Painter(ペインター)とは、Corel Corporation が開発/販売している代表的ペイントツールである。最新版は2023(リリースは23番目)。
廉価版のPainter Essentials8、Android版のPainter Mobileも存在する(有料、無料版がある)
また、Photoshopユーザー向けのプラグイン「Particleshop」も発売されている。
概要
Painterは1991年に誕生した、高機能なペイントソフト。カラーピッカーや画面上での混色機能、画面(紙)を回転して描けるソフトの先駆的存在としても有名であり、様々なペイントソフトの源流となっています。
アニメ系に留まらず、Gペンや油彩、水彩など実在する画材の自然な書き味をコンピュータ上で再現することに重点を置いています。搭載されているブラシは37カテゴリ、600種類以上ですがその中から好みのブラシをカスタムパレットにお気に入り登録して使ったり、豊富なカスタマイズ設定で好みに変更できます。
2DCGにおいてはPhotoshopと双璧をなす代表的なソフトとして知られており、国内外のアマチュアからプロまで様々な人が使っています。PhotoshopやSAIで表現が難しい混色系イラスト(水彩、油彩系など)が得意な面があります。
Painterはブラシの毛先一本一本を計算するため、「重いなぁ、画材シミュレーターとしてはいいけどなぁ」というユーザーが少なからずいましたが、Painter2019でIntel CPUの最適化、Painter2021ではBrush AcceleratorでGPUなどのシステム最適化で高速化が行われてかなりハッピーな状態に。最高かよ!
高機能で便利なツール、ブラシ
- ブラシ関連
ナチュラルメディア | リアル水彩、リアル油彩、ドライメディアツールなど、実在する画材の表現に限りなく近づけているブラシ。紙や別の色へ滲む表現や、塗り重ねていく表現が得意。また、水のにじみなどには「デジタル水彩」(公式動画リンク)「リアル水彩」(参考動画)「ティント」(参考動画)を始めとした様々なブラシで自分の表現にあったブラシを選択できます。 |
流体ペイント | 2023で搭載されたブラシ。スムーズで透明なストロークが描ける柔らかい重ね塗りやブレンド、陰影ができる。(参考動画) |
豊富なブレンドツール | 色の混ぜ方でも10種類以上あるため、表現によって選ぶことが出来る。 |
パーティクルブラシ | ブラシのスピード、進行方向などで「引っ張られる線」を描くことができ、近未来的煙・空気・光の表現に向いている(参考動画1、参考動画2) |
オーディオ表現ブラシ | 流れている音楽のビート・音量などを認識してランダムなストロークを描ける(参考動画) |
よりリアルなエアブラシ・鉛筆・カリグラフィペン | intuosシリーズの「筆の角度」を認識する能力を最大限に使用した機能で、鉛筆のストロークが「垂直に立てると細く、斜めにすると長く」なったり、「より斜めにすると遠くまで拡がるエアブラシ」「専用ペンで360度回転させると画面上でも同様のストロークが描けるカリグラフィペン」など、豊富なブラシストローク体験をすることが出来ます |
ブラシトラッキング | これは全ブラシで適用できる機能で、筆圧、筆の速度などを覚えさせることで、よりフィットした書き味にできるPainter独特の機能です。 |
ブラシコントロールパネル | すべての一般ブラシのコントロールパネルを一度に開いて、設定を変更ができます。(ウィンドウ→ブラシコントロールパネル) |
アドバンス設定 | 選択しているブラシのコントロールパネルを表示して、設定を変更できます。(プロパティバーにアイコンが表示されています) |
- その他の機能
- 「ミラーツール」ガイドラインを挟んで左右・上下対称にブラシストロークをコピーできる
- 「万華鏡ツール」万華鏡のように最大12分割でブラシストロークをコピーできる
- 「パース定規」建物やパースをつけた作品を書く際に便利な
- 「AIスタイル」画像を元に、人工知能が12種類のアートを作成。(スムーズアクリル、リノカット、後期印象派、金箔、パステルモザイクなど)。少しずつ元の画像に戻していくこともできて、フォトアートに使われたり、別の作風にできます。
- 「黄金比ガイド」黄金比や三分割を意識して作画できる
- 「プレビューパレット」伸縮可能なプレビューウィンドウ
- 「ミキサーパレット」色を混ぜる専用パレット
- 「Apple Sidecarへの対応」(iPadをMacのサブディスプレイとして使用できる)
- 「Apple Pencilの傾き検知」
- 「マルチタッチ機能」MacBook Proに搭載されているTouchbarおよびTrackpadのマルチタッチ機能に対応
こんなときは
よく使うショートカット
- 「画面上の移動」スペースキーを押しながら画面をドラッグします。
- 「画面の回転」スペースキーを押しながらAltキーして画面をドラッグします。
- 「ブラシサイズ変更」Ctrlキーを押しながらAltキーを押して画面をドラッグします。
- 「カスタムパレット」ブラシライブラリから任意のブラシをShiftキーを押しながら、ライブラリの外にドラッグ。
- 「スポイト」Altキーを押しながらクリック。
- 「上書き保存」Ctrlキーを押しながらSキーを押す。
- 「連番保存」Ctrlキーを押しながらAltキーを押しながらSキーを押す。
その他テクニック
- ワコム製品のペンの場合、基本ペンの反対側が消しゴムになります。
- ブラシトラッキングは定期的に行いましょう(筆圧や筆速度を覚える機能。線がなめらかになります)
- キャンバスは削除することができません。線画や下書き、着色は新規レイヤー上に行うことをオススメします。最近は新規作成時にレイヤーを自動作成します。(設定はオフにできる)
- 環境設定にて「スクリプトの自動保存」がONにできます。万が一Painterが落ちた場合の対策になるかもしれません
- ブラシが重い場合はブラシ設定の「マルチコアを使用」のチェックを外すと良いかもしれない(Painter12のみ)
- ブラシが重い場合は環境設定→インターフェイス→「ブラシゴーストの強化」から「アイコン」に切り替えるとよいかも
- こまめに保存しましょう(Ctrl+S)
その他Painterについては様々なサイト、動画が公開されているので是非参考にしてください。
廉価版(安いモデル)のPainter Essentials シリーズは、初期起動時の筆がブリスル系の筆で困惑する人もいるが、スクラッチボードも搭載されているため、正直マンガのようなイラストならPainter とさほど変わらない。マスク関連が弱いけど。
ラインナップ
Painterはだいたい2種類販売されてます。 (バージョン2023の場合)
昔、アカデミック版っていう学割版があったけど、今はライセンスでしか購入できないから学校とかで大量導入するならチェック!個人用のアカデミック版また出してくれよぉ。なんでもしますから(なんでもするとは言ってない)
廉価版
機能を限定した廉価版として現在は以下のバージョンが存在する。
廉価版:
・Painter Essentials8
・Painter Mobile / Painter Lite
【Painter Essentials 8】(Corelサイト)
Painterのブラシを楽しんでみたいけどちょっと高いかな、という人にオススメ。100種類以上の筆を搭載しており、(SAIやPhotoshopっぽい筆)の「ペン」、デジタル水彩、ティントの標準ブラシ、色伸ばし(指先ツールに相当)などを搭載。
「自動ペインティング機能」は写真やイラストを元にPainter自身が絵を描いていく機能。背景の作成やイラスト調を変える際にすごい便利だったりする。
【Painter Mobile】
無料版と有料版がある、Android版Painter。機能制限されているものの、Android端末でPainterが楽しめるのはとてもよい。有料版でないとたしかRifに保存ができないとかそういう制限があったはずです。(Corelサイト)
【Painter Lite】
Painter Essentialsとはまた違った廉価版で、英語版のみの提供。Appstoreからダウンロードが可能。(Win版、Mac版ともに公式サイトからは削除されています。Appstoreリンクはコチラ)
かつて「Painter Classic」や「Painter Sketch Pad」といった廉価版も存在したが、現在は入手不可能である。
関連ツール
【Corel Particleshop】
Painterのパーティクルブラシ(重力や引っ張る力を駆使したブラシ)をPhotoshopで可能にするプラグイン(Corelサイト / Appstore )
かつてあったツール
【Corel Cinco for Painter】
Painterの各機能のショートカットをiPadで指で設定できてしまう。無料なので、PainterとiPadを持っている人は遣ってみると面白いかもしれない。(Corelサイト / Appstore )
【Corel Paint it!Show (iPad) / Corel Paint it! Now (iPhone/iPad)】
Painterの「自動ペインティング」を、iOS上で可能にする無料ツール。(パターンは6種類程度)。写真を元に、絵画のような画像が出来上がるので、面白みが増したり、SNSへ投稿する際に「似顔絵で投稿」「顔がわからなくなる」「クイズ的に使う」などの用途にも使えるかも。英語版のみのようですが、英語解らなくても使えます。Showはスライドショー機能も搭載してます。(Show→AppStore / Now→AppStore )
関連動画
関連商品
関連項目
関連リンク
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