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サヤージー・ラーオ・ガーイクワード3世

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サヤージー・ラーオ・ガーイクワード3世
Sayaji Rao Gaekwad III
ガーイクワード家当主
ヴァドーダラー藩王
サヤージー・ラーオ・ガーイクワード3世
在位 1875年 - 1939年
戴冠式 1875年6月16日
別号 マハーラージャ
ファルザンド・イ・ハース・イ・ダウラト・イングリシア

出生 1863年3月11日
ヴァドーダラー
死去 1939年2月6日
ボンベイ
子女 下記参照
家名 ガーイクワード家
父親 カーシー・ラーオ・ガーイクワード
カンデー・ラーオ・ガーイクワード(養父)
宗教 ヒンドゥー教
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サヤージー・ラーオ・ガーイクワード3世マラーティー語: तिसरे सयाजीराव गायकवाड, グジャラート語: મહારાજા સયાજીરાવ ગાયકવાડ ત્રીજા, Sayaji Rao Gaekwad III, 1863年3月11日 - 1939年2月6日)は、西インドグジャラート地方ガーイクワード家の当主およびヴァドーダラー藩王国の君主(在位:1875年 - 1939年)。

生涯

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当主位の継承

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サヤージー・ラーオと継母ジャムナー・バーイー

1863年3月11日ガーイクワード家の一族カーシー・ラーオ・ガーイクワードの息子として生まれた[1]

1875年1月、当主であり藩王のマルハール・ラーオ・ガーイクワードイギリスの駐在官を毒殺しようとしたとして、同年4月に失政と専横を理由も兼ねて廃位され、 マドラスへと追放された[2]

そのため、1875年5月25日 にイギリスはサヤージー・ラーオを新当主および新藩王とすることに決定した[1]これに際し、同月27日に前当主カンデー・ラーオ・ガーイクワードの妃ジャムナー・バーイーはサヤージー・ラーオを養子に迎えた[1]

統治と近代化

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サヤージー・ラーオ(1919年

とはいえ、サヤージー・ラーオは幼少であったため、成年になるまでイギリスの摂政評議会のもとで統治し、1881年12月28日までそれは続いた[1]

その治世、サヤージー・ラーオは後進性が指摘されていた藩王国の近代化をめざし、教育、司法、農業、産業、社会などの様々な面において改革を断行した。

サヤージー・ラーオの教育的・社会的改革は、とりわけ児童婚の禁止、離婚に関する法律、教育水準向上のための教育の普及につとめ、1906年に無料の義務初等教育を導入した最初のインド人支配者だった。

また、不可触民制の問題に疑問を持ち、そのためにダリットのビーム・ラーオ・アンベードカルを雇用するなどした。とはいえ、アンベードカルは藩王国内における差別に耐えかねて職を辞してしまった。

サヤージー・ラーオの経済開発への取り組みは、繊維産業の発展に重要な役割を果たした。また、海外と交流するグジャラート商人らを支援し、1908年にはインドの大手銀行の一つであるヴァドーダラー銀行を設立した。

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1939年2月6日、サヤージー・ラーオはイギリスボンベイで死亡した[1]。死後、孫のプラタープ・シング・ラーオ・ガーイクワードがその地位を継承した。

人物・評価

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サヤージー・ラーオ(ラヴィ・ヴァルマ作)

サヤージー・ラーオは開明的かつ近代的な思考の持ち主であった。彼と同様な思考の持ち主としては、マイソール藩王国の藩王クリシュナ・ラージャ4世が挙げられる。彼ら2人はほぼ同時期にそれぞれの藩王国を統治していた。

サヤージー・ラーオはグジャラートのマラーター支配者であるという事実を十分に認識し、その国際的な態度と進歩、改革の熱意を示した。彼の豊富な図書館は町や村の図書館のネットワークとヴァドーダラーの今日の中央図書館の核となった。

サヤージー・ラーオは外聞を気にした人物でもあり、1877年1903年1911年のデリー・ダルバールにも赴き、1911年にはイギリス王ジョージ5世と面会した。また、1890年にはヴァドーダラーにラクシュミー・ヴィラース宮殿を建設した。

バローダ管理協会はサヤージー・ラーオのビジョンや統治スキルを記念して、彼の名にちなんで名付け、2013年サヤージー・ラトナ賞を制定された。

サヤージー・ラーオは文人でもあり、サンスクリット語の復興と発展に寄与したほか、美術といった芸術を奨励し、自らそのパトロンとなった。ケーララ出身の画家ラヴィ・ヴァルマの主要なパトロンの一人はサヤージー・ラーオで、自身の肖像画を描かせている。

家族

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サヤージー・ラーオには2人の妃、4人の息子、3人の娘がいた[1]

息子

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  • ファテー・シング・ラーオ・ガーイクワード
  • ジャイ・シング・ラーオ・ガーイクワード
  • シヴァージー・ラーオ・ガーイクワード
  • ダイリヤシール・ラーオ・ガーイクワード

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ギャラリー

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出典・脚注

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関連項目

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