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スプロフェン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com Micromedex Detailed Consumer Information
胎児危険度分類
  • US: C
法的規制
  • 使用中止
薬物動態データ
血漿タンパク結合20%
データベースID
CAS番号
40828-46-4 チェック
ATCコード M01AE07 (WHO)
PubChem CID: 5359
DrugBank DB00870 チェック
ChemSpider 5166 ×
UNII 988GU2F9PE チェック
KEGG D00452  チェック
ChEBI CHEBI:9362 ×
ChEMBL CHEMBL956 ×
化学的データ
化学式C14H12O3S
分子量260.309 g/mol
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スプロフェン(Suprofen)は、ヤンセン ファーマが開発した[1]非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) である。錠剤、目薬としての米国での使用は中止されている。日本では各種の湿疹に適応を持つ外用剤が販売されている。商品名はスルプロチンスレンダムトパルジック。副作用として光アレルギーを起こすことがある。

使用

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スプロフェンは、当初錠剤として用いられていたが、腎臓への影響のため、経口摂取は中止された[2]。その後、眼科用の溶液として、通常は外科手術中及び後の縮瞳の防止のために用いられた[3]。しかし、この用途としても、少なくともアメリカ合衆国では使用が中止された[4]

日本では外用薬が販売されており、適応症は、急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹、皮脂欠乏性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、帯状疱疹。

日本皮膚科学会の2017年のニキビのガイドラインは、NSAIDsには本薬でなくイブプロフェンピコノールを挙げている(そちらの記事を参照のこと)[5]。2018年のアトピー性皮膚炎のガイドラインでは、非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID) の外用薬は抗炎症作用が弱いので有効であるという証拠はなく、副作用で販売中止となったブフェキサマクの副作用を例にして推奨できないとしている[6]

副作用

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外用剤では光への感受性が増加し、光接触性皮膚炎(光アレルギー)を起こすことがある[7]

出典

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  1. ^ Janssen, Paul A.; Van Daele, Georges H. P.; Boey, Jozef M. "Antiphlogistic aroyl-substituted phenylacetic acid derivatives" (1974) DE 2353357 
  2. ^ Nies A S (1988). “Renal effects of nonsteroidal anti-inflammatory drugs”. Agents and actions 24: 95-106. doi:10.1007/978-3-0348-9160-8_9. 
  3. ^ Guidance for FDA Staff and Industry Compliance Policy Guides Manual, Sec. 460.200
  4. ^ Drugs.com: suprofen ophthalmic
  5. ^ 林伸和、古川福実、古村南夫 ほか「尋常性痤瘡治療ガイドライン2017」『日本皮膚科学会雑誌』第127巻第6号、2017年、1261-1302頁、doi:10.14924/dermatol.127.1261NAID 130007040253 
  6. ^ 一般社団法人日本アレルギー学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018」『アレルギー』第67巻第10号、2018年、1297-1367頁、doi:10.15036/arerugi.67.1297  参照頁は2460-61.
  7. ^ 戸倉新樹「光アレルギーの発症機序と対策」『日本内科学会雑誌』第96巻第5号、2007年5月10日、1006-1012頁、doi:10.2169/naika.96.1006