コンテンツにスキップ

2009年ヨーロッパグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
欧州連合の旗 2009年ヨーロッパグランプリ
レース詳細
日程 2009年シーズン第11戦
決勝開催日 8月23日
開催地 バレンシア市街地コース
スペイン バレンシア
コース長 5.419km
レース距離 57周(308.883km)
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'39.498
ファステストラップ
ドライバー ドイツの旗 ティモ・グロック
タイム 1'38.683(Lap 55)
決勝順位
優勝
2位
3位

2009年ヨーロッパグランプリは2009年F1世界選手権第11戦として、2009年8月23日バレンシア市街地コースで開催された。正式名称は2009 FORMULA1 Telefónica Grand Prix of Europe

開催前

[編集]

フェラーリは前戦のハンガリーグランプリで負傷したフェリペ・マッサに変わりテストドライバーのルカ・バドエルがおよそ10年ぶりにグランプリ参戦となった。 ルノーはハンガリーグランプリ終了後、ネルソン・ピケからロマン・グロージャンにドライバーを交代することを発表。


予選

[編集]

展開

[編集]

気温30℃、路面温度44℃の条件下で予選がスタート

Q1

[編集]

今回およそ10年ぶりにステアリングを握るフェラーリのルカ・バドエルを先頭に各車がアタックに入る。トロ・ロッソセバスチャン・ブエミがトップタイムをマークするが、その後、マクラーレンヘイッキ・コバライネンウィリアムズニコ・ロズベルグマクラーレンルイス・ハミルトンブラウンGPルーベンス・バリチェロ、ハミルトンの順にトップタイムを更新していく。

残り3分でウィリアムズの中嶋一貴が14コーナーのエスケープゾーンでマシントラブルによりマシンを止めてしまう。残り1分でノックアウトゾーンにいたレッドブルマーク・ウェバーが5番手タイムを出し、かわりにブラウンGPのジェンソン・バトンがノックアウトゾーンに落ちる。しかし直後にそのバトンが4番手タイムを出し、今度は中嶋が16番手に下がり、Q1敗退が決定。

その他、フォース・インディアジャンカルロ・フィジケラトヨタヤルノ・トゥルーリ、トロ・ロッソのハイメ・アルグエルスアリ更にバドエルが19番手から1.5秒離され最下位でQ1敗退となった。

Q2

[編集]

気温30℃、路面温度47℃、湿度64%

まず、フェラーリのキミ・ライコネンが1'38.823ターゲットタイムをーマークする。その後バリチェロ、バトン、コバライネン、ロズベルク、バリチェロ、ハミルトンとトップタイムをどんどんと更新していく。残り5分を切り、トップのハミルトン以外の14台がアタックに出る。 ルノーは2台ともノックアウトゾーンにいたが、残り3分を切ったところで2台ともピットに戻り、もう一度コースに出る。 残り時間がなくなり、アロンソは最終アタック第2セクターまでタイムが伸びないが、第3セクターで挽回し、なんとか8番手に滑り込む。この結果、BMWザウバーニック・ハイドフェルド、フォース・インディアのエイドリアン・スーティル、トヨタのティモ・グロック、ルノーのロマン・グロージャン、トロ・ロッソのブエミがQ2敗退となった。

Q3

[編集]

気温30℃、路面温度46℃、湿度65%

BMWのロバート・クビサがターゲットタイムを出し、ハミルトンが1'39.498とトップタイムを更新する。他のチームはKERSを搭載しているマクラーレンを牽制する展開となり、結局このままハミルトンがポール・ポジションを獲得。2位にコバライネンが入り、マクラーレンがフロントローを独占した。ハミルトンは去年の中国グランプリ以来のポール・ポジションとなった。


結果

[編集]
順位 No ドライバー チーム Q1 Q2 Q3 グリッド
1 1 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン マクラーレンメルセデス 1'38.649 1'38.182 1'39.489 1
2 2 フィンランドの旗 ヘイキ・コバライネン マクラーレンメルセデス 1'38.816 1'38.230 1'39.532 2
3 23 ブラジルの旗 ルーベンス・バリチェロ ブラウンメルセデス 1'39.019 1'38.076 1'39.563 3
4 15 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル レッドブルルノー 1'39.295 1'38.273 1'39.789 4
5 22 イギリスの旗 ジェンソン・バトン ブラウンメルセデス 1'38.531 1'38.601 1'39.821 5
6 4 フィンランドの旗 キミ・ライコネン フェラーリ 1'38.843 1'38.782 1'40.144 6
7 16 ドイツの旗 ニコ・ロズベルグ ウィリアムズトヨタ 1'39.039 1'38.346 1'40.185 7
8 7 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ ルノー 1'39.155 1'38.717 1'40.236 8
9 14 オーストラリアの旗 マーク・ウェバー レッドブルルノー 1'38.983 1'38.625 1'40.239 9
10 5 ポーランドの旗 ロバート・クビサ BMWザウバー 1'38.806 1'38.747 1'40.512 10
11 6 ドイツの旗 ニック・ハイドフェルド BMWザウバー 1'39.032 1'38.826 11
12 20 ドイツの旗 エイドリアン・スーティル フォース・インディアメルセデス 1'39.145 1'38.846 12
13 10 ドイツの旗 ティモ・グロック トヨタ 1'39.459 1'38.991 13
14 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ルノー 1'39.322 1'39.040 14
15 12 スイスの旗 セバスチャン・ブエミ トロ・ロッソフェラーリ 1'38.912 1'39.514 15
16 21 イタリアの旗 ジャンカルロ・フィジケラ フォース・インディアメルセデス 1'39.531 16
17 17 日本の旗 中嶋一貴 ウィリアムズトヨタ 1'39.795 17
18 9 イタリアの旗 ヤルノ・トゥルーリ トヨタ 1'39.807 18
19 11 スペインの旗 ハイメ・アルグエルスアリ トロ・ロッソフェラーリ 1'39.925 19
20 3 イタリアの旗 ルカ・バドエル フェラーリ 1'41.413 20

決勝

[編集]

展開

[編集]

気温31℃、路面温度47℃、湿度56%

タイヤはマクラーレン、フェラーリ、BMWがソフト、ブラウンGP、レッドブル、ウィリアムズ、ルノーがハードを選択。

スタート後、上位3台は順位が変わらないが、ライコネンがKERSを利用し6番手から4番手まで順位を上げる。5番手スタートのバトンは8番手まで順位を下げた。後方ではブエミとグロックが接触。コーナーでは更にトゥルーリとグロージャンが接触。この影響でグロージャン、トゥルーリ、ブエミがピットイン。1周目の コーナーでバトンがショートカットしたことから5周目にバトンがウェバーに順位を譲る。トップのハミルトンは軽い燃料のためにファステストラップで2位以下との差を広げていく。

上位陣の先頭を切ってハミルトンが16周目にピットイン。ソフトタイヤのままコースに復帰し、6番手でコースに戻る。同じ周回でベッテル、クビサもピットイン、ベッテルはハードタイヤのままコースに戻る。次の周回でコバライネン、アロンソ、そしてベッテルが再びピットイン、ベッテルは大きく順位を下げる。前が空いたバリチェロ、その後ろライコネンが自己ベストのペースで周回を重ねていく。19周目にライコネン、バトンがピットイン、次の周回でバリチェロ、ロズベルク、ウェバーがピットイン。バリチェロはコバライネンをかわしてコースに戻る。22周目にスーティル、ハイドフェルドがピットイン。24周目に入りベッテルがエンジントラブルによりリタイヤ。

28周目にグロージャンとバドエルが同時にピットイン、しかしピットロードを走行中にバドエルがグロージャンに前を譲ってしまう。更にピットアウトの際に白線をカットし、後にドライブスルーペナルティを科せられてしまう。

37周目、ハミルトンがピットインするが、ミスコミュニケーションによりタイヤが準備できていなかったために、ピットストップに13.4秒かかってしまう。ここからバリチェロがファステストラップで追い上げる。38周目にコバライネンがピットイン。39周目中嶋の左リアタイヤがバーストするが何とかピットまで戻る。このアクシデントでのセーフティーカー導入を見越し予定より早目の40周目にバリチェロがピットイン、ハミルトンを逆転してコースに戻る。同じ周回でライコネンもピットイン、コバライネンを逆転してコースに復帰する。6番手のコバライネンが燃料を積んでいるためにウェバーとバトンのペースが上がらない。42周目にアロンソとバトンがピットイン。次の周回でロズベルクとウェバーがピットストップを行うが、ウェバーはここでバトンにかわされてしまう。第3スティントではハミルトンがバリチェロとの差を縮めるが追いつくまでには至らずそのままチェッカーを受ける。

バリチェロはフェラーリ時代の2004年中国グランプリ以来5年振りの通算10勝目、フェラーリ以外のチームで初めての優勝となった。2位、3位にはハミルトンとライコネンがハンガリーGPに続き連続表彰台となった。以下、4位コバライネン、5位ロズベルク、6位に母国グランプリとなったアロンソ、7位にポイントリーダーのバトン、8位にクビサが入り、ここまでがポイント獲得。コンストラクターズ2位のレッドブルはベッテルがリタイヤ、ウェバーがピットストップのタイミングで逆転されノーポイントとなった。

結果

[編集]
順位 No ドライバー チーム 周回数 タイム/リタイア グリッド ポイント
1 23 ブラジルの旗 ルーベンス・バリチェロ ブラウンメルセデス 57 1:35'51.289 3 10
2 1 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン マクラーレンメルセデス 57 +2.358 1 8
3 4 フィンランドの旗 キミ・ライコネン フェラーリ 57 +15.994 6 6
4 2 フィンランドの旗 ヘイッキ・コバライネン マクラーレンメルセデス 57 +20.032 2 5
5 16 ドイツの旗 ニコ・ロズベルグ ウィリアムズトヨタ 57 +20.870 7 4
6 7 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ ルノー 57 +27.744 8 3
7 22 イギリスの旗 ジェンソン・バトン ブラウンメルセデス 57 +34.913 5 2
8 5 ポーランドの旗 ロバート・クビサ BMWザウバー 57 +36.667 10 1
9 14 オーストラリアの旗 マーク・ウェバー レッドブルルノー 57 +44.910 9
10 20 ドイツの旗 エイドリアン・スーティル フォース・インディアメルセデス 57 +47.955 12
11 6 ドイツの旗 ニック・ハイドフェルド BMWザウバー 57 +48.822 11
12 21 イタリアの旗 ジャンカルロ・フィジケラ フォース・インディアメルセデス 57 +1'06.614 16
13 9 イタリアの旗 ヤルノ・トゥルーリ トヨタ 57 +1'04.527 18
14 10 ドイツの旗 ティモ・グロック トヨタ 57 +1'26.519 13
15 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ルノー 57 +1'31.774 14
16 11 スペインの旗 ハイメ・アルグエルスアリ トロ・ロッソフェラーリ 56 +1 Lap 19
17 3 イタリアの旗 ルカ・バドエル フェラーリ 56 +1 Lap 20
18 17 日本の旗 中嶋一貴 ウィリアムズトヨタ 54 +3 Laps 17
Ret 12 スイスの旗 セバスチャン・ブエミ トロ・ロッソフェラーリ 41 ブレーキ 15
Ret 15 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル レッドブルルノー 23 エンジン 4


外部リンク

[編集]
前戦
2009年ハンガリーグランプリ
FIA F1世界選手権
2009年シーズン
次戦
2009年ベルギーグランプリ
前回開催
2008年ヨーロッパグランプリ
欧州連合の旗 ヨーロッパグランプリ 次回開催
2010年ヨーロッパグランプリ