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認知症、家族に迫る限界 介護保険には頼れない
2030年不都合な未来(3)
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11月22日。森義弘さん(68)の10年に及ぶ認知症介護が終わった。この夜、妻の敏子さんが亡くなった。72歳だった。
敏子さんは62歳で認知症に。森さんは仕事を辞め在宅介護に専念した。食事、入浴、排せつのケア。「夜中に13回、起こされたことも」。心と体が追い詰められる夜を幾度も重ねた。
今、森さんは喪失感に襲われている。「さみしい」。笑顔に癒やされ、予想外の言動にいらだった。介護は生活そのものだ...