茨城、宮城両県警などの合同捜査本部は7日、カンボジアを拠点に特殊詐欺に関わったとして、18～45歳の日本人の男12人を日本に移送し、詐欺容疑で逮捕したと発表した。

　茨城県警組織犯罪対策第1課によると、12人は7月27日～8月2日、警察官などを装って富山市のアルバイト従業員の女性（47）に「あなたの口座のお金が犯罪に使われたか調査したい」などと電話し、現金160万円を指定の金融機関の口座に振り込ませ、だまし取った疑いがある。

　いずれも、現地から日本に詐欺の電話をかける「かけ子」役とみられ8月2日と7日に、カンボジア南東部の都市バベットにあるビルの一室にいるところを現地警察に保護された。

　現地では、高収入の仕事をうたって外国人に不法行為をさせる事案が起きていて、外務省が注意を呼びかけている。

　警察は、12人が強制的に詐欺に関与させられた可能性も視野に調べる。ビルの室内からは、特殊詐欺に使ったとみられるスマートフォンやパソコン十数台、メモが見つかっている。

　逮捕されたのは、いずれも自称で、茨城県神栖市日川の配管工、長谷川武士（43）、住所不定無職の渡辺真樹（26）、大阪市西成区萩之茶屋2丁目の無職、山名準（42）、神奈川県茅ケ崎市赤羽根の無職、根本和弥（20）、東京都大田区萩中2丁目の無職、逸見礼央（22）、住所不定無職の長尾聡（45）、相模原市中央区清新2丁目の関山正弘（40）ら容疑者7人と、仙台市や神奈川県平塚市などの18～19歳の少年5人。（古庄暢）