ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は5月1日、最低賃金を12%引き上げると発表した。即日の施行。最低賃金の改定は2018年以来、4年ぶりだ。 最低賃金表は職種ごとに45のカテゴリーに分かれ、さらに地域ごとに細分化して別々に規定しているが、今回の改定では一律12%引き上げた。例えば、ナイロビ市の「家政婦・掃除人」の月額最低賃金は、1万5,202ケニア・シリング(約1万6,722円、1ケニア・シリング=約1.1円)となる(添付資料表1参照)。 同国では、2019年~2021年の最低賃金は据え置かれたまま、平均物価上昇率が5.5%に達し、庶民の実質購買力が低下していた。このタイミングで発表したのは、8月に予定されている大統領選挙を見越し、自身の影響力を誇示しておきたいという見方もある。同大統領は2期目の大統領選挙に臨んだ2017年の際も、最低賃金を18%も大幅に引き上げている(添付資料表2参照)。