女性の「流出」は悪ですか「移住婚支援」からの脱却
通常国会が24日、召集された。近く審議が始まる2025年度予算案から、政府が昨夏まで検討していたある政策が消えた。 女性に限定した地方への「移住婚」支援だ。もともと地方の婚活イベント参加や結婚での移住に自治体を通じ支援金を出す構想だったが、報道されると批判が噴出した。 政府や自治体などに共通する問題意識はこうだ。若年女性が都会に多く「流出」すると地方で婚姻数が増えない。子どもが生まれず人口減少が…
石破茂首相が24日に読み上げた施政方針演説は異例の構成になった。思い入れが強い地方創生に全体の3割にあたる3400字を割いた。少数与党での政権運営に臨む覚悟がにじむものの、実現は容易ではない。 演説の準備でこんな指示を繰り返した。「役所が入れたいものをそのまま入れるのはやめよう。やりたいこと、やるべきことを入れてほしい」 施政方針演説は通常国会の開会にあわせ、首相が向こう1年の国政全般に関する政…
第217通常国会が24日、召集された。石破茂首相は150日の会期中に3つのヤマ場を迎える。自民、公明両党は2024年の衆院選で過半数を割り込み、少数与党になった。衆院の予算案や法案可決には野党の賛同が必要で、政策を巡る野党との一定の合意が政権運営に重要になる。 首相は24日の施政方針演説で「党派を超えた合意形成をはかるため、与野党ともに責任ある立場で熟議し国民の納得と共感を得られるよう努めること…
立憲民主党の野田佳彦代表は2025年度予算案の国会審議で無駄な歳出の削減に注力する考えを示した。削減分を原資に「財源を確保しながら政策実現する。政権を狙うのだから財源に責任を持つ」と強調した。日本経済新聞のインタビューに答えた。 実現をめざす政策として学校給食費の無償化や介護従事者らの処遇改善などを例示した。 予算案に賛成する可能性は「まずない」と否定しつつ「総合判断の余地は残しておきたい」と語…
与野党は24日、国会内で衆院予算委員会の理事懇談会を開き、省庁ごとに専門的な質疑をする「省庁別審査」を新設することで合意した。審査の終盤に開いていた「分科会」を改革し、6グループに分けて2月上旬に3日間程度の審議を想定する。 立憲民主党の安住淳予算委員長は「各省が掲げている懸案について専門的な立場から時間をしぼって質疑をする。国会としてのチェック機能を果たしていきたい」と強調した。 野党は自民党…
▼地方創生 石破茂政権の肝煎り政策の一つで、地方の活性化を通じて人口減少に歯止めをかけ、東京圏への人口集中の是正をめざす。2014年に当時の安倍晋三政権が掲げ、首相は初代の地方創生相を務めた。24年10月に発足した石破政権は閣僚会議「新しい地方経済・生活環境創生本部」を中心に、過去10年間の政策を検証し再起動する「地方創生2.0」として推進してきた。 これまで中央省庁の地方移転の推進や企業の本社…
2024年はSNSが選挙に大きな影響を与えた。自らも夏の東京都知事選に出馬し、現在は都の「AI(人工知能)戦略会議」委員もつとめるAIエンジニアの安野貴博氏は「メディアの変化に適応できる政治家が台頭し、新陳代謝につながる」と語る。技術者、選挙経験者の2つの視点を持つ安野氏に、政治とテクノロジー、メディアの未来像を聞いた。(取材・構成は岩沢明信) 既存メディアの空白、SNSが埋めている 13年にイン…