JR出雲市駅と岡山駅を結ぶ「特急やくも」。初めて登場したのは、国鉄山陽新幹線岡山開業で、岡山-出雲市駅・益田駅間の「気動車特急やくも」として陰陽を連絡したのが始まりだ。

 長年、山陰の発展を支えた「やくも381系」が6月15日に引退するのを前に、「特急やくも」の歴史を当時の紙面記事で振り返る。

 

赤とクリーム色の列車に万歳! だが一番列車は「ガラ空き」?!


陰陽発展へひかり “地図がちぢんだ!” 出雲市駅など 盛大に出発式

(1972年3月16日付)原文ママ

 山陽新幹線の開通と特急新設を祝って十五日国鉄石見益田駅と同出雲市駅ではそれぞれの駅を始発する「やくも2号」「やくも4号」の出発式を開いた。また特急が停車することになった江津駅でも特急が停車するごとに乗務員に花束を贈った。 

 出雲一岡山間に特急二往復が増発された国鉄出雲市駅では午後二時半から手島文雄米鉄局長、久津名等平出雲市長ら七十人が出席して「やくも4号」の出発式が行なわれた。手島局長と乗務員に出雲市、出雲商工会議所、大社町から花束、くだものが贈られたあと手島局長と久津名市長が紅白のテープにはさみを入れ、鉄道唱歌の流れるなかに四十七人の乗客を乗せた赤とクリーム色の列車は万歳に送られ岡山に向け出発した。 ...