アレクサンドル・アファナーシェフ
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アレクサンドル・ニコライェヴィチ・アファナーシエフ(Алекса́ндр Никола́евич Афана́сьев、1826年7月11日 - 1871年10月5日)はロシアの民俗学者。ロシア民話研究の第一人者で、「ロシアのグリム兄弟」とも称される。
600以上の民話・伝承を編纂しており、その数は世界で最も多い[1]。
生涯
[編集]ヴォロネジのギムナジウムからモスクワ大学法学部へ進学し[2][3]、コンスタンチン・カヴェーリンやティモフェイ・グラフノスキーから講義を受ける。彼は中世ロシア史の研究を行っていたが、セルゲイ・ウヴァーロフに反抗したため、大学での研究を続けられなくなった。
公文書館で働くが、活動家のアレクサンドル・ゲルツェンとの接触があったことから職を失う。貧しい暮らしの中で結核にかかり45歳でこの世を去る。
民話編纂
[編集]アファナーシエフは1850年頃からロシア民話への関心を強めた。ウラジーミル・ダーリやロシア地理学協会の資料などを基に編纂し、1855年から1863年にかけて『ロシア民話集』を刊行した。1865年から1869年にかけては、スラヴ人の自然観についてまとめた『スラヴ人の詩的自然観』を刊行した。『ロシア滑稽譚』は猥雑さや教会批判などから検閲を免れられないため、ジュネーヴで刊行された[4][5]。
重要性
[編集]アファナーシエフ以前はロシア民俗研究はあまり成されなかった。10世紀に教会スラヴ語で記録されるようになったが、教会の慣習にかかわるものが主であり、19世紀頃まで民俗的物語は文字に残されなかった。アファーナシェフの編纂は民俗研究にとって価値の高いものであり、ニコライ・リムスキー=コルサコフやイーゴリ・ストラヴィンスキーの芸術作品にも大きな影響を与えている[6]。
脚注
[編集]- ^ Riordan, James. “Russian Fairy Tales and Their Collectors.” A Companion to the Fairy Tale. Ed. Hilda Ellis Davidson and Anna Chaudhri. Cambridge: D.S. Brewer, 2003. Page 221.
- ^ Zipes, Jack. Afanasyev, Aleksander. "The Oxford Companion to Fairy Tales." Oxford: Oxford University Press, 2000.
- ^ 日本児童文学学会 編『児童文学事典』東京書籍、1988年、19-20頁 。
- ^ Zipes, Jack. Afanasyev, Aleksander. "The Oxford Companion to Fairy Tales." Oxford: Oxford University Press, 2000.
- ^ Haney, Hack V. :Mr Afanasiev's Naughty Little Secrets: Russian Secret Tales." SEEFA Journal, Vol. III, No. 2, Fall 1998. 21 April 2007 [1].
- ^ Riordan, James. “Russian Fairy Tales and Their Collectors.” A Companion to the Fairy Tale. Ed. Hilda Ellis Davidson and Anna Chaudhri. Cambridge: D.S. Brewer, 2003. Page 219.