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І

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キリル文字
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非スラヴ系文字
Ӑ Ӓ Ә Ӛ Ӕ Ғ Ӷ
Ҕ Ӗ Ӂ Җ Ӝ Ҙ Ӟ
Ӡ Ӣ Ӥ Ҋ Ҡ Қ Ҟ
Ӄ Ҝ Ӆ Ӎ Ң Ӊ Ӈ
Ҥ Ө Ӧ Ӫ Ҧ Ҏ Ҫ
Ҭ Ҵ Ӳ Ӯ Ү Ұ Ӱ
Ҳ Ӿ Һ Ҷ Ӌ Ҹ Ӵ
Ҩ Ҽ Ҿ Ӹ Ҍ Ӭ Ӏ
初期キリル文字
Ҁ Ѹ Ѡ Ѿ Ѻ Ѣ
Ѥ Ѧ Ѫ Ѩ Ѭ Ѯ Ѱ
Ѳ Ѵ Ѷ Ԁ
キリル文字一覧

І, і は、キリル文字のひとつ。ギリシャ文字Ι(イオタ)に由来し、ラテン文字I と同形。スラヴ語では現在はウクライナ語ベラルーシ語でのみ用いられるが、1918年まではロシア語でも用いられていた。スラヴ語以外ではカザフ語ハカス語コミ語でも用いられる。また、対応するグラゴル文字(i、イ)である。

呼称

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音素

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原則として非円唇前舌狭母音 [i] (IPA) およびその類似音を表す。

アルファベット上の位置

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ウクライナ語の第 12 字母、ベラルーシ語の第 10 字母、カザフ語の第 38 字母である。

ロシア語旧正書法におけるІ

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ロシア語旧正書法(1918年まで)では、以下の場合に І が用いられていた。

  • 母音および Й の前 (исторія, русскій, Іерусалимъ)。ただし合成語となった結果Иが母音の前に来る場合はІとはしない (пяти + угольникъпятиугольникъпятиугольникъ)。
  • 「世界」を意味する мир (міръ)。なお、「平和」を意味する мирмиръ

また、語頭に来る場合や母音に挟まれている場合はしばしば Й ([j]) のように発音された (іодъ, маіоръ)。

古代教会スラヴ語におけるІ

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古代教会スラヴ語では、前述のロシア語旧正書法と同様の使い分けの他、更にギリシア語に由来する単語において、元々のギリシア語での Ι(イオタ)とΗ(イータ)の使い分けを І とИに反映させていた。各言語で「10のイ」と呼ばれるのは古代教会スラヴ語で10の数値を持っていたためである。

Іに関わる諸事項

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  • І とИは、元々はスラヴ語における音の違いを表すものというより、ギリシア語からの外来語での Ι(イオタ)とΗ(イータ)の区別を表すものだった。現在いくつかの言語で見られる І とИの使い分けは、後世に導入されたものである。
  • ウクライナ語ではИは [ɪ] を表し、この文字が [i] を表す。ただし、ロシア語のИよりもさらに軟化の度合いが強いとされる。
  • ベラルーシ語では [i] はこの文字で表す。Иは用いられない。
  • ロシア語では1918年の文字改革でИに統合された。

符号位置

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大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
І U+0406 І
І
і U+0456 і
і

関連

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