「エホバの証人」めぐり弁護団結成 「抑圧されている信者救いたい」

田中紳顕
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 親による信仰の強制や、信仰を背景とする虐待など「宗教2世」の問題が注目される中、キリスト教系新宗教「エホバの証人」(エホバ)でも同様の問題があるとして、新たに弁護団が立ち上がった。

 弁護団の名称は「エホバの証人問題支援弁護団」。弁護士や医師、弁理士ら15人で1月15日に発足した。うち6人がエホバの元2世信者で、これまでにSNSなどを通じて、相談などに応じてきた。

 これまで寄せられた相談は約100件。幼少期にムチでたたかれて信仰を強制された▽手術中などの輸血を禁止された▽布教活動のため大学進学を反対された、といった内容だという。

 弁護団事務局のメンバーで、自らもエホバの2世信者だった田中広太郎弁護士によると、エホバでは脱会した人に対して、家族内でも連絡を取ることを禁じる指導をされるといい「脱会したくても家族関係を途絶えさせたくなくて、表面上だけ信者を続けざるをえず、苦しむ人も多い」という。

 弁護団では今後、同様の被害を訴える信者らの相談に応じ、相談事例から教団内での実情を取りまとめる予定だ。相談内容が悪質で信者らから依頼を受けた際には、法的措置も検討するという。「教団内の実態を明らかにしつつ、抑圧されている信者や元信者らを一人でも救いたい」としている。28日に記者会見を開く予定。

 エホバの証人日本支部は、2世信者らから声が上がっていることについて「組織に不満を持つ元関係者のコメントのみに基づいて、ゆがんだ報告や誤った結論が出されている。そうした意見は事実に反している」としている。(田中紳顕)

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〈エホバの証人〉キリスト教系新宗教で、正式名称は「ものみの塔聖書冊子協会」。教団ホームページによると、1870年代、米国の聖書研究者らを中心に発足した。日本支部は神奈川県海老名市にあり、国内の信者数は2022年現在で約21万人いるという。

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