前田敬作
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前田 敬作(まえだ けいさく、1921年12月14日[1] - 2003年2月6日)は、日本の文学研究者、ドイツ文学者、翻訳家。京都大学名誉教授。
来歴
[編集]大阪生まれ。1944年東京帝国大学卒。兵役に就き、戦後関西大学予科講師、助教授を経て、1950年京大教養部助教授、1967年教授、1985年定年退官、名誉教授、摂南大学教授。
ゲーテ、カフカ、トーマス・マンなどの翻訳多数を行った。古典西洋文学、中世キリスト教文学にも関心が深く、オウィディウス『転身物語』を共同初訳し、日本翻訳出版文化賞を受賞、ヤコブス・デ・ウォラギネ『黄金伝説』を訳者代表で完訳した。晩年は、辞書編さん(「フロイデ独和辞典」 、監修 白水社 2003)に関わった。
翻訳
[編集]- 『危機の本質』(オルテガ、創文社、フォルミカ選書) 1954、のち白水社、オルテガ著作集4 1969
- 『技術とは何か』(オルテガ、創文社) 1955
- 『愛のすべて』(ゲルトルート・フォン・ル・フォール、人文書院) 1956
- 『波紋』(リンザー、東京創元社、世界少年少女文学全集 ドイツ編) 1957
- 『天国の門』(ル・フォール、船山幸哉共訳、人文書院) 1958
- 『手記と回想』(ル・フォール、船山幸哉共訳、ヴェリタス書院、現代カトリック文芸叢書4) 1959
- 『教会への讃歌』(ル・フォール、船山幸哉共訳、ヴェリタス書院、現代カトリック文芸叢書5) 1960
- 『反復』(キルケゴール、白水社、キルケゴール著作集5) 1962
- 『若きウェルテルの悩み』(ゲーテ、人文書院、ゲーテ全集7)1960、のち新版 1964
- 『転身物語』(オウィディウス、田中秀央共訳、人文書院) 1966、のちAmazon Kindle版 2014[2]
- 『セレンゲティは滅びず 地上最後の野生王国』(B&M・クシーメック、河出書房) 1967
- 『ヘッセの言葉』(ヘルマン・ヘッセ、岩橋保共訳編、彌生書房、人生の知恵2) 1968、のち新版 1997
- 『非政治的人間の考察』全3巻(トーマス・マン、山口知三共訳、筑摩叢書) 1968 - 1971
- 『鉄のハンス / いばら姫』(文研出版、新訳グリム童話集) 1970
- 『日記 / 花粉』(ノヴァーリス、現代思潮社、古典文庫) 1970
- 『カフカ』(ギュンター・アンダース、彌生書房) 1971
- 『城』(カフカ、新潮文庫) 1971、のち改版 2005、のち新潮社、カフカ全集
- 『眠られぬ夜のために』全2巻(ヒルティ、筑摩叢書) 1972
- 『倫理学の二つの根本問題』(ショーペンハウアー、芦津丈夫, 今村孝共訳 白水社 ショーペンハウアー全集9) 1973
- 『トーマス・マン 反語的ドイツ人』(エーリヒ・ヘラー、山口知三共訳、筑摩書房) 1975
- 『芸術の運命 アリスタイオスの蜜蜂たち』(ウラジミル・ウェイドレ、飛鷹節共訳、新潮社) 1975
- 『黄金伝説』全4巻(ヤコブス・デ・ウォラギネ、今村孝, 山口裕, 西井武, 山中知子共訳、人文書院) 1979 - 1987、のち平凡社ライブラリー 2006
- 『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』(ゲーテ、今村孝共訳、潮出版社、ゲーテ全集7) 1982、のち新版 2003