古代史
自民党の参院議員 山本ともひろ がこんなツイートをしている。 午前、自民党文科部会を開催。九州大学の川本芳昭名誉教授から「邪馬台国・卑弥呼の呼称と国号日本との関係」と題して講演して頂き、邪(よこしま)、卑(いやしい)は、当時の中国が周辺国を文明が…
中国では各王朝が前代の正史を編纂してきたのだが… 何度教え諭されても、入れ替わり立ち替わり、ドヤ顔でこういうことを言い出すネトウヨさんが現れる。 民族が替わり、前王朝の痕跡を根こそぎ消してきた近隣諸国に「歴史ガー」とか「反省ガー」とか言われる…
今日は紀元前660年のこの日に「神武天皇」が即位したという大嘘を根拠に明治クーデター政権が勝手に決めた「建国記念の日」なので、神武と初期天皇家に関するデタラメを一通り指摘しておくことにしよう。 「神武天皇」などいなかった まず初代の「神武」。 …
安倍政権だけの問題ではない日本政府の嘘つき体質 嘘つき体質は敗戦時の文書大量焼却以来の「伝統」か? 実は明治維新までさかのぼる? 明治維新どころではない。日本の歴史はその始まりから嘘だらけ 古事記は嘘が足りないためボツになった試作品 安倍政権だ…
力士はなぜ裸体なのか、という疑問 子どもの頃から、テレビで大相撲を見ていて疑問だったことがある。なぜ力士は、廻まわしを締めただけの裸体のうえに髷(まげ)という珍妙な恰好で相撲を取るのか、という疑問だ。髷は江戸時代までは身分を問わず男子の普通…
前回記事で取り上げた「橋本琴絵」アカウントは、ネアンデルタール人を極悪非道とする理由として、「弔意がない」ことを挙げている。 死者を悼む心の有無を靖国参拝に直結させる強引さも噴飯モノだが、死者を丁寧に埋葬していたネアンデルタール人にこのよう…
「文化の日(=日本国憲法公布の日)」である今日11月3日をかつての「明治節」に戻したい反動議員たちが集会を開いたそうだ。民の生活を良くするための努力は何一つしないくせに、旧大日本帝国の正当化にだけは実に熱心だ。このような者たちを国会議員でい…
「神武天皇陵」問題の記事でも引用した住井すゑ氏と古田武彦氏の対談本の中に、非常に面白いエピソードが書かれている[1]。 古田 そうですか。いやァあのね、私吉野でね、古事記に案内した人出て来ますね、あの子孫だっていう材木問屋の社長さんいましてね、…
「しらべぇ」というサイトが、今年の「建国記念の日」に、「【悲報】7割の国民が『建国記念日に即位した天皇』を知らない」という記事を掲載した。 しらべぇ編集部が全国の男女1331人に「建国記念の日はなに天皇が即位した日?」と調査を行ったところ、もっ…
先日、TLにこういうツイートが流れてきた。兄の五瀬とともに九州からやってきたイワレビコ(神武)が近畿に侵入したとき、最大の敵として立ちふさがった(トミノ)ナガスネビコ(記:登美能那賀須泥毘古 紀:長髄彦)についての話である。 天孫饒速日命を奉…
安康(20代)―> 雄略(21代) セックススキャンダルで兄の木梨之軽王を葬って大王となった穴穂(安康)だが、この男はその後、あっさり殺されてしまう。古事記の説話の中でも特に印象深いものの一つ、「目弱まよわ王の変」である。 前回も書いたが、男浅津…
允恭(19代)―> 安康(20代) 男浅津間若子宿禰(允恭)は、后忍坂大中津比売(オシサカノオホナカツヒメ 紀:忍坂大中姫)との間に、次の9人の子をもうけた。 木梨之軽王(キナシノカルノミコ) 長田大郎女(ナガタノオホイラツメ 紀:名形大娘) 境黒日…
履中(17代)ー> 反正(18代) 応神朝における骨肉の争いは、仁徳の息子(応神の孫)たちの世代になると、さらに激しさを増してくる。もはや、父親が同じとはいえ日常生活では疎遠な異母兄弟間の争いではない。同じ母親のもとで一緒に育った同母兄弟同士の…
九州から近畿に侵入した初代神武から2代目綏靖への代替わりは、兄殺しによる地位簒奪だった。そして、肉親殺しを伴う簒奪行為は、これが近畿天皇家で唯一の例というわけではない。 仲哀(14代)の二人目の后だった息長帯日売(オキナガタラシヒメ 紀:気長…
近畿天皇家の初代神武に続く2代目綏靖から9代目開化までの8代は、古事記・日本書紀に系譜が書かれているだけで事蹟(説話)を欠いているため、「欠史八代」と呼ばれている。 しかし、一つだけ例外がある。綏靖による兄殺しの物語である。神武は、まだ九州…
仲哀(14代)から応神(15代)への代替わりが、単なる代替わりではなく王朝交代であったことについては既に説明した。このとき、仲哀の九州遠征に同行せず大和に残っていた息子たちを滅ぼして権力を奪ったのが、神功皇后こと息長帯日売(オキナガタラシヒメ…
近畿天皇家の初代神武に続く2代目綏靖から9代目開化までの8代を、「欠史八代」と呼ぶ。理由は、古事記・日本書紀でのこれらの天皇に関する記載が系譜だけであり、事績(説話)を欠いているからだ。 もっとも、厳密に言うと説話がまったくないわけではない…
関連記事: 仲哀→応神も王朝交代 息長帯日売と建内宿禰に謀殺されて血脈を絶たれてしまった可哀想な仲哀天皇。この人、実はヤマトタケル(古事記では倭建命、日本書紀では日本武尊と表記)の息子である。 ヤマトタケルは日本神話最大のヒーローと言ってもい…
記事《「万世一系」の虚妄》の中で、武烈(25代)から継体(26代)への代替わりが王朝交代に他ならないことを説明した。しかし、明治以来常識化されてきた「万世一系」を否定する反例はこれだけではない。 次は、仲哀(14代)から応神(15代)への代替わりを…
歴代天皇のいわゆる「万世一系」について、真に問わなければならない問題とは何か? それは、「万世一系」の定義とか、それは事実かどうか、といったことではなく、なぜ天皇は「万世一系」ということになっていなければならないのか、そもそもなぜそんなもの…
天皇といえば、枕詞のようについてくる形容が「万世一系」。 ある種の人々にとって、天皇家が「万世一系」であることは、何物にも代えがたい至上の価値であり、日本という国を、他国より優れた特別な存在にするものであるらしい。 …バカじゃなかろうか。 当…
唐代の詩人、李白の五言絶句『秋浦曲』の中に、「白髪三千丈」という著名な一節がある。 嫌中排外主義の皆さんはこれを、「中国人はものごとを誇張する」「嘘つきである」ことの証拠のように言い立てる(例えば これ とか これ とか これ)が、実際の詩を読…
今日は「建国記念の日」。敗戦までの「紀元節」の名前だけ変えて価値中立性を装った、戦後日本の偽装記念日の一つである。 紀元節が2月11日なのは、日本書紀で神武が「辛酉年春正月 庚辰朔」(辛酉の年の1月1日)に即位したと書かれており、これが西暦紀元…