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2024-10-09

今までAUマンデイで月曜だけ1100円だったのがなんか期間限定水曜日も1100円になってるらしい

というわけで今日さっそく映画を観に行こう

2024-10-01

与次郎用事というのはこうである。――今夜の会自分たちの科の不振の事をしきりに慨嘆するから三四郎もいっしょに慨嘆しなくってはいけないんだそうだ。不振事実であるからほかの者も慨嘆するにきまっている。それから、おおぜいいっしょに挽回策を講ずることとなる。なにしろ適当日本人を一人大学に入れるのが急務だと言い出す。みんなが賛成する。当然だから賛成するのはむろんだ。次にだれがよかろうという相談に移る。その時広田先生の名を持ち出す。その時三四郎与次郎に口を添えて極力先生賞賛しろという話である。そうしないと、与次郎広田食客だということを知っている者が疑いを起こさないともかぎらない。自分は現に食客なんだから、どう思われてもかまわないが、万一煩い広田先生に及ぶようではすまんことになる。もっともほかに同志が三、四人はいから大丈夫だが、一人でも味方は多いほうが便利だから三四郎もなるべくしゃべるにしくはないとの意見である。さていよいよ衆議一決の暁は、総代を選んで学長の所へ行く、また総長の所へ行く。もっとも今夜中にそこまでは運ばないかもしれない。また運ぶ必要もない。そのへんは臨機応変である。……  与次郎はすこぶる能弁である。惜しいことにその能弁がつるつるしているので重みがない。あるところへゆくと冗談をまじめに講義しているかと疑われる。けれども本来性質のいい運動から三四郎もだいたいのうえにおいて賛成の意を表した。ただその方法が少しく細工に落ちておもしろくないと言った。その時与次郎は往来のまん中へ立ち留まった。二人はちょうど森川町神社鳥居の前にいる。 「細工に落ちるというが、ぼくのやる事は自然の手順が狂わないようにあらかじめ人力で装置するだけだ。自然にそむいた没分暁の事を企てるのとは質が違う。細工だってかまわん。細工が悪いのではない。悪い細工が悪いのだ」  三四郎はぐうの音も出なかった。なんだか文句があるようだけれども、口へ出てこない。与次郎の言いぐさのうちで、自分がまだ考えていなかった部分だけがはっきり頭へ映っている。三四郎はむしろそのほうに感服した。 「それもそうだ」とすこぶる曖昧な返事をして、また肩を並べて歩きだした。正門をはいると、急に目の前が広くなる。大きな建物が所々に黒く立っている。その屋根がはっきり尽きる所から明らかな空になる。星がおびただしく多い。 「美しい空だ」と三四郎が言った。与次郎も空を見ながら、一間ばかり歩いた。突然、 「おい、君」と三四郎を呼んだ。三四郎はまたさっきの話の続きかと思って「なんだ」と答えた。 「君、こういう空を見てどんな感じを起こす」  与次郎に似合わぬことを言った。無限とか永久かいう持ち合わせの答はいくらでもあるが、そんなことを言うと与次郎に笑われると思って三四郎は黙っていた。 「つまらんなあ我々は。あしたから、こんな運動をするのはもうやめにしようかしら。偉大なる暗闇を書いてもなんの役にも立ちそうにもない」 「なぜ急にそんな事を言いだしたのか」 「この空を見ると、そういう考えになる。――君、女にほれたことがあるか」  三四郎は即答ができなかった。 「女は恐ろしいものだよ」と与次郎が言った。 「恐ろしいものだ、ぼくも知っている」と三四郎も言った。すると与次郎が大きな声で笑いだした。静かな夜の中でたいへん高く聞こえる。 「知りもしないくせに。知りもしないくせに」  三四郎憮然としていた。 「あすもよい天気だ。運動会はしあわせだ。きれいな女がたくさん来る。ぜひ見にくるがいい」  暗い中を二人は学生集会所の前まで来た。中には電燈が輝いている。  木造廊下を回って、部屋へはいると、そうそう来た者は、もうかたまっている。そのかたまりが大きいのと小さいのと合わせて三つほどある。なかには無言で備え付けの雑誌新聞を見ながら、わざと列を離れているのもある。話は方々に聞こえる。話の数はかたまりの数より多いように思われる。しかしわあいにおちついて静かである煙草の煙のほうが猛烈に立ち上る。  そのうちだんだん寄って来る。黒い影が闇の中から吹きさらしの廊下の上へ、ぽつりと現われると、それが一人一人に明るくなって、部屋の中へはいって来る。時には五、六人続けて、明るくなることもある。が、やがて人数はほぼそろった。  与次郎は、さっきから煙草の煙の中を、しきりにあちこちと往来していた。行く所で何か小声に話している。三四郎は、そろそろ運動を始めたなと思ってながめていた。  しばらくすると幹事が大きな声で、みんなに席へ着けと言う。食卓はむろん前から用意ができていた。みんな、ごたごたに席へ着いた。順序もなにもない。食事は始まった。  三四郎熊本赤酒ばかり飲んでいた。赤酒というのは、所でできる下等な酒である熊本学生はみんな赤酒を飲む。それが当然と心得ている。たまたま飲食店へ上がれば牛肉である。その牛肉屋の牛が馬肉かもしれないという嫌疑がある。学生は皿に盛った肉を手づかみにして、座敷の壁へたたきつける。落ちれば牛肉で、ひっつけば馬肉だという。まるで呪みたような事をしていた。その三四郎にとって、こういう紳士的な学生親睦会は珍しい。喜んでナイフフォークを動かしていた。そのあいだにはビールをさかんに飲んだ。 「学生集会所の料理はまずいですね」と三四郎に隣にすわった男が話しかけた。この男は頭を坊主に刈って、金縁の眼鏡をかけたおとなしい学生であった。 「そうですな」と三四郎は生返事をした。相手与次郎なら、ぼくのようないなか者には非常にうまいと正直なところをいうはずであったが、その正直がかえって皮肉に聞こえると悪いと思ってやめにした。するとその男が、 「君はどこの高等学校ですか」と聞きだした。 「熊本です」 「熊本ですか。熊本にはぼくの従弟もいたが、ずいぶんひどい所だそうですね」 「野蛮な所です」  二人が話していると、向こうの方で、急に高い声がしだした。見ると与次郎が隣席の二、三人を相手に、しきりに何か弁じている。時々ダーターファブラと言う。なんの事だかわからない。しか与次郎相手は、この言葉を聞くたびに笑いだす。与次郎ますます得意になって、ダーターファブラ我々新時代青年は……とやっている。三四郎の筋向こうにすわっていた色の白い品のいい学生が、しばらくナイフの手を休めて、与次郎の連中をながめていたが、やがて笑いながら Il a le diable au corps(悪魔が乗り移っている)と冗談半分にフランス語を使った。向こうの連中にはまったく聞こえなかったとみえて、この時ビールのコップが四つばかり一度に高く上がった。得意そうに祝盃をあげている。 「あの人はたいへんにぎやかな人ですね」と三四郎の隣の金縁眼鏡をかけた学生が言った。 「ええ。よくしゃべります」 「ぼくはいつか、あの人に淀見軒でライスカレーをごちそうになった。まるで知らないのに、突然来て、君淀見軒へ行こうって、とうとう引っ張っていって……」  学生ハハハと笑った。三四郎は、淀見軒で与次郎からライスカレーをごちそうになったもの自分ばかりではないんだなと悟った。  やがてコーヒーが出る。一人が椅子を離れて立った。与次郎が激しく手をたたくと、ほかの者もたちまち調子を合わせた。  立った者は、新しい黒の制服を着て、鼻の下にもう髭をはやしている。背がすこぶる高い。立つには恰好のよい男である演説いたことを始めた。  我々が今夜ここへ寄って、懇親のために、一夕の歓をつくすのは、それ自身において愉快な事であるが、この懇親が単に社交上の意味ばかりでなく、それ以外に一種重要な影響を生じうると偶然ながら気がついたら自分は立ちたくなった。この会合ビールに始まってコーヒーに終っている。まったく普通会合であるしかしこのビールを飲んでコーヒーを飲んだ四十人近くの人間普通人間ではない。しかもそのビールを飲み始めてからコーヒーを飲み終るまでのあいだに、すでに自己運命の膨脹を自覚しえた。  政治自由を説いたのは昔の事である言論の自由を説いたのも過去の事である自由とは単にこれらの表面にあらわれやす事実のために専有されべき言葉ではない。我ら新時代青年は偉大なる心の自由を説かねばならぬ時運に際会したと信ずる。  我々は古き日本の圧迫に堪ええぬ青年である。同時に新しき西洋の圧迫にも堪ええぬ青年であるということを、世間に発表せねばいられぬ状況のもとに生きている。新しき西洋の圧迫は社会の上においても文芸の上においても、我ら新時代青年にとっては古き日本の圧迫と同じく、苦痛である。  我々は西洋文芸研究する者であるしか研究はどこまでも研究である。その文芸のもとに屈従するのとは根本的に相違がある。我々は西洋文芸にとらわれんがために、これを研究するのではない。とらわれたる心を解脱せしめんがために、これを研究しているのである。この方便に合せざる文芸はいかなる威圧のもとにしいらるるとも学ぶ事をあえてせざるの自信と決心とを有している。  我々はこの自信と決心とを有するの点において普通人間とは異なっている。文芸技術でもない、事務でもない。より多く人生根本義に触れた社会原動力である。我々はこの意味において文芸研究し、この意味において如上の自信と決心とを有し、この意味において今夕の会合一般以上の重大なる影響を想見するのである。  社会は激しく動きつつある。社会産物たる文芸もまた動きつつある。動く勢いに乗じて、我々の理想どおりに文芸を導くためには、零細なる個人を団結して、自己運命を充実し発展し膨脹しなくてはならぬ。今夕のビールコーヒーは、かかる隠れたる目的を、一歩前に進めた点において、普通ビールコーヒーよりも百倍以上の価ある尊きビールコーヒーである。  演説意味ざっとこんなものである演説が済んだ時、席にあった学生はことごとく喝采した。三四郎もっとも熱心なる喝采者の一人であった。すると与次郎が突然立った。 「ダーターファブラ、シェクスピヤの使った字数が何万字だの、イブセンの白髪の数が何千本だのと言ってたってしかたがない。もっともそんなばかげた講義を聞いたってとらわれる気づかいはないか大丈夫だが、大学に気の毒でいけない。どうしても新時代青年を満足させるような人間を引っ張って来なくっちゃ。西洋人じゃだめだ。第一幅がきかない。……」  満堂はまたことごとく喝采した。そうしてことごとく笑った。与次郎の隣にいた者が、 「ダーターファブラのために祝盃をあげよう」と言いだした。さっき演説をした学生がすぐに賛成した。あいにくビールがみな空である。よろしいと言って与次郎はすぐ台所の方へかけて行った。給仕が酒を持って出る。祝盃をあげるやいなや、 「もう一つ。今度は偉大なる暗闇のために」と言った者がある。与次郎の周囲にいた者は声を合して、アハハと笑った。与次郎は頭をかいている。  散会の時刻が来て、若い男がみな暗い夜の中に散った時に、三四郎与次郎に聞いた。 「ダーターファブラとはなんの事だ」 「ギリシア語だ」  与次郎はそれよりほかに答えなかった。三四郎もそれよりほかに聞かなかった。二人は美しい空をいただいて家に帰った。  あくる日は予想のごとく好天気である。今年は例年より気候がずっとゆるんでいる。ことさらきょうは暖かい三四郎は朝のうち湯に行った。閑人の少ない世の中だから、午前はすこぶるすいている。三四郎は板の間にかけてある三越呉服店看板を見た。きれいな女がかいてある。その女の顔がどこか美禰子に似ている。よく見ると目つきが違っている。歯並がわからない。美禰子の顔でもっと三四郎を驚かしたものは目つきと歯並である与次郎の説によると、あの女は反っ歯の気味だから、ああしじゅう歯が出るんだそうだが、三四郎にはけっしてそうは思えない。……  三四郎は湯につかってこんな事を考えていたので、からだのほうはあまりわずに出た。ゆうべから急に新時代青年という自覚が強くなったけれども、強いのは自覚だけで、からだのほうはもとのままである休みになるとほかの者よりずっと楽にしている。きょうは昼から大学陸上運動会を見に行く気である。  三四郎は元来あまり運動好きではない。国にいるとき兎狩りを二、三度したことがある。それから高等学校の端艇競漕の時に旗振りの役を勤めたことがある。その時青と赤と間違えて振ってたいへん苦情が出た。もっとも決勝の鉄砲を打つ係りの教授鉄砲を打ちそくなった。打つには打ったが音がしなかった。これが三四郎のあわてた原因である。それより以来三四郎運動会へ近づかなかった。しかしきょうは上京以来はじめての競技会だから、ぜひ行ってみるつもりである与次郎もぜひ行ってみろと勧めた。与次郎の言うところによると競技より女のほうが見にゆ価値があるのだそうだ。女のうちには野々宮さんの妹がいるだろう。野々宮さんの妹といっしょに美禰子もいるだろう。そこへ行って、こんちわとかなんとか挨拶をしてみたい。  昼過ぎになったから出かけた。会場の入口運動場の南のすみにある。大きな日の丸イギリス国旗が交差してある。日の丸は合点がいくが、イギリス国旗はなんのためだかからない。三四郎日英同盟のせいかとも考えた。けれども日英同盟大学陸上運動会とは、どういう関係があるか、とんと見当がつかなかった。  運動場は長方形の芝生である。秋が深いので芝の色がだいぶさめている。競技を見る所は西側にある。後に大きな築山をいっぱいに控えて、前は運動場の柵で仕切られた中へ、みんなを追い込むしかけになっている。狭いわりに見物人が多いのではなはだ窮屈である。さいわい日和がよいので寒くはない。しか外套を着ている者がだいぶある。その代り傘をさして来た女もある。  三四郎失望したのは婦人席が別になっていて、普通人間には近寄れないことであった。それからフロックコートや何か着た偉そうな男がたくさん集って、自分が存外幅のきかないようにみえたことであった。新時代青年をもってみずからおる三四郎は少し小さくなっていた。それでも人と人との間から婦人席の方を見渡すことは忘れなかった。横からからよく見えないが、ここはさすがにきれいである。ことごとく着飾っている。そのうえ遠距離から顔がみんな美しい。その代りだれが目立って美しいということもない。ただ総体総体として美しい。女が男を征服する色である。甲の女が乙の女に打ち勝つ色ではなかった。そこで三四郎はまた失望した。しかし注意したら、どこかにいるだろうと思って、よく見渡すと、はたして前列のいちばん柵に近い所に二人並んでいた。  三四郎は目のつけ所がようやくわかったので、まず一段落告げたような気で、安心していると、たちまち五、六人の男が目の前に飛んで出た。二百メートルの競走が済んだのである決勝点は美禰子とよし子がすわっている真正面で、しかも鼻の先だから、二人を見つめていた三四郎視線のうちにはぜひともこれらの壮漢がはいってくる。五、六人はやがて一二、三人にふえた。みんな呼吸をはずませているようにみえる。三四郎はこれらの学生の態度と自分の態度とを比べてみて、その相違に驚いた。どうして、ああ無分別にかける気になれたものだろうと思った。しか婦人連はことごとく熱心に見ている。そのうちでも美禰子とよし子はもっとも熱心らしい。三四郎自分無分別にかけてみたくなった。一番に到着した者が、紫の猿股をはい婦人席の方を向いて立っている。よく見ると昨夜の親睦会で演説をした学生に似ている。ああ背が高くては一番になるはずである。計測係りが黒板に二十五秒七四と書いた。書き終って、余りの白墨を向こうへなげて、こっちを向いたところを見ると野々宮さんであった。野々宮さんはいつになくまっ黒なフロックを着て、胸に係り員の徽章をつけて、だいぶ人品がいい。ハンケチを出して、洋服の袖を二、三度はたいたが、やがて黒板を離れて、芝生の上を横切って来た。ちょうど美禰子とよし子のすわっているまん前の所へ出た。低い柵の向こう側から首を婦人席の中へ延ばして、何か言っている。美禰子は立った。野々宮さんの所まで歩いてゆく。柵の向こうとこちらで話を始めたように見える。美禰子は急に振り返った。うれしそうな笑いにみちた顔である三四郎は遠くから一生懸命に二人を見守っていた。すると、よし子が立った。また柵のそばへ寄って行く。二人が三人になった。芝生の中では砲丸投げが始まった。

砲丸投げほど力のいるものはなかろう。力のいるわりにこれほどおもしろくないものもたんとない。ただ文字どおり砲丸を投げるのである。芸でもなんでもない。野々宮さんは柵の所で、ちょっとこの様子を見て笑っていた。けれども見物のじゃまになると悪いと思ったのであろう。柵を離れて芝生の中へ引き取った。二人の女も、もとの席へ復した。砲丸は時々投げられている。第一どのくらい遠くまでゆくんだか、ほとんど三四郎にはわからない。三四郎はばかばかしくなった。それでも我慢して立っていた。ようやくのことで片がついたとみえて、野々宮さんはまた黒板へ十一メートル三八と書いた。

 それからまた競走があって、長飛びがあって、その次には槌投げが始まった。三四郎はこの槌投げにいたって、とうとう辛抱がしきれなくなった。運動会めいめいかってに開くべきものである。人に見せべきものではない。あんものを熱心に見物する女はことごとく間違っているとまで思い込んで、会場を抜け出して、裏の築山の所まで来た。幕が張ってあって通れない。引き返して砂利の敷いてある所を少し来ると、会場から逃げた人がちらほら歩いている。盛装した婦人も見える。三四郎はまた右へ折れて、爪先上りを丘のてっぺんまで来た。道はてっぺんで尽きている。大きな石がある。三四郎はその上へ腰をかけて、高い崖の下にある池をながめた。下の運動会場でわあというおおぜいの声がする。

 三四郎はおよそ五分ばかり石へ腰をかけたままぼんやりしていた。やがてまた動く気になったので腰を上げて、立ちながら靴の踵を向け直すと、丘の上りぎわの、薄く色づいた紅葉の間に、さっきの女の影が見えた。並んで丘の裾を通る。

 三四郎は上から、二人を見おろしていた。二人は枝の隙から明らかな日向へ出て来た。黙っていると、前を通り抜けてしまう。三四郎は声をかけようかと考えた。距離があまり遠すぎる。急いで二、三歩芝の上を裾の方へ降りた。降り出すといいぐあいに女の一人がこっちを向いてくれた。三四郎はそれでとまった。じつはこちからまりごきげんをとりたくない。運動会が少し癪にさわっている。

あんな所に……」とよし子が言いだした。驚いて笑っている。この女はどんな陳腐ものを見ても珍しそうな目つきをするように思われる。その代り、いかな珍しいもの出会っても、やはり待ち受けていたような目つきで迎えるかと想像される。だからこの女に会うと重苦しいところが少しもなくって、しかもおちついた感じが起こる。三四郎は立ったまま、これはまったく、この大きな、常にぬれている、黒い眸のおかげだと考えた。

 美禰子も留まった。三四郎を見た。しかしその目はこの時にかぎって何物をも訴えていなかった。まるで高い木をながめるような目であった。三四郎は心のうちで、火の消えたランプを見る心持ちがした。もとの所に立ちすくんでいる。美禰子も動かない。

「なぜ競技を御覧にならないの」とよし子が下から聞いた。

「今まで見ていたんですが、つまらいからやめて来たのです」

 よし子は美禰子を顧みた。美禰子はやはり顔色を動かさない。三四郎は、

「それより、あなたたこそなぜ出て来たんです。たいへん熱心に見ていたじゃありませんか」と当てたような当てないようなことを大きな声で言った。美禰子はこの時はじめて、少し笑った。三四郎にはその笑いの意味がよくわからない。二歩ばかり女の方に近づいた。

「もう宅へ帰るんですか」

 女は二人とも答えなかった。三四郎はまた二歩ばかり女の方へ近づいた。

「どこかへ行くんですか」

「ええ、ちょっと」と美禰子が小さな声で言う。よく聞こえない。三四郎はとうとう女の前まで降りて来た。しかしどこへ行くとも追窮もしないで立っている。会場の方で喝采の声が聞こえる。

高飛びよ」とよし子が言う。「今度は何メートルになったでしょう」

 美禰子は軽く笑ったばかりである三四郎も黙っている。三四郎高飛びに口を出すのをいさぎよしとしないつもりである。すると美禰子が聞いた。

「この上には何かおもしろものがあって?」

 この上には石があって、崖があるばかりであるおもしろものがありようはずがない。

「なんにもないです」

「そう」と疑いを残したように言った。

「ちょいと上がってみましょうか」よし子が、快く言う。

あなた、まだここを御存じないの」と相手の女はおちついて出た。

「いいからいらっしゃいよ」

 よし子は先へ上る。二人はまたついて行った。よし子は足を芝生のはしまで出して、振り向きながら、

「絶壁ね」と大げさな言葉を使った。「サッフォーでも飛び込みそうな所じゃありませんか」

 美禰子と三四郎は声を出して笑った。そのくせ三四郎はサッフォーがどんな所から飛び込んだかよくわからなかった。

あなたも飛び込んでごらんなさい」と美禰子が言う。

「私? 飛び込みましょうか。でもあんまり水がきたないわね」と言いながら、こっちへ帰って来た。

 やがて女二人のあいだに用談が始まった。

あなた、いらしって」と美禰子が言う。

「ええ。あなたは」とよし子が言う。

「どうしましょう」

「どうでも。なんならわたしちょっと行ってくるから、ここに待っていらっしゃい」

「そうね」

 なかなか片づかない。三四郎が聞いてみると、よし子が病院看護婦のところへ、ついでだからちょっと礼に行ってくるんだと言う。美禰子はこの夏自分の親戚が入院していた時近づきになった看護婦を尋ねれば尋ねるのだが、これは必要でもなんでもないのだそうだ。

 よし子は、すなおに気の軽い女だからしまいに、すぐ帰って来ますと言い捨てて、早足に一人丘を降りて行った。止めるほどの必要もなし、いっしょに行くほどの事件でもないので、二人はしぜん後にのこるわけになった。二人の消極な態度からいえば、のこるというより、のこされたかたちにもなる。

 三四郎はまた石に腰をかけた。女は立っている。秋の日は鏡のように濁った池の上に落ちた。中に小さな島がある。島にはただ二本の木がはえている。青い松と薄い紅葉がぐあいよく枝をかわし合って、箱庭の趣がある。島を越して向こう側の突き当りがこんもりとどす黒く光っている。女は丘の上からその暗い木陰を指さした。

「あの木を知っていらしって」と言う。

「あれは椎」

 女は笑い出した。

「よく覚えていらっしゃること」

「あの時の看護婦ですか、あなたが今尋ねようと言ったのは」

「ええ」

「よし子さんの看護婦とは違うんですか」

「違います。これは椎――といった看護婦です」

 今度は三四郎が笑い出した。

「あすこですね。あなたがあの看護婦といっしょに団扇を持って立っていたのは」

 二人のいる所は高く池の中に突き出している。この丘とはまるで縁のない小山が一段低く、右側を走っている。大きな松と御殿一角と、運動会の幕の一部と、なだらかな芝生が見える。

「熱い日でしたね。病院あんまり暑いものから、とうとうこらえきれないで出てきたの。――あなたはまたなんであんな所にしゃがんでいらしったんです」

「熱いからです。あの日ははじめて野々宮さんに会って、それから、あすこへ来てぼんやりしていたのです。なんだか心細くなって」

「野々宮さんにお会いになってから、心細くおなりになったの」

「いいえ、そういうわけじゃない」と言いかけて、美禰子の顔を見たが、急に話頭を転じた。

「野々宮さんといえば、きょうはたいへん働いていますね」

「ええ、珍しくフロックコートをお着になって――ずいぶん御迷惑でしょう。朝から晩までですから

だってだいぶ得意のようじゃありませんか」

「だれが、野々宮さんが。――あなたもずいぶんね」

「なぜですか」

だってまさか運動会の計測係りになって得意になるようなかたでもないでしょう」

 三四郎はまた話頭を転じた。

「さっきあなたの所へ来て何か話していましたね」

「会場で?」

「ええ、運動会の柵の所で」と言ったが、三四郎はこの問を急に撤回したくなった。女は「ええ」と言ったまま男の顔をじっと見ている。少し下唇をそらして笑いかけている。三四郎はたまらなくなった。何か言ってまぎらそうとした時に、女は口を開いた。

あなたはまだこのあいだの絵はがきの返事をくださらないのね」

 三四郎はまごつきながら「あげます」と答えた。女はくれともなんとも言わない。

あなた原口さんという画工を御存じ?」と聞き直した。

「知りません」

「そう」

「どうかしましたか

「なに、その原口さんが、きょう見に来ていらしってね、みんなを写生しているから、私たちも用心しないと、ポンチにかかれるからって、野々宮さんがわざわざ注意してくだすったんです」

 美禰子はそばへ来て腰をかけた。三四郎自分いかにも愚物のような気がした。

「よし子さんはにいさんといっしょに帰らないんですか」

「いっしょに帰ろうったって帰れないわ。よし子さんは、きのうから私の家にいるんですもの

 三四郎はその時はじめて美禰子から野々宮のおっかさんが国へ帰ったということを聞いた。おっかさんが帰ると同時に、大久保を引き払って、野々宮さんは下宿をする、よし子は当分美禰子の家から学校へ通うことに、相談がきまったんだそうである

 三四郎はむしろ野々宮さんの気楽なのに驚いた。そうたやす下宿生活にもどるくらいなら、はじめから家を持たないほうがよかろう。第一鍋、釜、手桶などという世帯道具の始末はどうつけたろうと、よけいなことまで考えたが、口に出して言うほどのことでもないから、べつだんの批評は加えなかった。そのうえ、野々宮さんが一家の主人から、あともどりをして、ふたたび純書生と同様な生活状態に復するのは、とりもなおさず家族制から一歩遠のいたと同じことで、自分にとっては、目前の迷惑を少し長距離へ引き移したような好都合にもなる。その代りよし子が美禰子の家へ同居してしまった。この兄妹は絶えず往来していないと治まらないようにできあがっている。絶えず往来しているうちには野々宮さんと美禰子との関係も次第次第に移ってくる。すると野々宮さんがまたいつなんどき下宿生活永久にやめる時機がこないともかぎらない。

 三四郎は頭のなかに、こういう疑いある未来を、描きながら、美禰子と応対をしている。いっこうに気が乗らない。それを外部の態度だけでも普通のごとくつくろおうとすると苦痛になってくる。そこへうまいあいによし子が帰ってきてくれた。女同志のあいだには、もう一ぺん競技を見に行こうかという相談があったが、短くなりかけた秋の日がだいぶ回ったのと、回るにつれて、広い戸外の肌寒がようやく増してくるので、帰ることに話がきまる。

 三四郎も女連に別れて下宿へもどろうと思ったが、三人が話しながら、ずるずるべったりに歩き出したものから、きわだった挨拶をする機会がない。二人は自分を引っ張ってゆくようにみえる。自分もまた引っ張られてゆきたいような気がする。それで二人にくっついて池の端を図書館の横から、方角違いの赤門の方へ向いてきた。そのとき三四郎は、よし子に向かって、

「お兄いさんは下宿なすったそうですね」と聞いたら、よし子は、すぐ、

「ええ。とうとう。ひとを美禰子さんの所へ押しつけておいて。ひどいでしょう」と同意を求めるように言った。三四郎は何か返事をしようとした。そのまえに美禰子が口を開いた。

「宗八さんのようなかたは、我々の考えじゃわかりませんよ。ずっと高い所にいて、大きな事を考えていらっしゃるんだから」と大いに野々宮さんをほめだした。よし子は黙って聞いている。

 学問をする人がうるさい俗用を避けて、なるべく単純な生活にがまんするのは、みんな研究のためやむをえないんだからしかたがない。野々宮のような外国にまで聞こえるほどの仕事をする人が、普通学生同様な下宿はいっているのも必竟野々宮が偉いからのことで、下宿がきたなければきたないほど尊敬しなくってはならない。――美禰子の野々宮に対する賛辞のつづきは、ざっとこうである

 三四郎赤門の所で二人に別れた。追分の方へ足を向けながら考えだした。――なるほど美禰子の言ったとおりである自分と野々宮を比較してみるとだいぶ段が違う。自分田舎から出て大学はいったばかりである学問という学問もなければ、見識という見識もない。自分が、野々宮に対するほどな尊敬を美禰子から受けえないのは当然である。そういえばなんだか、あの女からかにされているようでもある。さっき、運動会はつまらいから、ここにいると、丘の上で答えた時に、美禰子はまじめな顔をして、この上には何かおもしろものがありますかと聞いた。あの時は気がつかなかったが、いま解釈してみると、故意自分を愚弄した言葉かもしれない。――三四郎は気がついて、きょうまで美禰子の自分に対する態度や言語を一々繰り返してみると、どれもこれもみんな悪い意味がつけられる。三四郎は往来のまん中でまっ赤になってうつむいた。ふと、顔を上げると向こうから与次郎とゆうべの会で演説をした学生が並んで来た。与次郎は首を縦に振ったぎり黙っている。学生帽子をとって礼をしながら、

「昨夜は。どうですか。とらわれちゃいけませんよ」と笑って行き過ぎた。

anond:20241001201601

2024-09-19

uqモバイル、端末紛失時のリカバリー出来ない、、??

uqモバイル契約端末を紛失したんだけど、これ再契約しようとしてもau idログイン出来ないので詰むくさい(au id電話番号に紐づいた端末で認証される為) 久々にデッドロックというのを感じた

サポート電話もかけられないし、手元のipadブラウザだとチャットも表示されないしで終わってる

どうすればいいんだ

2024-09-12

anond:20240912105918

なおwebでのログイン

楽天銀行ログイン制限が設定されています。Step1 ワンタイムキーを発行する Step2 メールで届いたワンタイムキー入力する」

V NEOBANK「スマホアプリ以外でのアクセスは許さんやで」

PayPay銀行ブラウザに保存されてるログイン情報だけでええんやで」

auじぶん銀行「同上やで」

また証券口座等での入金時

楽天銀行ログイン制限が設定されています。Step1 ワンタイムキーを発行する Step2 メールで届いたワンタイムキー入力する」

V NEOBANK「スマホアプリ承認画面をポチポチするんやで」

PayPay銀行「同上やで」

auじぶん銀行ブラウザに保存されてるログイン情報だけでええんやで」

2024-09-09

auひかりのHGW Wi-Fi機能値上げ

元々550円au電話利用者はそのぶん550円割引で無料

と言う立て付けだったのが、

660円に値上げ→au電話利用者は330円割引で月額330円

と言う事にサービス改悪された。330円って年間約4000円である

https://www.au.com/information/notice_internet/service/20240701-01/


当然だが、HGWにはWi-Fi機能がついていて、これを有効にしようがしまいがauの原価コストは変わらない。

からこそ従来は実質無料にして客寄せにしてたのだが楼が、それをさらに値上げで有料化に踏み切った。

ワイは使ってなかったのでさっくり解約したが、明らかに解約手続きを面倒くさがった人から広く薄く金をあつめるための施策だ。

通信業界も人口減少の影響を受け、だんだんと苦しくなっている事を感じる。

2024-08-26

日本iPhone保有比率が高いのは嘘か、日本IT技術が劣っているか

eKYC(免許証とかを平置きで撮影したり、斜めに保持して撮影したりするやつ)で、ガイド枠に合わせて撮影すると絶対にピントが合わない

他にも、日本で一番使われてるLINEアプリでさえ、近づいて撮影するとピンボケちゃうし、QRコードを読み込んで云々のアプリとかもだいたいダメ

原因はiPhone14pro,14proMax,15pro,15proMaxだと、通常のレンズを使ったときの最短撮影距離が従来機種に比べて遠くなったのが原因なんだけど、

もう発売から2年近くするのに、どこの会社もこれに合わせてアプリ修正できてない。日本iPhoneを使っている人が実は少ないか対応する気がないのか、

アプリ開発の現場に、iPhoneのproシリーズテスト機として回されないほど予算がないんだとおもう。あるいは、アプリ開発者の技術力不足

しかも、最悪なのはiPhone14pro発売時のiosカメラバグがあったせいで、ピンボケの原因がiosバグだってことに決めつけちゃって、

このバグ修正された後も、アプリ開発者たちはアプリが原因だということに気づいていない模様なこと

LINE楽天ディズニーメルカリみたいな、日本でも利用者数の多いアプリ対応できてないって、もう終わりだ猫の国のIT

参考:https://discussionsjapan.apple.com/thread/255250381?sortBy=rank

この不具合の原因はとっくに判明していて、amazonはとっくに対応してるし、口座ないか検証してないけどauじぶん銀行対応してるらしい

あと、はてな民の大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大っ嫌いなLuupが、昨年末対処法まで公開してる

https://zenn.dev/luup_developers/articles/ios-tsuboyan-20231213

ちなみに、このピンボケ対処法についての対応できてないアプリFAQやら、ユーザー対処法をみると

さすが日本IT、「運用でカバー」すればどんな不具合突破できる(笑)

こんな「運用でカバー」で本人認証突破できちゃうって、ガバガバにも程があるだろ

日本大手IT企業がzenn.devの公開情報以下の技術しかないってもうね

2024-08-19

日本インターネットって近いうちにもっとマシになる?

移動中にcolaboratoryその他のクラウドサービスを利用していると同期に失敗してファイルがぶっ壊れまくるんだけど、ジャパニーズビジネスマン諸氏はみんなローカル編集してるのか?

ドコモauソフトバンク楽天全部使ってるけど全部ダメ

のぞみビジネス車両専用のLANダメ

なんだここは砂漠のど真ん中かよ、衛星通信でも使えってのか。

2024-08-07

anond:20240312221813

こんにちは(初めまして)。九州福岡からです。

たまたまですが、この書き込みを読みまして。

色々、大変な思いをされたみたいで、気持ち、お察しします。

白ロム端末の購入方法についてですが、私の経験を踏まえても

docomoからが一番ややこしい、わかりずらいと思います

→「auからが一番やりやすいかと。

 「SoftBankからでも「docomoからよりは、分かり易かったです。

端末を購入して、買い換えの度に、ヤフオクから落札者にお譲りしていたのですが、

中々面倒だなぁ、と思うようになっていた所に、残価設定キャリア返却での使用ができる事を知り、

2年前(10月)に「auからスマホトクするプログラム」で、「Galaxy Z Fold4」を取り寄せました。

→「UQ」のSIM利用でのものでした。

その後、使用開始13ヶ月目以降につき、もう1台(追加)申込できる事が分かり、

昨年(12月)に「Galaxy Z Flip5」を取り寄せました。

SIMは、「IIJmio」のau回線分でです。

手続きは、いずれもスムーズにできました。問題無し、といった感じでした。

今年に入ってから家内と一人息子分として、「SoftBank」の「新トクするサポート」利用での

Xiaomi 13T Pro」2台の取り寄せをしました。

→一人1台しか契約できないので、私(一人息子分)と家内での契約となりました。

 白ロム購入での手続きは、それ専用での手続きでしたので、問題なくできました。

 また、アカウント作成する必要はありませんでした。

 白ロム購入では、アカウント利用はありません。

そして、ついこの間、「docomo」の「いつでもカエドプログラム」利用での

Galaxy Z Fold6」の取り寄せ、となりました。

→いや~、ややこしかったですね。分かりずらい、本当に。

アカウントを別途作らなければ手続きはやはりできませんでした。

→結果、電話番号がもう一つ必要になりました。

 「povo」の今現在は使っていないSIMがあったので、その番号を利用しました。

先日端末が届き、「Galaxy Z Flip5」からの移行を行いました。

→「Galaxy Z Fold6」の画面を開かず、閉じたままやってしまったので、

開いた時の設定がほぼできていず、結構時間を要してしまいました。

 

さて、「docomo」のアカウントですが、最終的には、元々持っていたもので、

端末内セットができました。

契約だけのアカウントは無しで大丈夫になりました。

◎長々と書きましたが、「docomo」は、以前のガラケー時代のものを未だに引きずっているのだろうな、と。

それでは失礼します☆

2024-07-25

anond:20240725103253

まず大きな区分としてフレッツ光/au光というのがある 対応してればだが

2024-07-19

昨今、LINE等のSNS上で当社を騙った偽キャンペーン情報観測されております

キャンペーンでは、ローソンロゴ画像不正利用されており、

プラスメッセージau公式アカウントに表示されてて、びっくりした

ロゴが本物だから孔明(の罠)なんだよね

2024-07-17

14歳の時にパンツ売ってた

2024/7/19追記:スマホと書いたが実際はボーダフォンプリペイドケータイ一台(親に没収された)と、男名義のauケータイ一台もらったよ(ちなみに当時既にあったオンラインクレーンゲームに6000円課金して男ブチギレで一カ月で解約されたが)

もし優しい人がいたら一番下に書いた質問に回答してほしい。

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小学生の頃から「女の体って価値があるんだ。しか若いほうが価値が高い」と気づいていた。

ただ、愚かな私は、人間扱いされた上でプラスで女体としての価値が乗っかってくるんだと勘違いしていた。(数十年後にそうじゃないと気づいた。ババになって俯瞰しないと気付けないもんだね。若い頃はずっと上記勘違いをしていて、気づけなかった。これが若いフェミが少ない理由だと思う)


6歳の頃か、父親に連れられて入ったPCショップで、横目に見えるギャルゲーパッケージには小学生高校生くらいの美少女キャラ印刷されている。パンツ見えそう。



小学生。当時、ハンゲームというオンラインゲームにハマっていたが、見ず知らずのアカウントから課金アバターあげるからエロい話しよう」とよくメッセージが来たものだった。




中学生部活帰りに本屋立ち読みしていたら、後ろからヒョロヒョロの男性が足を触ってきた。

その後、さびれた商店街でも「僕のオナニー見てくれない?」と声をかけられる。

街に出るとおっさんが「電話番号交換しよう」と声をかけてくる。


やっぱり若い女には価値があるんだ。と わたしはどんどん図に乗っていった。






ネットで知り合った男性パンツを売り、ちょっとエロいこともすればスマホも買ってもらえた。

お金が手に入った。今まで我慢してたものが買える!自由に買える!

セックスはしなかった。私は、2chから処女価値が高いと学習していた。

買い与えていない物が家に増え、怪しんだ親に見つかった。スマホを捨てられた。

なんで自分で稼いでるのに勝手に捨てるの?

もちろん、やらなくて済むならやりたくないけどさ…お金が欲しいからやってるわけで、わたし我慢すれば良いだけの話なのに。なんで親が口出ししてくるんだろう。

当時はマジでこういう思考回路だった。




その後、パンツ買った男の1人を好きになって、メンヘラ化して捨てられて

「15歳のまんこパワーがあっても捨てられるの…?」と絶望したもんだな〜

しかそいつ性病うつされて、「ほんとに俺からうつったの?」とか言われてさ、その性病一生治らないし。田舎から病院もないし、母に頼んで産婦人科に連れていってもらったんだよね。

産婦人科で15歳、珍しいのか冷たい対応をされたよjな気がする。

一生治らないって聞いた後は泣いたな〜。しか運転してくれる母が心配そうに「なんだったの?」って聞いてきて

性病だったよ!一生治らないって言われたよ!!…」って怒鳴って。八つ当たりしてしまった。

バカだったな〜

お母さんも泣いてたな。

父親もあとで、泣きながら「相手は誰なんだ?責任をとらせる」って話してきたんだけど

「こういう時だけ父親ぶるんだ」としか思えなかったな・・・



今思えば、もともとメンヘラだったんだな〜

殺したいか死にたいのどっちかしか頭になかったもんな〜

パンツ売る時は、襲われたらやり返せるようにナイフなんか持ち歩いてたけどさ、本気の男に敵うわけないって今ならわかるなあ


そのあとは「若さバフが消える前にスキルつけないとヤバイ!」って勉強仕事も少しだけ頑張ったんだよね

そしたら出会う人が変わって、教養とか文化ってものを知るようになって

今はわりと普通に暮らしてる

当時に戻れるなら、女売り業してた時間を勉学にフルベットしたい!当時パンツ売って数千円で高いと思ってたけど、今は1時間で稼げるようになったよ。

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追記2024/7/19

例えば「女は若いほうがいいに決まってる」と言うと

「そんなことない!女も歳と共に魅力が増す!」って反論するババババいるよな。

これは"若い女に価値がある"説が正しいと、ババア不都合があるから反論してると考えられる。

コメント欄にはこの記事の内容を信じたい人、信じたくない人がいると思うんだけど、それはどういう心の動きによるものなのか解説しろくださいいただけませんか。

そういうのを知るのが生き甲斐なんで、ご解説お待ちしております

2024-07-11

https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/1607101.html

そもそも買収後はAU減ってたじゃん。そこからほとんど伸びてないに観測が変わったなら好転してるってことだよね?

2024-07-02

auカブコム証券で今何が起きているか

を、まとめた記事ないの?

2024-06-27

anond:20240627172056

多分東京工事するとなるとクソ高くつくからと思う

ドコモあたりも東京の繋がりやすさは捨ててる感じ

AU東京環境良くてそれで客集めてる感じ

それならそれで地方の客取ることに専念して地方は自信持っておすすめ!とかにときゃいいのにな

地方の連中すら楽天は繋がらんというイメージ持ってるもん、もったいねえよ

金配って契約数増やすなら地方限定にしときゃいいのに金の使い方下手やなと思う

anond:20240627171758

ほんと楽天地方戦略謎だよな

俺の職場au楽天だけ入るわ。楽天auローミングじゃなくて直接の奴が入る

謎。そんなことやってるから赤字なんだろうな。

2024-06-22

もしものときのために2回線キャリアで持つべきだよなと思っていて、auサブスマホをpovoで用意しようと決意してはや1年が経った

欲しいスマホが無いというか、なんか買う踏ん切りがつかないんだよね〜

2024-06-18

もうイメージキャラポンタ統一してほしい

Ponta関係する企業はもう全部ポンタにすりゃいいのに

auの三太郎とかの2010年代みたいなノリはもういいのでポンタにしたらいい

ケンタッキーカーネルオッサンは頓堀に出向にしてポンタにしたらいい

ローソンザキヤマデイリーヤマザキ転籍ポンタにしたらいい

JALポンタジェットをとばしたらいい

NISA始まって半年で思う事

NISAは、良い環境で良いタイミングで良い制度が始まってよかったなあと思います

(これを書いている人は、かなり昔からインデックス投資をしていた人です。)

よかった事

制度の開始時期が良かった

2024年1月からNISAが開始されましたが、この半年間の株式の上昇はあまりにも順調です。

1月から世界やS&P500を積み立て始めた方は+10%程度のリターンとなっています

マイナスから始まると投資をやめてしまう方も出ると思いますが、まずはプラスから始まったことは投資継続するためにはとても良かったと思います

 

良い投資信託があった

オルカン(もしくはS&P500)で良いよって雰囲気があったことはとても良かったです。

他の商品も良いって意見もあると思いますが、投資初心者の方が投資を始めるのに、ひとまずこれを買っておけばOKという商品があったことはとても良かった。

 

良いネット証券複数あった

楽天証券SBI証券(もしくはマネックスauコム)などの便利で使い勝手がよく、ポイントももらえる証券会社複数あったのはとても良かった。

コスト商品営業されそうな対面証券銀行窓口が不人気な事は、投資初心者にとってはとても良いと思います

 

投資を始めた方が本当に多かった

身の回りでもこれをきっかけに始めた方がとても多かったです。彼らを見ていると大金を一気に投資せず、こつこつ積み立て投資をされている方が多く、長期投資してくれそうでよかった。

 

今後に期待したい事

iDeCo

平均的な給与がある方が月2万円程度積み立てておくと、NISAより節税効果もあってお得なので、老後の生活費の準備としてもっと多くの人が利用したらいいなあと思います

制度がもう少しわかりやすくなって欲しいのと、特別法人税を一時凍結ではなく完全撤廃など制度改善がもう少し必要だなあと思います

 

ちょっとした株価下落

10-15%程度の下落が起こって、投資に対して少々不安になる経験があってもいいんじゃないかなと思っています

今後必ず大きな下落は経験すると思いますし、株価リターンが順調でみなさんプラスリターンの時に、ちょっとした下落を経験しておいて株価上下に慣れるのが良いと思います

株価指数が30-50%も下落するような〇〇ショックが起こる前に、軽い下落を経験しておくのが良いと思ってます

 

故 山崎元氏に代わる存在の台頭

TVYouTubeなどを見ていると、オルカン買う人は出世しないとか、オルカンを超えるリターンを狙うべきみたいな論調映像をしばしば見かけます

このような煽りに対して、バッサリと切り捨ててくれるような論調大御所が現れてくれるといいなあと思います

投資が専業でない大半の方にとっては、無駄投資リスクを取る事は不要で、コツコツと節約して投資を続ける事が重要だと思います

 

ただ、オルカン投資を煽るようなコンテンツテレビにも出てきていることは、オルカンでコツコツ投資することが広く普及した事の結果とすればうれしいです。

 

みんなの意見はどうなんだろう

最近は新NISA話題も落ち着いてきましたが、みんなの意見ってどうなんでしょう。ちょっと気になります

2024-06-13

anond:20240613221319

動画以外になんかあったっけ?

アニメ配信? 競合はいっぱいあるよ? ABEMA、dアニメバンダイチャンネルU-NEXTDMMau、FOD、そしてアマプラ、ネトフリ、Huluといった海外勢も強い

大百科? pixivのやつでいいよね? 最近はそっちのほうが詳しいこと多いし

配信プラットフォーム? それこそYouTubeTwitchSHOWROOMツイキャス、ミラティブ、ミルダムイチナナ、kukuluと無数にあるよね

2024-05-19

anond:20240519153005

無理ですね

なんで人に求めるときだけ異様にハードル上げるんですか?両家から数百万の出資して結婚式って大正時代かよw無理無理w

僕はもともと20代結婚すればいいとしか言ってないし、20代結婚すれば「家庭収入」は子供2人に8000万くらいはできるっしょ、という話こそしたもの

1馬力で数年で8000万貯蓄できるとかみたいな荒唐無稽な話は最初からしてないんですけどw

それとも20代結婚するってのはそれができない女からすると1馬力で娘2人に結婚式のために500万ずつ出してやれる資産を築かなきゃいけないくらハードル高いんですか?w

ぶっちゃけあなた4000万も現実的にかんがえてませんよね?

https://www.fp.au-financial.com/media/kakei/article-062.html

幼稚園から大学まで私立を選ぶ場合子ども一人にかかるお金は約3,920万円

一番高いパターンであって中央値では3000万くらいに落ち着くでしょ、だって現時点でこのau仮定より安く済んでますから現実として

まぁ4000万でも僕は払えますけど、あとはインフレにあわせて余剰資産をどう防衛していくかって感じですね

この一番高いところのチェリーピッキングだけでも大概なのに結婚式費用1000万みたいな意味分からん仮定を乗せはじめたら逆に4000万じゃ済まないんですよね

そんな無尽蔵と思われてガバガバ使われたら5000万でも6000万でもかかるでしょw

6000万ってなるとさすがにうちの家計では厳しいからどっか考え直して1000万くらい予算規模縮小してくれってなるでしょうね

そうならないようにファイナンス的な会話とか教育とか話し合いとかするでしょうけど

それはあなた基準では虐待なんですかね?w

ムカついたか相手へのハードルをどんどん激高にしてレスバしてやろうってなるのはいいんですけど、現実を着実に歩んでる人にふっかけて自分がそれ満たせてなかったら悲しくないですか?

僕はムカついても自分が越えられないハードル相手に課したりはしませんね

2024-05-01

今はauとかでも2万円代のスマホ売ってんだな

良心的でびっくり

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