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'''World 1-1'''(ワールド1-1)は[[任天堂]]が1985年に発売した[[ファミリーコンピュータ|ファミコン]]ソフト『[[スーパーマリオブラザーズ]]』における最初の[[ステージ_(コンピュータゲーム)|ステージ]]である。このステージは[[宮本茂]]によって、新しいプレーヤーをプラットフォームとゲームに適応させるための[[チュートリアル]]としてデザインされている。World 1-1は非常に象徴的なビデオゲームのステージの1つであり、広く模倣されパロディ化されている。 |
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[[File:World 1-1 obstacle schematic.PNG|thumb|right|World 1-1の最初のエリアの概略図。[[クリボー]](赤)がマリオに向かって来るので飛び越えなければならない。金色のブロックを下から叩くとキノコ(薄緑色)が出現して最初は右に転がり、ブロックから落ちて土管(緑色)に当たって跳ね返る。その後キノコは向きを変えてマリオに向かって転がり、マリオはこの地点でキノコを容易に取ることになる。<ref name=Eurogamer />]] |
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ステージ開始時に、[[プレイヤーキャラクター|マリオを操作]]するプレイヤーは、ゆっくりと接近する[[クリボー]]に遭遇する。{{ill|1UP.com|en|1UP.com}}によると、この最初の敵はジャンプすることで簡単に回避できるが、不慣れなうちは避けきれずにミスになってしまう可能性がある。ゲームの進行がほとんど失われないので、プレイヤーは失敗から学び、再試行することができる<ref name=1UP />。このクリボーの先にはブロックが配置されており、そのうちのいくつかは金色になっている。金色のブロックの1つを下から叩くとコインが飛び出す。宮本によると、コインが出てくるのを見ると「プレイヤーを幸せにする」ので同じ操作を繰り返したくなるという。それによって2番目の金色のブロックを叩くと[[パワーアップ]]アイテムの[[スーパーキノコ|キノコ]]が出てくる。プレイヤーはクリボーとの遭遇でキノコの形をした存在は避けるべき存在であることを学習し、おそらくプレイヤーはパワーアップしたキノコを避けようとするが、頭上に並んでいるブロックにぶつかって回避に失敗する。キノコに触れるとマリオのサイズと強さが増し、もう1つの前向きな補強になる<ref name=Eurogamer /><ref>{{cite magazine|url=http://www.popularmechanics.com/culture/gaming/a17251/super-marios-bros-world-1-1-explained/|magazine=[[Popular Mechanics]]|title=Why the Famous First Level of Super Mario Bros. Looks the Way It Does|last=Bishop|first=Rollin|date=September 8, 2015| access-date=2021-12-21}}</ref>。 |
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このエリアの後には、飛び越えなければならない一連の4つの垂直な障害物([[スーパーマリオブラザーズ#仕掛け|土管]])がある。土管の高さはそれぞれ異なっており、ジャンプボタンを長く押し続けるほどジャンプが高くなることをプレイヤーに微妙に教える<ref name=1UP />。さまざまなサイズの落とし穴に遭遇すると、プレイヤーは大きくジャンプして落とし穴を越えるためにボタンを使用して走る方法を見つけることがある。さらに宮本は一部の落とし穴に床を設置することで、マリオを死なせてプレイヤーにステージ全体を再プレイさせる代わりに、簡単に飛び出すことができるようにした<ref name=Eurogamer />。 |
このエリアの後には、飛び越えなければならない一連の4つの垂直な障害物([[スーパーマリオブラザーズ#仕掛け|土管]])がある。土管の高さはそれぞれ異なっており、ジャンプボタンを長く押し続けるほどジャンプが高くなることをプレイヤーに微妙に教える<ref name=1UP />。さまざまなサイズの落とし穴に遭遇すると、プレイヤーは大きくジャンプして落とし穴を越えるためにボタンを使用して走る方法を見つけることがある。さらに宮本は一部の落とし穴に床を設置することで、マリオを死なせてプレイヤーにステージ全体を再プレイさせる代わりに、簡単に飛び出すことができるようにした<ref name=Eurogamer />。 |
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World 1-1には、[[ステージ_(コンピュータゲーム)#ボーナスステージ|ボーナスステージ]]につながるワープ土管や、 |
World 1-1には、[[ステージ_(コンピュータゲーム)#ボーナスステージ|ボーナスステージ]]につながるワープ土管や、1UPキノコを含む隠しブロックなど、プレイヤーが再挑戦することで発見できるいくつかの秘密が含まれている。ワープ土管はプレイヤーがステージの大部分をスキップすることを可能とするため、経験豊富なプレイヤーは、ゲームを繰り返しリプレイする際により速く進むことができる<ref name=1UP />。 |
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== 反応 == |
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World 1-1は、『[[スーパーマリオ 3Dワールド]]』の最初のステージなどの後のスーパーマリオのゲームに大きな影響を与えた<ref>{{cite news|url=http://www.avclub.com/article/how-spirit-original-world-1-1-carries-todays-mario-225218|newspaper={{ill|The A.V. Club|en|The A.V. Club}}|title=How the spirit of the original World 1-1 carries on in today's Mario games|last=Gerardi|first=Matt|date=July 11, 2015| access-date=2021-12-21}}</ref>。World 1-1のバリエーションは、『[[スーパーマリオメーカー]]』シリーズのファンによって頻繁に再現されている。例として数十本の[[ファイアバー]]が追加される非常に難しいバージョン、垂直に登るバージョン、自動的に再生されるバージョンなどがある<ref>{{cite web|url=https://www.polygon.com/2019/7/16/20696152/super-mario-maker-2-world-1-1-nintendo-switch|work=[[Polygon (website)|Polygon]]|title=Mario Maker 2 level turns World 1-1 into a fiery nightmare hellscape|last=Diaz|first=Ana|date=2019-07-16| access-date=2021-12-21}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.polygon.com/nintendo-switch/2019/8/21/20826916/super-mario-maker-2-weird-levels-1-1-on-side-nintendo-switch|work=[[Polygon (website)|Polygon]]|title=Super Mario Maker 2 level turns World 1-1 on its side|last=Good|first=Owen S.|date=2019-08-21| access-date=2021-12-21}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.complex.com/pop-culture/super-mario-maker-2-best-levels/automatic-1-1|work=[[コンプレックス (雑誌)|Complex]]|title=The Best 'Super Mario Maker 2' Levels for Nintendo Switch|author=Khal|date=2019-08-13| access-date=2021-12-21}}</ref>。 |
World 1-1は、『[[スーパーマリオ 3Dワールド]]』の最初のステージなどの後のスーパーマリオのゲームに大きな影響を与えた<ref>{{cite news|url=http://www.avclub.com/article/how-spirit-original-world-1-1-carries-todays-mario-225218|newspaper={{ill|The A.V. Club|en|The A.V. Club}}|title=How the spirit of the original World 1-1 carries on in today's Mario games|last=Gerardi|first=Matt|date=July 11, 2015| access-date=2021-12-21}}</ref>。World 1-1のバリエーションは、『[[スーパーマリオメーカー]]』シリーズのファンによって頻繁に再現されている。例として数十本の[[ファイアバー]]が追加される非常に難しいバージョン、垂直に登るバージョン、自動的に再生されるバージョンなどがある<ref>{{cite web|url=https://www.polygon.com/2019/7/16/20696152/super-mario-maker-2-world-1-1-nintendo-switch|work=[[Polygon (website)|Polygon]]|title=Mario Maker 2 level turns World 1-1 into a fiery nightmare hellscape|last=Diaz|first=Ana|date=2019-07-16| access-date=2021-12-21}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.polygon.com/nintendo-switch/2019/8/21/20826916/super-mario-maker-2-weird-levels-1-1-on-side-nintendo-switch|work=[[Polygon (website)|Polygon]]|title=Super Mario Maker 2 level turns World 1-1 on its side|last=Good|first=Owen S.|date=2019-08-21| access-date=2021-12-21}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.complex.com/pop-culture/super-mario-maker-2-best-levels/automatic-1-1|work=[[コンプレックス (雑誌)|Complex]]|title=The Best 'Super Mario Maker 2' Levels for Nintendo Switch|author=Khal|date=2019-08-13| access-date=2021-12-21}}</ref>。 |
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*[[ステージ (コンピュータゲーム)]] |
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2024年4月5日 (金) 01:10時点における最新版
World 1-1 | |
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作者 | 宮本茂 |
ジャンル | プラットフォーム |
主な キャラクター | マリオ、ノコノコ、クリボー |
初登場 | スーパーマリオブラザーズ(1985年) |
World 1-1(ワールド1-1)は任天堂が1985年に発売したファミコンソフト『スーパーマリオブラザーズ』における最初のステージである。このステージは宮本茂によって、新しいプレーヤーをプラットフォームとゲームに適応させるためのチュートリアルとしてデザインされている。World 1-1は非常に象徴的なビデオゲームのステージの1つであり、広く模倣されパロディ化されている。
設計
[編集]設計思想
[編集]第三世代のビデオゲームでは、ゲームの仕組みに関するチュートリアルはまれであり、代わりにプレイヤーはそのステージのデザインによって新しいビデオゲームに適応していた。『メトロイド』、『ゼルダの伝説』、『スーパーマリオブラザーズ』などのファミコンゲームの最初のステージは、プレイヤーがゲームの仕組みを学びながら進められるように設計されている。スーパーマリオブラザーズは、マリオの主人公としての初の横スクロールゲームであり、宮本茂がデザインした最初のゲームのひとつでもある。スーパーマリオブラザーズの第1ステージでは、プレイヤーに無差別に障害物を突きつけるのではなく、ステージを進めながらプレイヤーに接するように導くことで、さまざまな危険やオブジェクトを紹介している[1]。
宮本は、プレイヤーが「自分のしていることを徐々に自然に理解する」ために必要なすべてのものを含み、より自由にプレイできるようにして、「自分のゲーム」になるようにWorld 1-1をデザインしたと説明している[2][3]。
作製
[編集]ステージ開始時に、マリオを操作するプレイヤーは、ゆっくりと接近するクリボーに遭遇する。1UP.comによると、この最初の敵はジャンプすることで簡単に回避できるが、不慣れなうちは避けきれずにミスになってしまう可能性がある。ゲームの進行がほとんど失われないので、プレイヤーは失敗から学び、再試行することができる[1]。このクリボーの先にはブロックが配置されており、そのうちのいくつかは金色になっている。金色のブロックの1つを下から叩くとコインが飛び出す。宮本によると、コインが出てくるのを見ると「プレイヤーを幸せにする」ので同じ操作を繰り返したくなるという。それによって2番目の金色のブロックを叩くとパワーアップアイテムのキノコが出てくる。プレイヤーはクリボーとの遭遇でキノコの形をした存在は避けるべき存在であることを学習し、おそらくプレイヤーはパワーアップしたキノコを避けようとするが、頭上に並んでいるブロックにぶつかって回避に失敗する。キノコに触れるとマリオのサイズと強さが増し、もう1つの前向きな補強になる[2][4]。
このエリアの後には、飛び越えなければならない一連の4つの垂直な障害物(土管)がある。土管の高さはそれぞれ異なっており、ジャンプボタンを長く押し続けるほどジャンプが高くなることをプレイヤーに微妙に教える[1]。さまざまなサイズの落とし穴に遭遇すると、プレイヤーは大きくジャンプして落とし穴を越えるためにボタンを使用して走る方法を見つけることがある。さらに宮本は一部の落とし穴に床を設置することで、マリオを死なせてプレイヤーにステージ全体を再プレイさせる代わりに、簡単に飛び出すことができるようにした[2]。
World 1-1には、ボーナスステージにつながるワープ土管や、1UPキノコを含む隠しブロックなど、プレイヤーが再挑戦することで発見できるいくつかの秘密が含まれている。ワープ土管はプレイヤーがステージの大部分をスキップすることを可能とするため、経験豊富なプレイヤーは、ゲームを繰り返しリプレイする際により速く進むことができる[1]。
反応
[編集]World 1-1は、非常に象徴的なビデオゲームのステージの1つとして引用されており、GamasutraのChrisKerrはそれを「伝説的」と述べている[2][3][5]。Game RantのBoston Blakeは、World 1-1は「世界中のゲーマーの心の中でゲームへの愛に火をつけた」としてビデオゲームの中で最高のオープニングステージの1つであると評価した[6]。そして、Paste MagazineのJon Irwinは「プレイヤーに遊び方を教えるマスタークラス」の様なステージだと述べた[7]。
1UP.comのジェレミー・パリッシュは「ゲームの成功の多くは、プレーヤーがゲームを最初からマスターするための手段を与えていたという事実から生じたものだ。」と述べている。ゲームの後半で導入されるほとんどすべてのメカニズムは、World 1-1のメカニズムのバリエーションであり、のちのシリーズのゲームの最初のステージ(スーパーマリオブラザーズ3など)もWorld 1-1のメカニズムを拡張したものである。パリッシュはこのステージを「ビデオゲームの中で最も広く模倣され、参照され、パロディ化された一つのステージ」であると述べた[1]。
派生
[編集]『スーパーマリオブラザーズ』で導入された「遊びで学ぶ」というデザイン哲学は、宮本の以降のすべてのゲームに実装されている[2]。
World 1-1は、『スーパーマリオ 3Dワールド』の最初のステージなどの後のスーパーマリオのゲームに大きな影響を与えた[8]。World 1-1のバリエーションは、『スーパーマリオメーカー』シリーズのファンによって頻繁に再現されている。例として数十本のファイアバーが追加される非常に難しいバージョン、垂直に登るバージョン、自動的に再生されるバージョンなどがある[9][10][11]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e Parish, Jeremy (2012年). “Learning Through Level Design with Mario”. 1UP.com. August 18, 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月21日閲覧。
- ^ a b c d e Robinson, Martin (September 7, 2015). “Video: Miyamoto on how Nintendo made Mario's most iconic level”. Eurogamer. 2021年12月21日閲覧。
- ^ a b Kerr, Chris (September 8, 2015). “How Miyamoto built Super Mario Bros.' legendary World 1-1”. Game Developer. 2021年12月21日閲覧。
- ^ Bishop, Rollin (September 8, 2015). “Why the Famous First Level of Super Mario Bros. Looks the Way It Does”. Popular Mechanics 2021年12月21日閲覧。.
- ^ Saed, Sherif (September 7, 2015). “Watch Miyamoto explain how he designed Super Mario Bros. World 1-1”. VG247. 2021年12月21日閲覧。
- ^ Blake, Boston (September 2015). “The Top 10 Opening Levels in Video Games”. Game Rant. 2021年12月21日閲覧。
- ^ Irwin, Jon (September 11, 2015). “The 20 Best 2D Mario Levels of All Time”. Paste Magazine 2021年12月21日閲覧。.
- ^ Gerardi, Matt (July 11, 2015). “How the spirit of the original World 1-1 carries on in today's Mario games”. The A.V. Club 2021年12月21日閲覧。
- ^ Diaz, Ana (2019年7月16日). “Mario Maker 2 level turns World 1-1 into a fiery nightmare hellscape”. Polygon. 2021年12月21日閲覧。
- ^ Good, Owen S. (2019年8月21日). “Super Mario Maker 2 level turns World 1-1 on its side”. Polygon. 2021年12月21日閲覧。
- ^ Khal (2019年8月13日). “The Best 'Super Mario Maker 2' Levels for Nintendo Switch”. Complex. 2021年12月21日閲覧。
関連項目
[編集]- Super Mario Bros. theme
- グリーンヒルゾーン - 『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』における序盤のステージ。
- ステージ (コンピュータゲーム)
外部リンク
[編集]- Miyamoto on World 1-1: How Nintendo made Mario's most iconic level (video). Eurogamer. 7 September 2015. 2021年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。YouTubeより。