。痩せにこだわり、極端に痩せ細った姿を理想に思うような、ボディイメージの障害が起きます。全く食べないタイプを摂食制限型。過食嘔吐や下剤などを乱用するタイプを過食、排出型。と区別します。 自分の気持ちを表現することが苦手で、体重コントロールによって不安を解消させよう、というメカニズムがあると考えられてきました。 最近では体重に関するこ

          摂食障害(拒食症、過食嘔吐)

          強迫症/強迫性障害

          【要約】 強迫性障害とは「辞めたくてもやめられない。考えたくなくても考えてしまう」という脳の病気です。不安障害の仲間として心の問題と考えられてきましたが、依存症などの仲間(報酬系という脳機能の病気)だと考え直されています。 具体的には、醜形恐怖症、溜め込み症(ゴミ屋敷)、抜毛症、皮膚むしり病などです。 薬物治療として、SSRIなどの抗うつ薬をメインに使います。症状がひどい時には、抗精神病薬を追加したり、抗不安薬を頓服的に使うことがあります。 薬物以外での治療法としては、認知行

          季節型うつ病

          【要約】  季節型うつ病とは主に秋から冬にかけて、倦怠感が増し、食欲や睡眠時間が増加するようなうつ病のタイプで、春になると症状が改善します。冬眠に似ており、メカニズムについても研究されています。気分の落ち込みが少ないため、うつ病と診断されないことがあります。高緯度地域、若者に多いと言われています。まれに夏に調子を崩す人もいます。  春夏にかけて軽躁状態になる人もいて、その場合は躁鬱病と診断されます。春の自殺リスクが高いと言われています。  光療法の併用が有効性が高いかもしれな

          全般性不安障害

          【要約】 全般性不安障害とは漠然と様々なものに対して不安を感じる障害です。対象が一つに定まっているものを恐怖症といいますが、この障害の場合は反対に様々なものに不安を感じます。 不安の感じやすさは人それぞれ違い、脳の特性が極端な人なのだろう、という理解です。似た概念としてHSPというのもありますが、HSPは精神医学の中にはありません。 診断の際、うつ病や統合失調症、知的障害、発達障害が隠れていないか、判断することが重要です。また虐待の問題なども見過ごさない。語られていない何かを

          梅雨

          本日は梅雨をテーマにお話ししようと思います。
 このテーマを選んだ理由。YouTuberの会の企画です… 

梅雨の時期になると調子が悪くなります、と訴える患者さんは多いのですが、医学的には原因もわかっておらず、研究も盛んではありません、おそらく。
 Googleトレンドでも、うつ病や精神科という単語の検索数は増えていません。 
臨床の件数として、ドタキャン率は雨の日だと増えますが、それは梅雨の時期に限った話ではないかな、と思います。 
なので、個人の意見としてはなんとなく

          社交不安障害

          社交不安障害とは、対人関係において著しく不安や緊張、恐怖を覚え、その場や機会を避けてしまう障害です。 子供の場合は親から離れず、泣いてしまったり、癇癪をしてしまいます。また思春期以降、対人関係のつまづきから症状を悪化させるケースもあります。 性格と考えるよりも、脳の特性と理解します。また避けることで不安が更に高まるため、学習や習慣による結果とも理解できます。 発達障害の特性の有無を考えることも重要です。うつ病や統合失調症の鑑別も重要です。 不安耐性改善のために抗うつ薬を内服し

          パニック障害

          パニック障害はストレスや精神的疲労が蓄積することで発症する障害です。 パニック障害はパニック発作、予期不安、広場恐怖の3つの症状があります。 パニック発作は自律神経発作にも似ていて、動悸や呼吸苦などの自律神経反応や今にも死んでしまうのではないか、という不安や恐怖に襲われるものです。 予期不安とはまた発作が起きるのではないか、と発作がないときにも不安をいだきつづけることを指します。 広場恐怖とは、また発作が起きたらどうしようと、特定の場所を避けることを指します。広場といいますが

          自律神経失調症

          自律神経失調症とはストレスや疲労によって自律神経が乱れる病気です。 自律神経とは、体温の上げ下げをしたり、集中したり、リラックスさせたりなど、体の調子を整える神経系のことを指します。自律神経系は交感神経系と副交感神経系に分け、交感神経系は体を活発化させる力があり、反対に副交感神経系は体をリラックスさせる力があります。 交感神経系を刺激する薬として、コカイン、覚醒剤、カフェインなどが挙げられます。反対に副交感神経系を刺激する薬として、アルコールやベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡

          しなやかな思考とは

           人間の心のあり方の理想として「しなやかな思考」をもつことは、言葉を変えつつも、あらゆる書籍の中で言われていることだ。うつ病治療で代表的な、認知行動療法でもしなやかな思考をもつことを目標にすべきだ、と言われている。  しなやかな思考とは、固くならず流動的で、一つの見方や価値観にとらわれず多様な視点を持ち、言葉のニュアンスにあるような、どこか飄々として理屈っぽくなくなく、情緒的でどこかユーモアを感じさせるものなのだろう。世界に対して信頼し、愛情豊かな印象もある。 一刻と変化

          不眠症(睡眠障害)

          【要約】 睡眠に問題を抱えている人は多く、国民の5人に1人に問題があり、20人に1人が薬物治療を受けています。 薬物治療を開始する前に、他の疾患が隠れていないか(睡眠時無呼吸症候群、うつ病など)、日中の生活リズムの見直し、運動量を増やす、悩み事の解決、仕事量の調整、寝酒の減酒・断酒を試みましょう。 睡眠薬について、短いタイプと長いタイプの2つに分けます。またベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、新薬系、その他の4種に分けます。 その他とは睡眠薬には分類されませんが、副

          双極性障害Ⅰ型、Ⅱ型(躁うつ病)

          【要約】  双極性障害(躁うつ病)とは、活動的になる躁状態の時期と活動性がおちるうつ状態の時期を繰り返す、原因不明の脳病です。躁状態が重いものをⅠ型、軽いものをⅡ型と区別することもあります。昔は躁うつ病と呼ばれ、現在もそのように呼ばれることもあります。  10代から20代に発症することが多いですが、発症直後は症状が軽く、病状が進行し、中高年になってから初めて精神科を受診される方も珍しくありません。躁状態は本人も無自覚なことが多く、性格の範囲と誤解されていることもあります。うつ

          双極性障害Ⅰ型、Ⅱ型(躁うつ病)

          うつ病

          【要約】  うつ病とは原因不明の落ち込みを繰り返す脳病であり、落ち込む期間は長く、3~6ヶ月ほど続きます。再発も多く、また3分の1の方は薬物治療の効果が乏しく、症状が遷延します。  落ち込みを抑うつ気分といい、他にも意欲集中力低下、思考が止まる、不安、焦り、食欲低下もしくは過剰、睡眠障害、死にたいと考えてしまう、などの症状があります。  うつ病の症状は多彩であり、他の疾患との鑑別が困難です。うつ病は中高年発症が多く、10~20代では躁うつ病の発症が多いと言われています。うつ病