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{{Portal|文学}}
'''深見 弾'''(ふかみ だん/ただし<ref>『現代翻訳者事典』(日外アソシエーツ、1985年)は「本人からの回答により」、読みを「だん」としている。[[早川書房]]・[[国書刊行会]]の刊行物でも「だん」と表記されている。但し[[東京創元社]]の刊行物および[[国立国会図書館]]NDL-OPACでは「ただし」の読みを採っている(群像社では読みの記載なし)。</ref>、[[1936年]][[6月15日]]<ref>『ソ連激烈ジョーク集』訳者紹介</ref> - [[1992年]][[7月28日]]<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>)は[[ロシア]]・[[東欧]]SFの翻訳家、研究家。[[ストルガツキー兄弟]](ロシア)や[[スタニスワフ・レム]](ポーランド)など、多くの作品を日本語に翻訳した。また逆に日本の作品をロシア・東欧に紹介することにも取り組んだ([[矢野徹]]によると[[レーニン図書館]]へ資料を送るため毎月1万円以上を使っていた)<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。[[日本ペンクラブ]]、[[日本SF作家クラブ]]、[[日本推理作家協会]]、各会員。
'''深見 弾'''(ふかみ だん / ただし<ref>『現代翻訳者事典』(日外アソシエーツ、1985年)は「本人からの回答により」、読みを「だん」としている。[[早川書房]]・[[国書刊行会]]の刊行物でも「だん」と表記されている。ただし[[東京創元社]]の刊行物および[[国立国会図書館]]NDL-OPACでは「ただし」の読みを採っている(群像社では読みの記載なし)。</ref>、[[1936年]][[6月15日]]<ref>『ソ連激烈ジョーク集』訳者紹介</ref> - [[1992年]][[7月28日]]<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>)は、[[ロシア]]・[[東欧]]SFの[[翻訳家]]、研究家。

== 人物 ==
[[ストルガツキー兄弟]](ロシア)や[[スタニスワフ・レム]](ポーランド)など、多くの作品を日本語に翻訳した。また、逆に日本の作品をロシア・東欧に紹介することにも取り組んだ([[矢野徹]]によると[[レーニン図書館]]へ資料を送るため毎月1万円以上を使っていたという)<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。[[日本ペンクラブ]]、[[日本SF作家クラブ]]、[[日本推理作家協会]]、各会員<ref name="#1">日外アソシエーツ現代人物情報より</ref>。


主な訳書に『収容所惑星』、『ストーカー』、『そろそろ登れカタツムリ』(以上ストルガツキー)、『泰平ヨンの航星日誌』、『ロボット物語』、『宇宙飛行士ピルクス物語』(以上レム)などがある<!-- 『天の声・枯草熱』訳者紹介欄で挙げられているものを取り敢えず挙げてみました。 -->。[[サイエンス・フィクション|SF]]以外に[[ミステリ]]や<!-- SF寄りの -->[[児童文学|児童もの]]の翻訳もある。編訳書としては『ロシア・ソビエトSF傑作集(上・下)』、『東欧SF傑作集(上・下)』の二点がある。
主な訳書に『収容所惑星』、『ストーカー』、『そろそろ登れカタツムリ』(以上ストルガツキー)、『泰平ヨンの航星日誌』、『ロボット物語』、『宇宙飛行士ピルクス物語』(以上レム)などがある<!-- 『天の声・枯草熱』訳者紹介欄で挙げられているものを取り敢えず挙げてみました。 -->。[[サイエンス・フィクション|SF]]以外に[[ミステリ]]や<!-- SF寄りの -->[[児童文学|児童もの]]の翻訳もある。編訳書としては『ロシア・ソビエトSF傑作集(上・下)』、『東欧SF傑作集(上・下)』の二点がある。


本名の'''山田忠'''名義でも、英語からの翻訳がある<ref>『SFマガジン』2015年6月号、[[大野典宏]]による『ビースト・マスター』解説。</ref>。
==略歴==
[[岐阜県]][[岐阜市]]生まれ<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。本名、山田忠。1958年、[[早稲田大学]]文学部を卒業(1988年には母校の文学部でソ連SF史について講義を行なった)<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。[[モスクワ大学]]に短期留学の経験あり<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。


2007年から、やはりロシアSF研究者の[[大野典宏]]が著作権管理人になっており<ref>https://www.asahi-net.or.jp/~yx6n-oon/announcement.htm</ref>、以降、大野は深見の訳本の改訳を行っている。
1959年~1977年ナウカ株式会社勤務<ref>日外アソシエーツ現代人物情報より</ref>。仕入部長を経て、1979年よりフリー<ref>日外アソシエーツ現代人物情報より</ref>。


== 略歴 ==
SF同人誌「[[宇宙塵 (同人誌)|宇宙塵]]」には初期から関わり矢野徹らとも親交が深かった<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。ロシアと[[共産主義]]を愛していたが、[[ソヴィエト連邦]]の実態についてはこれを憎んでいた<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。1990年、翻訳の業績に関してカレル賞<!-- どこが出している賞なんですかね? -->を受賞<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。1992年に56歳で病死した<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。
[[岐阜県]][[岐阜市]]生まれ<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。本名、山田忠。1958年に[[早稲田大学]]文学部を卒業(1988年には母校の文学部でソ連SF史について講義を行なった)<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。[[モスクワ大学]]に短期留学の経験あり<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。


1959年~1977年にロシア・ソ連専門書店・出版社の[[ナウカ・ジャパン|ナウカ]]株式会社に勤務<ref name="#1"/>。1968年よりロシア文学や東欧文学の翻訳に携わる<ref>日本推理作家協会 会員紹介 http://www.mystery.or.jp/member/detail/0190</ref>。仕入部長を経て、1979年よりフリーに<ref name="#1"/>。
==訳書==

SF同人誌『[[宇宙塵 (同人誌)|宇宙塵]]』には初期から関わり、矢野徹らとも親交が深かった<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。ロシアと[[共産主義]]を愛していたが、[[ソヴィエト連邦]]の実態についてはこれを憎んでいた<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。1990年、翻訳の業績に関してカレル賞<!-- どこが出している賞なんですかね? -->を受賞<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。1992年に56歳で病死した<ref name=sfm>『SFマガジン』1992年10月号</ref>。

== 深見弾名義 ==
=== 訳書 ===
※一部分だけ担当した短編集は省いてあります。
※一部分だけ担当した短編集は省いてあります。
===フィクション===
==== フィクション ====
*『幽霊殺人ストルガツキー兄弟、早川書房、1974
*『顔に傷のある男([[イェジィ・エディゲイ]]、早川書房、[[ハヤカワ・ポケット・ミステリ]])1977
*『顔に傷のある男[[イェジィ・エディゲイ]]、早川書房 [[ハヤカワ・ポケット・ミステリ]]、1977
*『ペンション殺人事件イェジィ・エディゲイ、早川書房ハヤカワ・ポケット・ミステリ)1978
*『収容所惑星ストガツキ兄弟、早川書房、1978 のち文庫 
*『遙かな世界、果しなき海(ダコ・スヴィン編、[[関口時正]]共訳、早川書房)1979
*『捜査』レ、早川文庫、1978
*『黄金の鎖([[アクサンドル・グリーン]]、早川文庫)1980
*『異邦からの眺め』(F・ロッテンシュタイナー編、早川文庫)1981年
*『ペンション殺人事件』イェジィ・エディゲイ、早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ、1978年
*『青い惑星』(オリガ・ラリオーノワ他、[[飯田規和]]共訳、プログレス出版所、現代ソビエトSFシリーズ6) 1982年 - 発売:ナウカ
*ロシア・ソビエトSF傑作集 創元推理文庫 1979.3
*『銀河の破壊者』([[セルゲイ・スニェーゴフ]]、創元推理文庫)1983年
*『遙かな世界、果しなき海』ダルコ・スーヴィン編、[[関口時正]]共訳、早川書房、1979年
*『黄金の鎖[[アレクサンドル・グリン]]早川文庫、1980
*『ペルセウス座進攻(セゲイスニェゴフ創元推理文庫)1984
*『逆時間の環』(セルゲイ・スニェーゴフ、創元推理文庫)1985年
*『泰平ヨンの航星日記』レム、早川書房、1980年 のち大野典宏共訳で文庫 
*『すばらしきレムの世界1-2 講談社文庫、1980
*『007は三度死ぬ([[アンドイ・グリャシキ]]創元推理文庫)1985
*『迷宮1000』([[ヤン・ヴァイス]]、創元推理文庫)1987年
*『浴槽で発見された日記』レム、[[集英社]]、1980年
*『スポンジ教授救出作戦』(スタニスワフ・パガチェフスキ、[[ほるぷ出版]])1988年
*『宇宙飛行士ピルクス物語』レム、早川書房、1980年 のち文庫 
*『スポンジ教授の使命』(パガチェフスキ、ほるぷ出版)1989年
*『異邦からの眺め』F・ロッテンシュタイナー編、早川書房、1981年
*『スポンジ教授とUFO』(パガチェフスキ、ほるぷ出版)1989年
*『泰平ヨンの回想記』レム、早川文庫、1981年
*『チェルノブィリからの脱出』(ケネス・ロイス、[[徳間文庫]])1992年
*『レムの宇宙カタログ』レム、[[大和書房]]、1981年
*『蟻塚の中のかぶと虫』ストルガツキー兄弟、早川書房、1982年 のち文庫 
*『天の声』レム、[[サンリオ]]SF文庫、1982年
*青い惑星 現代ソビエトSFシリーズ 6 オリガ・ラリオーノワ他 [[飯田規和]]共訳 プログレス出版所 発売:ナウカ 1982.5
*『ロボット物語』レム、早川文庫、1982年
*『銀河の破壊者』[[セルゲイ・スニェーゴフ]]、創元推理文庫、1983年
*『ストーカー』ストルガツキー兄弟、早川文庫、1983年
*『泰平ヨンの現場検証』レム、早川文庫、1983年
*『泰平ヨンの未来学会議』レム、集英社、1984年
*『ペルセウス座進攻』セルゲイ・スニェーゴフ、創元推理文庫、1984年
*『逆時間の環』セルゲイ・スニェーゴフ、創元推理文庫、1985年
*『007は三度死ぬ』[[アンドレイ・グリャシキ]]、創元推理文庫、1985年
*『迷宮1000』[[ヤン・ヴァイス]]、創元推理文庫、1987年
*『スポンジ教授救出作戦』スタニスワフ・パガチェフスキ、[[ほるぷ出版]]、1988年
*『スポンジ教授の使命』パガチェフスキ、ほるぷ出版、1989年
*『世界終末十億年前 異常な状況で発見された手記』ストルガツキー兄弟、[[群像社]]、1989年
*『月曜日は土曜日に始まる 若い科学者のための物語』ストルガツキー兄弟、群像社、1989年
*『スポンジ教授とUFO』パガチェフスキ、ほるぷ出版、1989年
*『願望機』ストルガツキー兄弟、群像社、1989年
*『波が風を消す』ストルガツキー兄弟、ハヤカワ文庫、1990年
*『トロイカ物語』ストルガツキー兄弟、群像社、1990年
*『そろそろ登れカタツムリ』ストルガツキー兄弟、群像社、1991年
*『チェルノブィリからの脱出』ケネス・ロイス、徳間文庫、1992年
*『地獄から来た青年』ストルガツキー兄弟、群像社、1994年


===== ストルガツキー兄弟 =====
===その他===
*『太平洋古大陸の謎アレクサンド・コンドラトフ[[大陸書房]]、1976
*『幽霊殺人(ストガツキー兄弟早川書房)1974
*『収容所惑星』(ストルガツキー兄弟、早川書房)1978年、のち文庫 
*『マヤ文字の秘密』B・クジミシチェフ、大陸書房、1978年
*『蟻塚の中のかぶと虫』(ストルガツキー兄弟、早川書房)1982年、のち文庫 
*『ロシアより笑いをこめて - 世界のジョーク集 4』ジャンナ・ドルゴポーロワ、[[光文社文庫]]、1986年
*『ストーカー』(ストルガツキー兄弟、早川文庫)1983年、のち深見訳名義のまま大野典宏訳で改訳新版(ハヤカワ文庫) 2014年
*大笑い!ソ連激烈ジョーク集 大陸書房 1992.2
*『世界終末十億年前 異常な状況で発見された手記』(ストルガツキー兄弟、[[群像社]])1989年
*『月曜日は土曜日に始まる 若い科学者のための物語』(ストルガツキー兄弟、群像社)1989年
*『願望機』(ストルガツキー兄弟、群像社)1989年
*『波が風を消す』(ストルガツキー兄弟、ハヤカワ文庫)1990年
*『トロイカ物語』(ストルガツキー兄弟、群像社)1990年
*『そろそろ登れカタツムリ』(ストルガツキー兄弟、群像社)1991年
*『地獄から来た青年』(ストルガツキー兄弟、群像社)1994年(翻訳の途中で深見が死去したため、大野典宏,[[大山博]]が共訳し、深見名義で刊行された)<ref>http://www.mystery.or.jp/member/detail/1005</ref>。


===== スタニスワフ・レム =====
==編訳書==
*『捜査』([[スタニスワフ・レム|レム]]、早川文庫)1978年
*『ロシア・ソビエトSF傑作集(上・下)』 東京創元社 1979年
*『泰平ヨンの航星日記』(レム、ハヤカワ文庫)1980年、のち[[大野典宏]]共訳で改訳(ハヤカワ文庫) 
*『東欧SF傑作集(上・下)』 東京創元社 1980年
*『すばらしきレムの世界』1 - 2(レム、講談社文庫)1980年
*『大笑い!ソ連激烈ジョーク集』大陸書房 1992年
*『浴槽で発見された日記』(レム、[[集英社]])1980年
*『宇宙飛行士ピルクス物語』(レム、早川書房)1980年、のち深見訳名義のままで大野典宏訳で改訳(ハヤカワ文庫)
*『泰平ヨンの回想記』(レム、早川文庫)1981年
*『レムの宇宙カタログ』(レム、F・ロッテンシュタイナー編、[[吉上昭三]]共訳、[[大和書房]])1981年
*『天の声』(レム、[[サンリオSF文庫]])1982年、のち『天の声 / 枯草熱』([[国書刊行会]])への収録に際して、[[沼野充義]]により改訳
*『ロボット物語』(レム、早川文庫)1982年
*『泰平ヨンの現場検証』(レム、早川文庫)1983年
*『[[泰平ヨンの未来学会議]]』(レム、集英社)1984年、のち大野典宏共訳で改訳(ハヤカワ文庫) 


==出典・脚注==
==== その他 ====
*『太平洋古大陸の謎』(アレクサンドル・コンドラトフ、[[大陸書房]])1976年
*『マヤ文字の秘密』(B・クジミシチェフ、大陸書房)1978年
*『ロシアより笑いをこめて - 世界のジョーク集4』(ジャンナ・ドルゴポーロワ、[[光文社文庫]])1986年

=== 編訳書 ===
*『ロシア・ソビエトSF傑作集』 上(創元推理文庫) 1979年
*:「四三三八年」(ウラジミール・オドエフスキー)
*:「宇宙空間の旅」(ニコライ・モロゾフ)
*:「液体太陽」(アレクサンドル・クプリーン)
*:「技師メンニ」(アレクサンドル・ボグダーノフ)
*:「生き返らせないでくれ」(ワレーリイ・ブリューソフ)
*:解説〈ロシア・ソビエトSFの系譜〉(深見弾)
*『ロシア・ソビエトSF傑作集』 下(創元推理文庫) 1979年
*:「五人同盟 - 世界が盗まれた七日間」([[アレクセイ・トルストイ]])
*:「運命の卵」(ミハイル・ブルガーコフ)
*:「髑髏蛾」([[アレクサンドル・ベリャーエフ]])
*:「危険な発明」(エ・ゼリコーヴィチ)
*:「不死身人間」(ゲ・グレブネフ)
*:解説〈初期のソビエトSF - 革命後から第二次世界大戦まで〉(深見弾)
*『東欧SF傑作集』上(創元推理文庫) 1980年
*:「招かれざる客」(ボルニ)
*:「時代の子」(カリンティ)
*:「マホメットの毛」(ペーエフ)
*:「あちらの世界」(ヴィシニェフスキ=スネルグ)
*:「ある秋の日に……」(ヴェジノフ)
*:解説〈東欧SFの系譜(ポーランド、ハンガリー、ブルガリア)〉他(深見弾)
*『東欧SF傑作集』下(創元推理文庫) 1980年
*:「移民局」([[カレル・チャペック|チャペック]])
*:「システム」(チャペック)
*:「ターザンの死」(ネスヴァードバ)
*:「アイクサよ永遠なれ」(アラーマ)
*:解説〈東欧SFの系譜(チェコ、ユーゴ、東独、ルーマニア)〉他(深見弾)
*『大笑い! ソ連激烈ジョーク集』(大陸書房) 1992年

== 山田忠名義 ==
=== 訳書 ===
*『激変の地球』([[イマヌエル・ヴェリコフスキー|I.ヴェリコフスキー]]、国書刊行会、超科学シリーズ3)1984年
*『[[祖父たちの戦争]]』([[マレイ・ラインスター]]、早川書房、ハヤカワ文庫SF、メド・シップ1)1984年
*『[[惑星封鎖命令!]]』(マレイ・ラインスター、早川書房、ハヤカワ文庫SF、メド・シップ2)1985年
*『[[禁断の世界]]』(マレイ・ラインスター、早川書房、ハヤカワ文庫SF、メド・シップ3)1986年
*『ビースト・マスター』([[アンドレ・ノートン]]、早川書房、ハヤカワ文庫SF)1986年
*『ビースト・マスター2 雷神の怒り』(アンドレ・ノートン、早川書房、ハヤカワ文庫SF)1987年

== 出典・脚注 ==
<references />
<references />


==主要参考資料==
== 主要参考資料 ==
*『[[SFマガジン]]1992年10月号』収録「追悼 深見弾」(文・[[矢野徹]]、[[中沢敦夫]])
* 『[[SFマガジン]]1992年10月号』収録「追悼 深見弾」(文・[[矢野徹]]、[[中沢敦夫]])


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深見 弾(ふかみ だん / ただし[1]1936年6月15日[2] - 1992年7月28日[3])は、ロシア東欧SFの翻訳家、研究家。

人物

[編集]

ストルガツキー兄弟(ロシア)やスタニスワフ・レム(ポーランド)など、多くの作品を日本語に翻訳した。また、逆に日本の作品をロシア・東欧に紹介することにも取り組んだ(矢野徹によるとレーニン図書館へ資料を送るため毎月1万円以上を使っていたという)[3]日本ペンクラブ日本SF作家クラブ日本推理作家協会、各会員[4]

主な訳書に『収容所惑星』、『ストーカー』、『そろそろ登れカタツムリ』(以上ストルガツキー)、『泰平ヨンの航星日誌』、『ロボット物語』、『宇宙飛行士ピルクス物語』(以上レム)などがある。SF以外にミステリ児童ものの翻訳もある。編訳書としては『ロシア・ソビエトSF傑作集(上・下)』、『東欧SF傑作集(上・下)』の二点がある。

本名の山田忠名義でも、英語からの翻訳がある[5]

2007年から、やはりロシアSF研究者の大野典宏が著作権管理人になっており[6]、以降、大野は深見の訳本の改訳を行っている。

略歴

[編集]

岐阜県岐阜市生まれ[3]。本名、山田忠。1958年に早稲田大学文学部を卒業(1988年には母校の文学部でソ連SF史について講義を行なった)[3]モスクワ大学に短期留学の経験あり[3]

1959年~1977年にロシア・ソ連専門書店・出版社のナウカ株式会社に勤務[4]。1968年よりロシア文学や東欧文学の翻訳に携わる[7]。仕入部長を経て、1979年よりフリーに[4]

SF同人誌『宇宙塵』には初期から関わり、矢野徹らとも親交が深かった[3]。ロシアと共産主義を愛していたが、ソヴィエト連邦の実態についてはこれを憎んでいた[3]。1990年、翻訳の業績に関してカレル賞を受賞[3]。1992年に56歳で病死した[3]

深見弾名義

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訳書

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※一部分だけ担当した短編集は省いてあります。

フィクション

[編集]
  • 『顔に傷のある男』(イェジィ・エディゲイ、早川書房、ハヤカワ・ポケット・ミステリ)1977年
  • 『ペンション殺人事件』(イェジィ・エディゲイ、早川書房、ハヤカワ・ポケット・ミステリ)1978年
  • 『遙かな世界、果しなき海』(ダルコ・スーヴィン編、関口時正共訳、早川書房)1979年
  • 『黄金の鎖』(アレクサンドル・グリーン、早川文庫)1980年
  • 『異邦からの眺め』(F・ロッテンシュタイナー編、早川文庫)1981年
  • 『青い惑星』(オリガ・ラリオーノワ他、飯田規和共訳、プログレス出版所、現代ソビエトSFシリーズ6) 1982年 - 発売:ナウカ
  • 『銀河の破壊者』(セルゲイ・スニェーゴフ、創元推理文庫)1983年
  • 『ペルセウス座進攻』(セルゲイ・スニェーゴフ、創元推理文庫)1984年
  • 『逆時間の環』(セルゲイ・スニェーゴフ、創元推理文庫)1985年
  • 『007は三度死ぬ』(アンドレイ・グリャシキ、創元推理文庫)1985年
  • 『迷宮1000』(ヤン・ヴァイス、創元推理文庫)1987年
  • 『スポンジ教授救出作戦』(スタニスワフ・パガチェフスキ、ほるぷ出版)1988年
  • 『スポンジ教授の使命』(パガチェフスキ、ほるぷ出版)1989年
  • 『スポンジ教授とUFO』(パガチェフスキ、ほるぷ出版)1989年
  • 『チェルノブィリからの脱出』(ケネス・ロイス、徳間文庫)1992年
ストルガツキー兄弟
[編集]
  • 『幽霊殺人』(ストルガツキー兄弟、早川書房)1974年
  • 『収容所惑星』(ストルガツキー兄弟、早川書房)1978年、のち文庫 
  • 『蟻塚の中のかぶと虫』(ストルガツキー兄弟、早川書房)1982年、のち文庫 
  • 『ストーカー』(ストルガツキー兄弟、早川文庫)1983年、のち深見訳名義のまま大野典宏訳で改訳新版(ハヤカワ文庫) 2014年
  • 『世界終末十億年前 異常な状況で発見された手記』(ストルガツキー兄弟、群像社)1989年
  • 『月曜日は土曜日に始まる 若い科学者のための物語』(ストルガツキー兄弟、群像社)1989年
  • 『願望機』(ストルガツキー兄弟、群像社)1989年
  • 『波が風を消す』(ストルガツキー兄弟、ハヤカワ文庫)1990年
  • 『トロイカ物語』(ストルガツキー兄弟、群像社)1990年
  • 『そろそろ登れカタツムリ』(ストルガツキー兄弟、群像社)1991年
  • 『地獄から来た青年』(ストルガツキー兄弟、群像社)1994年(翻訳の途中で深見が死去したため、大野典宏,大山博が共訳し、深見名義で刊行された)[8]
スタニスワフ・レム
[編集]
  • 『捜査』(レム、早川文庫)1978年
  • 『泰平ヨンの航星日記』(レム、ハヤカワ文庫)1980年、のち大野典宏共訳で改訳(ハヤカワ文庫) 
  • 『すばらしきレムの世界』1 - 2(レム、講談社文庫)1980年
  • 『浴槽で発見された日記』(レム、集英社)1980年
  • 『宇宙飛行士ピルクス物語』(レム、早川書房)1980年、のち深見訳名義のままで大野典宏訳で改訳(ハヤカワ文庫)
  • 『泰平ヨンの回想記』(レム、早川文庫)1981年
  • 『レムの宇宙カタログ』(レム、F・ロッテンシュタイナー編、吉上昭三共訳、大和書房)1981年
  • 『天の声』(レム、サンリオSF文庫)1982年、のち『天の声 / 枯草熱』(国書刊行会)への収録に際して、沼野充義により改訳
  • 『ロボット物語』(レム、早川文庫)1982年
  • 『泰平ヨンの現場検証』(レム、早川文庫)1983年
  • 泰平ヨンの未来学会議』(レム、集英社)1984年、のち大野典宏共訳で改訳(ハヤカワ文庫) 

その他

[編集]
  • 『太平洋古大陸の謎』(アレクサンドル・コンドラトフ、大陸書房)1976年
  • 『マヤ文字の秘密』(B・クジミシチェフ、大陸書房)1978年
  • 『ロシアより笑いをこめて - 世界のジョーク集4』(ジャンナ・ドルゴポーロワ、光文社文庫)1986年

編訳書

[編集]
  • 『ロシア・ソビエトSF傑作集』 上(創元推理文庫) 1979年
    「四三三八年」(ウラジミール・オドエフスキー)
    「宇宙空間の旅」(ニコライ・モロゾフ)
    「液体太陽」(アレクサンドル・クプリーン)
    「技師メンニ」(アレクサンドル・ボグダーノフ)
    「生き返らせないでくれ」(ワレーリイ・ブリューソフ)
    解説〈ロシア・ソビエトSFの系譜〉(深見弾)
  • 『ロシア・ソビエトSF傑作集』 下(創元推理文庫) 1979年
    「五人同盟 - 世界が盗まれた七日間」(アレクセイ・トルストイ
    「運命の卵」(ミハイル・ブルガーコフ)
    「髑髏蛾」(アレクサンドル・ベリャーエフ
    「危険な発明」(エ・ゼリコーヴィチ)
    「不死身人間」(ゲ・グレブネフ)
    解説〈初期のソビエトSF - 革命後から第二次世界大戦まで〉(深見弾)
  • 『東欧SF傑作集』上(創元推理文庫) 1980年
    「招かれざる客」(ボルニ)
    「時代の子」(カリンティ)
    「マホメットの毛」(ペーエフ)
    「あちらの世界」(ヴィシニェフスキ=スネルグ)
    「ある秋の日に……」(ヴェジノフ)
    解説〈東欧SFの系譜(ポーランド、ハンガリー、ブルガリア)〉他(深見弾)
  • 『東欧SF傑作集』下(創元推理文庫) 1980年
    「移民局」(チャペック
    「システム」(チャペック)
    「ターザンの死」(ネスヴァードバ)
    「アイクサよ永遠なれ」(アラーマ)
    解説〈東欧SFの系譜(チェコ、ユーゴ、東独、ルーマニア)〉他(深見弾)
  • 『大笑い! ソ連激烈ジョーク集』(大陸書房) 1992年

山田忠名義

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訳書

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  • 『激変の地球』(I.ヴェリコフスキー、国書刊行会、超科学シリーズ3)1984年
  • 祖父たちの戦争』(マレイ・ラインスター、早川書房、ハヤカワ文庫SF、メド・シップ1)1984年
  • 惑星封鎖命令!』(マレイ・ラインスター、早川書房、ハヤカワ文庫SF、メド・シップ2)1985年
  • 禁断の世界』(マレイ・ラインスター、早川書房、ハヤカワ文庫SF、メド・シップ3)1986年
  • 『ビースト・マスター』(アンドレ・ノートン、早川書房、ハヤカワ文庫SF)1986年
  • 『ビースト・マスター2 雷神の怒り』(アンドレ・ノートン、早川書房、ハヤカワ文庫SF)1987年

出典・脚注

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  1. ^ 『現代翻訳者事典』(日外アソシエーツ、1985年)は「本人からの回答により」、読みを「だん」としている。早川書房国書刊行会の刊行物でも「だん」と表記されている。ただし東京創元社の刊行物および国立国会図書館NDL-OPACでは「ただし」の読みを採っている(群像社では読みの記載なし)。
  2. ^ 『ソ連激烈ジョーク集』訳者紹介
  3. ^ a b c d e f g h i 『SFマガジン』1992年10月号
  4. ^ a b c 日外アソシエーツ現代人物情報より
  5. ^ 『SFマガジン』2015年6月号、大野典宏による『ビースト・マスター』解説。
  6. ^ https://www.asahi-net.or.jp/~yx6n-oon/announcement.htm
  7. ^ 日本推理作家協会 会員紹介 http://www.mystery.or.jp/member/detail/0190
  8. ^ http://www.mystery.or.jp/member/detail/1005

主要参考資料

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