EEATとは?サイトや著者の経験、専門性、権威性、信頼を評価

Google提唱のE-E-A-Tとは? 経験, 専門性, 権威性, 信頼とSEO

E-E-A-Tとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trust(信頼)の頭字語で、Googleが検索品質評価ガイドラインで定めた独自のウェブページ評価基準です。GoogleはこのE-E-A-Tを用いてウェブページと検索の品質を評価するため、SEOの実践において極めて重要な概念です。

E-E-A-Tとは

E-E-A-Tとは、Experience(経験)Expertise(専門性)Authoritativeness(権威性)Trust(信頼)のそれぞれの頭文字を取った頭字語であり、Google独自のウェブページの評価基準です。E-E-A-Tは検索品質評価ガイドライン1の中で定義されており、GoogleはこのE-E-A-Tを用いてウェブページと検索の品質を評価します。

E: Experience
経験
そのトピックに関してコンテンツ著者が持つ実体験や人生経験。著者が直接的に体験したことはコンテンツの独自性に表れる。
E: Expertise
専門性
そのトピックに関してコンテンツ著者が持っている知識や技術。著者が持つ知識や技術の広さや深さはコンテンツの品質に表れる。
A: Authoritativeness
権威性
そのトピックに関する有力な情報源としてのウェブサイトやコンテンツ著者の知名度。定量的に計測可能な指標としてPageRankが使われる。
T: Trust
信頼
そのページの正確性、公正性、安全性、確実性。コンテンツ著者の E: Experience(経験)または E: Expertise(専門性)と、コンテンツ著者やウェブサイトの A: Authoritativeness(権威性)がこれを裏付ける。

Google検索品質評価ガイドラインによれば、経験(E)、専門性(E)、権威性(A)のそれぞれは「信頼(T)」を支える重要な概念であり、E-E-A-T 系列で最も重要なのは「信頼」であるといいます。同ガイドラインには「経験、専門性、権威性は、信頼を評価するための裏付けとなる重要な概念である」とあり、下のような図が提示されています。

E-E-A-Tの概念図

Googleが2019年に発表した白書「Googleはどのように偽情報と戦っているか2」には「ランキングシステムは、専門性、権威、信頼性の高いサイトを特定するために特別に設計されています」とあります。またGoogle公式の検索ガイダンスには下記引用の記述があり、ランキングシステムはE-E-A-Tを強く重視します。

Google のランキング システムは、E-E-A-T(専門性、エクスペリエンス、権威性、信頼性)で表される品質を満たした、オリジナルかつ高品質のコンテンツを評価することを目的としています。

AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス3

Google検索のランキングシステムはE-E-A-Tの高いページやサイトを高く評価するため、E-E-A-TはSEOの実践において非常に重要です。またE-E-A-Tの各項はお互いに重なり合う性質も持っています。ここからはそのそれぞれについて、検索品質評価ガイドラインを参照しながら解説していきます。

E:Experience(経験)

E:Experience(経験)では、そのトピックについての実体験や人生経験をコンテンツ著者がどの程度持っているかが検討されます。ここでいう経験とは、専門性を示す業務上の経験のことというよりも、日常生活や人生における個人的な経験について主に記述されていることに注意が必要です。業務上の経験はExpertise(専門性)に含まれます。

ガイドライン(2023年12月版)で示された例では「個人的にその製品を使った経験がある人とそうでない人のレビューでは前者のほうが信用できる」というような、ユーザー目線での個人的な経験の例が示されています。経験に関するGoogle公式の説明には次のようなものがあります。

実際に製品を使用している、実際にその場所を訪問している、誰かが経験したことを伝えているなど、コンテンツにある程度の経験が織り込まれているかどうかも評価されます。状況によっては、そのトピックに関連して実体験をもつ人が作成したコンテンツが最も高く評価される場合もあります。

たとえば、確定申告書の正しい記入方法を知りたいときには、会計の専門家が作成したコンテンツを参照したいでしょう。一方で、確定申告ソフトの評価を知りたいのであれば、その種のサービスを体験した人たちが集まるフォーラムの議論など、別の情報を探すのではないでしょうか。

品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加 | Google 検索セントラル ブログ4

  • コンテンツは、実体験や深い知識(たとえば、実際に商品やサービスを使用したり、ある場所を訪れたりした経験に基づく特別な知識)を明確に示していますか。

有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル

個人的な人生経験や実体験は、ほとんどすべてのトピックで価値があります。とりわけソーシャルメディアの投稿やフォーラムのディスカッション、ブログ記事などでは、交響曲の作曲から家電製品のレビューまで、人々が自分の個人的な経験を共有することで質の高いものになります。経験は個人のブログで特に重要です。

こうした人生における個人的な経験について検索品質評価ガイドラインは、2022年7月版5までは「日常生活の専門知識(everyday expertise)」として「E:Expertise(専門性)」の項で扱っていました。しかし2022年12月版で「E:Experience(経験)」が加えられてからはそちらで扱っています。

その一方で、業務上の経験については従来通り「E:Expertise(専門性)」で扱われているものと考えてよさそうです。というのも、Expertiseという言葉には「訓練や実践で得た専門性」といったニュアンスがあり、業務上の経験はExpertiseに内包されると考えることが自然であるからです。

E:Expertise(専門性)

E:Expertise(専門性)では、そのトピックに必要な専門知識や技術をコンテンツ著者がどの程度持っているかが考慮されます。この記事やGoogle公式のドキュメントも含め、多くの記事ではExpertiseの訳語に「専門性」を当てていますが、日本語の「専門性」は原語の意味と多少のニュアンスの違いがあります。Expertiseの辞書的な意味は次の通りです。

  • Expertise is special skill or knowledge that is acquired by training, study, or practice.
  • 訳)Expertiseとは、訓練、学習、または実践によって獲得される特別な技術または知識です。

EXPERTISE definition and meaning | Collins English Dictionary6

Expertiseは訓練や学習や実践を通じて身につけた技術または知識を指します。またExpertiseには、国家資格で認定されるような公式のものもあれば、切手収集や家事のような非公式のものもあり、GoogleはどちらもExpertiseとして扱います。専門性に関するGoogle公式の説明には次のようなものがあります。

  • コンテンツは、トピックに関して十分な知識を持つことが明白な専門家または愛好家によって書かれたものですか。

有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル

検索品質評価ガイドラインやその他のドキュメントから得られるアドバイスは「そのトピックについての十分な専門知識や技能(Expertise)を実際に持った専門家(Expert)自身がコンテンツを作成する」ことに尽きます。ここで明確にしておきたいことは、日本語に訳すときには同じ「専門性」と訳される他の概念との違いです。

  • Specialty – 専門性、特化性
  • Expertise – 訓練や実践で得た専門性
  • Professional – 職業上の専門性

上記はどれも「専門性」と訳されますが、それぞれ異なる意味を持っています。Specialtyは「Home appliances specialty store(家電専門店)」のような形で、ある分野に特化していることを指します。そのSpecialtyではなくExpertiseが使われている理由は「特定の分野に専門特化したサイトにするだけでは不足である」からでしょう。

また、職業上の専門性をだけを指すProfessionalではなく、特に職業上の専門性に限定されないExpertiseが使われている理由は、職業や生業としての専門知識や専門技能が重要であるのと同様に、生活や趣味における専門知識や専門技能もまた、その分野のコンテンツ作成者に求められるからでしょう。

「E:Expertise(専門性)」の項で述べられていることは、税務申告のようなYMYLトピックから写真のような趣味まで、どんなトピックを扱っていたとしても、満足のいくコンテンツを提供するには、コンテンツ作成者にはそのトピックにおける高い専門知識や専門技能が必要だということです。

A:Authoritativeness(権威性)

A:Authoritativeness(権威性)では、そのトピックに関する有力な情報源としてコンテンツ著者やウェブサイトがどの程度知られているかが考慮されます。計測可能な指標でいえば被引用数や参照数や知名度です。なお英語のAuthoritativenessの意味は「専門とする特定のトピックについて他の人に遵守または尊重される性質」です7

検索品質評価ガイドラインとは別の場所においても、権威性についてのGoogleの説明は一貫しており、引用元としての信頼度や知名度のことを権威性と表現しています。白書「Googleはどのように偽情報と戦っているか」ではより直接的に「信頼性と権威性を特定するシグナルで最もよく知られているのはPageRankである」と説明しています。

Googleのアルゴリズムは、信頼性と権威性に関連するページのシグナルを特定します。これらのシグナルの中で最もよく知られているのはPageRankで、ウェブ上のリンクを使って権威性を理解します。

「Googleはどのように偽情報と戦っているか」

権威あるコンテンツ著者またはサイトとは、ある特定のトピックにおいて引用元としてよく参照される(リンクされる)コンテンツ著者またはサイトのことを言います。これは評判を調査すればすぐにわかることであり、Google検索セントラルの記事では次のように説明しています。

  • コンテンツを制作しているサイトを誰かが調査したとしたら、対象トピックの権威としてサイトが信頼されている、または広く認知されているという印象を受けますか。

有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成

よく引用元として参照される信頼できる情報源は、公式のトピックでは官公庁のページが中心であると言えそうです。また、医療のようなYMYLトピックでは、査読済みの学術論文なども信頼できる情報源です。こうしたトピックで自分のサイトにAuthoritativenessを持たせることは容易ではありません。

その一方で、ほとんどの仕事や趣味に関するトピックにおいては公式の情報が存在しないため、信頼できる情報源は多岐にわたります。自分や自社の専門分野という狭い範囲にトピックを限定し、自分のサイトを信頼できる情報源にすることは十分に可能であり、挑戦する価値があります。

T:Trust(信頼)

T:Trust(信頼)では道徳性や公正性が問われます。日本語の「信頼」には道徳性や公正性のニュアンスはあまりなく、どちらかといえば「家族の信頼」や「仲間の信頼」といった愛着や忠誠に近い主観的・情緒的なニュアンスがありますが、英語の「Trust」は道徳性や公正性と不可分の概念であると同時に客観的な性質でもあります。Trustの辞書的な意味は次の通りとなっています。

  • to believe that someone is good and honest and will not harm you, or that something is safe and reliable
  • 訳)ある人物が善良で実直で害意がないと信じること、またはある物事が安全で確実であると信じること。
TRUST | definition in the Cambridge English Dictionary8

またこの記事の冒頭でも述べたとおり、信頼は、経験、専門性、権威性に裏付けられて成立するものです。また、自己評価で「自分には専門性や権威性がある」と主張しても意味がなく、客観的にGoogleが計測可能なシグナルとして言及(サイテーション)や引用(被リンク)を受ける必要があります。

ウェブサイトやコンテンツの信頼性を評価するとき、そのウェブサイトやコンテンツそのものの主張よりも、外部の独立した第三者による評判のほうが証拠として信頼できる、というのがGoogleの考え方です。以下は、ウェブサイトやコンテンツの著者が信頼できるかどうかを検証するための情報源を示した部分の引用です。

ウェブサイトやコンテンツ制作者について他人が述べていること: ウェブサイトやコンテンツ制作者に関する独立したレビュー、参考文献、ニュース記事、その他の信頼できる情報源を探そう。ウェブサイトやコンテンツ制作者が経験豊富である、専門知識がある、権威がある、またはその他の点で信頼できると考えられる独立した信頼できる証拠が見つかるか? そのウェブサイトやコンテンツ制作者が信頼に値しないという独立した信頼できる証拠は見つかるか?

検索品質評価ガイドライン

検索品質評価ガイドラインによれば、信頼はYMYLカテゴリにとって特に重要であり、医療情報や金融取引情報など、このカテゴリのサイトやページは最高レベルの信頼を必要とします。非YMYLカテゴリであっても、商品レビューや各種のアドバイス情報を扱うトピックであれば、それにふさわしい信頼が必要となります。

YMYLトピックとE-E-A-Tの要求水準

検索品質評価ガイドラインでは、ユーザーの幸福、健康、経済的安定、または安全に重大な影響または損害を与える可能性があるトピックを「Your Money or Your Life」またはYMYLと呼んでいます。Googleは2014年にYMYLカテゴリーを導入しており、以下のような損害が発生する可能性のあるトピックがYMYLに該当します。

  • 健康または安全 – 精神的、身体的、感情的な健康、または身体的安全やオンライン上の安全など、あらゆる形の安全を害する可能性のあるトピック。
  • 経済的な安全 – 自分自身や家族を支える能力を損なう可能性のあるトピック。
  • 社会 –  人々の集団、公共の利益、公的機関への信頼などに悪影響を及ぼす可能性のあるトピック。
  • その他 – 人々を傷つけたり、社会の福祉や幸福に悪影響を及ぼす可能性のあるトピック。

このYMYLカテゴリについてGoogleは、信頼性と安全性について最も厳しい基準で運営することが期待されているものと想定しています。このためユーザーのクエリがYMYLのトピックに関連していることをGoogleのアルゴリズムが検出した場合、ランキングシステムは、E-E-A-Tをより重視した検索結果を返します。

Google のシステムでは、人の健康や安全、経済的安定、社会の福利厚生に大きく影響する可能性のあるトピックについては、E-E-A-T が優れたコンテンツを特に重視します。

有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成9

なお検索品質評価ガイドラインには、YMYLには濃淡があるという説明があります。明確にYMYLカテゴリに該当するトピック、該当しないトピック、そしてそれらの中間のトピックがあり、ほとんどのトピックは明確なYMYLには該当しないといいます。とはいえ個人的には、どんなトピックであれ正確性や信頼性に留意して損はないと考えます。

E-E-A-Tを向上させる

E-E-A-Tは特定のアルゴリズムを指すものではありません。このため独立したE-E-A-Tスコアのようなものも存在しません10。E-E-A-Tは品質を表す概念の集合であり、各基準を検索結果に反映するために複数のアルゴリズムが働いています。またE-E-A-Tのそれぞれには重なり合う部分もあります。E-E-A-Tの向上は総合的に実施していく必要があります。

E-E-A-Tの向上について押さえておきたいポイントは、経験や専門性や権威性や信頼を自分でアピールするだけでは十分ではなく、外部からのサイテーションや被リンクといった評判情報で裏付ける必要があるということです。ここまで述べてきたようにGoogleは自己アピールよりも他者からの評価を信頼します。

E-E-A-Tの評価対象は、コンテンツ(を含むページ全体)と、ウェブサイト(およびその運営母体)、コンテンツ制作者、という3点です(下図)。SEOの実施においては、これらのそれぞれについてE-E-A-Tを向上させていくことが必要となりますが、それぞれの方法論は異なっています。

コンテンツだけは著者の努力である程度まではE-E-A-T適合させることができますが、コンテンツ著者とウェブサイトは他者からの言及や参照や評判が必要になることがポイントです。ここからは、コンテンツ、ウェブサイト、コンテンツ著者のそれぞれについて、E-E-A-Tを向上させる方法を説明します。

コンテンツ

コンテンツのE-E-A-Tは、コンテンツ著者やウェブサイトのE-E-A-Tの基礎となります。優れたコンテンツが、コンテンツ著者やウェブサイトの権威性や信頼を形成していく足がかりになるためです。コンテンツで経験と専門性を表現することで、権威と信頼の証明となる外部からの評価を獲得していく、という流れを意識しましょう。

外部からの評価を獲得するための足がかりとしてコンテンツを機能させるためには、単に高品質であるだけでは不十分です。そのコンテンツの存在を特定の誰かに教えたり、特定のコミュニティに共有したくなるなど、具体的な行動を引き出せるほどの突き抜けた品質が必要となります。コンテンツのE-E-A-Tではそこを目指しましょう。

ウェブサイト

ウェブサイトのE-E-A-TはA:Authoritativeness(権威性)の項で説明したとおり、引用元、参照先として被リンクを集めていることがシグナルとなってGoogleに認識されます。ウェブサイトが専門性、知名度、信頼性を備えていることに加え、権威性を備えた著名なコンテンツ著者を抱えていることも条件になるでしょう。ウェブサイトのE-E-A-Tの要件は次の通りです。

  • そのトピックにおける権威ある媒体や権威者からの言及被リンクを受けている。
  • よく知られていて評判がよいことの証明として、頻繁に指名検索されている
  • ウェブサイトを表すエンティティがGoogleに認識されていて、ウェブサイトの評判をGoogleが正しく認識できる。
  • 権威性を備えた有名な著者がコンテンツ制作にあたっている。
  • 検索エンジンからのアクセスを集めることではなく、利用者の役に立つことを目的に運営されていて、肯定的な評判を得ている。

サイト内で発信する一つ一つのコンテンツがそれぞれ被リンクを受け取り、そうしたコンテンツが多くなればなるほど、ウェブサイトのE-E-A-Tは向上していきます。また、ソーシャルメディア上でのいいね!やシェアは知名度や評判を向上させます。ウェブサイトのE-E-A-Tには、アーンドメディアの獲得(外部メディアでの露出)が欠かせません

サイト内のすべてのコンテンツが、被リンクやいいね!やシェアなどのアーンドメディアを獲得できることが理想です。そのためには、ウェブサイトとしてのコンテンツの品質管理と、コンテンツ作成者個人によるオフラインでの社交とソーシャルメディア最適化が、ウェブサイトのE-E-A-Tを向上させるキーポイントとなるでしょう。

ウェブサイトのE-E-A-Tで満たすべき要因は、ウェブサイトの種類によって変化します。情報サイトであれば従来のリンクポピュラリティで評価が可能な正確性が重要な要因となりますが、ECサイトでは知名度や人気といったサイテーション要因が重要な要因となります。また個人ブログでは個人の実体験(Experience)が重要です。

ECサイト

ECサイトのE-E-A-Tでは、最初のE(Experience:経験)については多くを問われず、従来のE-A-Tが問われます。2番目のE(Expertise:専門性)として商品に関する知識や開発能力が問われ、自社の独自製品を持っていればA(Authoritativeness:権威性)を認められやすく、他のジャンルと比較するとT(Trust:信頼)が厳しく審査されます。

ECサイトでは、商品を探すトランザクショナルクエリの検索結果が人気順で並ぶという特殊性から、E-E-A-TやSEOの考え方も他のジャンルと異なります。評判や人気といったサイテーション要因が重要な位置を占めるのです。ECサイトについては、ECサイトに独自のE-E-A-TやSEOの考え方や施策を紹介したページをご確認ください。

個人ブログ

個人ブログのE-E-A-Tでは、それが特定の分野の専門的なブログなら、著者のE-E-A-Tが何よりも重要で、ブログでテーマとする分野の権威者として認められていることが主要な要件となります。一方、専門的な内容を扱うブログではない場合には、著者の経験(直接の実体験)が重要な意味を持ちます。詳しくは個人ブログのSEOのページをご確認ください。

コンテンツ著者

コンテンツ著者のE-E-A-Tは、専門家としての知識や技能に加えて、知名度や評判が重要な要件となります。知名度や評判を形成していくためには、業界などのコミュニティ内での露出を増やして名前を覚えてもらうことと、作成したコンテンツで利用者からの反応を引き出すことが必要です。コンテンツ著者のE-E-A-Tは次のように成立します。

  • コンテンツの著者は、そのトピックに必要な実体験または専門知識またはその両方を十分に持っていて、それがコンテンツそのものやバイラインやプロフィールページで表現されている。
  • コンテンツの著者は、そのトピックに関する専門家または熱心な愛好家として知られており、肯定的な評判を得ている。
  • コンテンツの著者は、そのトピックに関する情報源としてよく知られており、そのトピックにおける権威ある媒体や権威者からの言及被リンクを受けている。
  • これらの結果として、著者名が単なる文字列ではなく著者自身を表すエンティティとしてGoogleに認識されている。

専門家としての知識や技能を磨き、有用で高品質なコンテンツを作成し、オフラインやオンラインでの社交を通じてプレゼンスを上げ、講演や寄稿など自社のコンテンツ作成とは別の手段で露出を増やすなど、コンテンツ著者のE-E-A-Tを高めていく活動は多岐にわたり、そのどれもが容易ではありません。

当然ですが、E-E-A-Tの向上に挑戦したすべての人が専門家として認められる存在になれるわけではなく、権威者として認められる存在になる人はさらに少数です。とはいえ、自分が属する狭い業界内での挑戦ですし、業界によっては「地域で一番の専門家」などでも十分かもしれません。実現可能性は十分にあります。

まとめ

白書「Googleはどのように偽情報と戦っているか11」によれば、E-E-A-Tの元となったE-A-Tのコンセプトは、フェイクニュースや陰謀論といった偽情報と戦うために生まれたといいます。その後は、医療分野における偽情報や誤情報の拡散防止などにも使用され、現在に至っているものと考えられます。

E-E-A-Tは様々なシグナルとしてすでにランキングアルゴリズムに組み込まれており、YMYLカテゴリのうち誤情報や偽情報がもたらす損害が特に大きい領域を中心に、信頼性の高い検索結果を提供するために使われています。筆者の個人的な予測では、今後は適用範囲を拡大し、より誤情報の少ない検索が実現していくものと考えています。

ランキングシステムは、ウェブページの真偽について主観的な判断を下すのではなく、そのウェブページの専門性、信頼性、権威性をユーザーや他のウェブサイトがどのように評価しているかを示す測定可能なシグナルに注目する

「Googleはどのように偽情報と戦っているか」

上記引用のようにGoogleは、E-E-A-Tを評価するにあたって、計測可能なシグナルとして「ユーザーや他のウェブサイトなど第三者による評価」に注目しています。レピュテーションユーザー行動が大きな意味を持つのです。これらに対して直接的に介入することは困難ですから、実際にE-E-A-Tを高めて他者からの反応を引き出していくほかありません。

E-E-A-Tの構築は一朝一夕にはいきませんが、そのつもりで取り組めば一定の成果を上げることは可能でしょう。筆者としては、中小企業にはぜひ取り組んでいただきたいと考えます。まずはコンテンツで専門性をアピールするところから始めましょう。あなたのサイトやブログには、あなたが持っている専門性は反映されているでしょうか?

脚注

  1. Google検索品質評価ガイドライン(PDF・英語) ↩︎
  2. How Google Fights Disinformation(PDF・英語) ↩︎
  3. AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス | Google 検索セントラル ↩︎
  4. 品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加 | Google 検索セントラル ブログ ↩︎
  5. Google検索品質評価ガイドライン(PDF・英語・2022年7月版)Wayback Machineより ↩︎
  6. EXPERTISE definition and meaning | Collins English Dictionary ↩︎
  7. AUTHORITY | English meaning – Cambridge Dictionary ↩︎
  8. TRUST | definition in the Cambridge English Dictionary ↩︎
  9. 有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル ↩︎
  10. Q&A with Gary IIlyes – Pubcon Vegas 2019 – Marie Haynes ↩︎
  11. How Google Fights Disinformation(PDF・英語) ↩︎

コンテンツ品質の約束