実際に使用中の Android デバイスで、システム、アプリケーション ソフトウェア、タイムゾーン ルールの無線(OTA)アップデートを受信してインストールすることが可能です。このセクションでは、アップデート パッケージの構造と、パッケージをビルドするために提供されているツールについて説明します。対象読者は、新しい Android デバイスで機能する OTA アップデートを提供するデベロッパーと、リリース済みデバイス向けのアップデート パッケージをビルドするデベロッパーです。
OTA アップデートは、基盤のオペレーティング システム、システム パーティションにインストールされている読み取り専用アプリ、またはタイムゾーン ルールのアップグレードを目的とするものであり、ユーザーが Google Play からインストールしたアプリには影響しません。
A/B(シームレス)システム アップデート
最近の Android デバイスは 2 つのパーティション(A と B)を備えており、システムが稼働しているがアイドル状態にあるときに、使用されていないパーティションに対してアップデートを適用できます。A/B デバイスは、アップデート パッケージをダウンロードするためのスペースを必要としません。これは、ネットワークからアップデートを読み取りながら適用できるためです。このようなアップデートを「ストリーミング A/B」と呼びます。A/B デバイスの OTA アップデートの詳細については、A/B(シームレス)システム アップデートをご覧ください。Android システム アップデート API(update_engine
など)を使用して A/B アップデートをインストールする例を紹介するサンプルアプリについては、SystemUpdaterSample をご覧ください(アプリの詳細は updater_sample/README.md
にあります)。
非 A/B システム アップデート
古い Android デバイスには専用のリカバリ パーティションがあり、ダウンロードしたアップデート パッケージを解凍して他のパーティションにアップデートを適用するために必要なソフトウェアがそこに含まれています。詳細については、非 A/B システム アップデートをご覧ください。
タイムゾーン ルールのアップデート
Android 8.1 以降では、OEM はシステム アップデートを行わなくても、アップデートしたタイムゾーン ルールのデータをデバイスにプッシュできます。この仕組みにより、ユーザーはタイムリーなアップデートを受信できます(それによって Android デバイスの有効な耐用期間が長くなります)。また、OEM はシステム イメージのアップデートと無関係にタイムゾーンのアップデートをテストできます。詳細については、タイムゾーン ルールをご覧ください。