道路陥没、「深さが想定の2倍」で作業難航 不安が募る住民 埼玉

有料記事

宮島昌英 伊藤悟 小林未来 浅野真
[PR]

 28日に起きた埼玉県八潮市の道路陥没事故で市民生活への影響が広がっている。復旧までにはまだ時間がかかる可能性が高く、住民の不安は募る。

 陥没があったのは、市役所から500メートルほど離れた市の中心部。当初の陥没地点とは別に、近くに新たな陥没も発生した。地中のガス管が壊れる恐れがあるため、警察は事故現場から半径200メートルの範囲に避難を呼びかけている。

 29日午前3時半ごろ、赤色灯を点灯させたパトカーが現場周辺を巡回しながら、「陥没の穴が拡大を続けています。八潮市役所へ避難してください」とアナウンスしていた。

 避難所になっている市役所には、住民が徒歩や自転車などで次々と訪れた。午前4時ごろ、夫と避難してきた40代のパート女性は「避難指示は初めて。道路の陥没が起きるなんて、思っていなかった」。自宅は陥没地点のすぐ近くで、「家がどうなるのか心配」と不安な様子だった。

 同居する兄と避難してきた会社員の男性(26)は「住んでいるアパートは陥没現場の目の前。もし穴が広がってしまうと困る」と話した。

 市によると、29日早朝から午前にかけて最大185人が市役所に避難した。

 避難区域のなかにある保育園は、入り口に臨時休園を知らせる貼り紙を掲示した。園長によると、29日朝、園が避難区域に入っていると報道で知り、急きょ約130人の園児の保護者に休園を伝えたという。子供を軽自動車で送り届けに来た母親が貼り紙を見て引き返す姿もあった。

 八潮市の大山忍市長は29日、「市民に大きな不安、負担をかけているが、(穴に転落したトラックの)運転手の救出と早期復旧に向けて県や国とともに力を尽くしたい」と話した。

 作業が難航している理由については、穴の深さが当初の見通しの2倍近いことや水量の増加などをあげ、「現場の環境が、想定よりかなり厳しい」と説明した。

 県は29日、現場の周辺でほ…

この記事は有料記事です。残り1354文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
宮島昌英
さいたま総局|事件担当
専門・関心分野
国内政治、日本史、大相撲
小林未来
さいたま総局
専門・関心分野
消費生活、食生活、教育