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超音波

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
周波数による超音波の分類。画像上、緑の範囲内。

超音波(ちょうおんぱ、英語: ultrasound または ultrasonic)とは人間のには聞こえない高い振動数をもつ弾性振動波(音波)である。超音波は可聴域と物理的特徴は変わらず、人が聴くことができないというだけである。広義の意味では、人が聞くこと以外の目的で利用される音を意味し、人間に聞こえるかどうかは問わない。超音波はさまざまな分野で利用されている。

周波数範囲

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超音波の周波数の下限に関する定義はいくつかあるが、1つは20kHz以上の音波とするものであり、例えば広辞苑では『超音波は振動数が毎秒2万ヘルツ以上で定常音として耳に感じない音』と定義されている。 なお、「人間が聞き取れない」周波数ではあるが、発声に関しては20kHzを超える音成分を発することができる人もいる。

一方、超音波の周波数の上限は特に規定されていないが、2007年現在の科学技術では数GHzまでの超音波が発生できるため、このあたりが実質的な上限といえるかもしれない[1]。但し、周波数を高めても伝搬媒体とのインピーダンスが整合していなければキャビテーションが発生して伝搬できないので実用上の上限になる。逆にこの現象を利用して超音波洗浄機等に応用される。

用途

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超音波検査
胎児の超音波スキャン

超音波は指向性が高くうまく使えば高分解能な探知に使える。また音圧を比較的容易に上げられるため静かなドリル・金属やプラスチックの加工にも用いられる。以下にさまざまな用途を挙げる[2]

情報的な利用
動力的な利用
その他の利用

公正取引委員会は、超音波による「ダニ撃退」および「蚊よけ」をうたう商品について、効果が認められないとして排除命令を出した事がある[6][7]

超音波を利用する動物

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コウモリは超音波を利用して暗闇を移動する。

幾種かの動物(コウモリイルカなど)も生活に超音波を利用している[1]

コウモリは口から超音波を発し、反響定位を利用して、自分の位置やエサ(虫)の位置を知る。探知範囲は数十cmから十数mまで変化すると言われている[8]

イルカは鼻腔で発した音波を頭部のメロンという脂肪組織で屈折・収束させ、指向性の高い音波の発信を行い、反響定位から自分の位置を知ったり、仲間との会話を行うと言われている。

出典

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  1. ^ a b 「超音波の本」谷腰欣司、ISBN 4526053554
  2. ^ 谷腰欣司; 谷村康行『トコトンやさしい超音波の本第2版』日刊工業新聞社、2015年、19,23,25,35頁。 
  3. ^ 超音波骨折治療法とは”. 帝人ファーマ株式会社. 2015年12月16日閲覧。
  4. ^ 超音波で霧をつくり出す加湿器のしくみ”. TDK 電気と磁気の?(はてな)館. 2015年10月31日閲覧。
  5. ^ 日本酒製造に使った霧化技術を、廃液処理やリサイクルに活用”. 日経テクノロジーonline (2013年9月10日). 2015年12月10日閲覧。
  6. ^ 公正競争規約の制度”. 平成6年度 公正取引委員会年次報告. 公正取引委員会 (2010年3月31日). 2011年10月17日閲覧。
  7. ^ 株式会社オーム電機に対する排除命令について”. 公正取引委員会 (2007年11月20日). 2011年10月17日閲覧。
  8. ^ イルカやコウモリの音によるナビゲーション”. 国立大学法人秋田大学 大学院工学資源学研究科・工学資源学部 電気電子工学科 今野研究室. 2015年12月9日閲覧。