春秋

季節感が薄れる昨今、東京にいても天候の豹変（ひょうへん）には慣れっこだが、今週はさすがに翻弄された。雪や雹（ひょう）に凍えていたのに週末はポカポカ陽気。気がつけば神田川のほとりの桜は三分咲きである。ふと見上げ、淡紅の花弁と真っ青な空のコントラストに見入ってしまった。 ▼感傷を覚えたのは先日うかがったアート展の印象と重なったためだろう。障害のある作家が描く鮮やかな色彩と無垢（むく）な筆致が目に焼き…